1g単位で軽く、より強靱に。自動車用カーボンホイールの未来とは?

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自動車において「軽量化」は永遠のテーマなのかもしれない。

事実、軽量化による恩恵は計り知れないもので、運動性能はもちろん、燃費向上にも大きく影響を与えている。トヨタが2015年12月から発売を予定している新型プリウスの最廉価グレードでは、40㎞/Lという燃費を達成すべく、燃料タンクやウオッシャータンクを小さくするなどという徹底ぶりだ。

また、モータースポーツのシーンにおいては1g単位の軽量化を積み重ねることで勝利という結果を導くのだから、もはや執念の領域といえる。

軽量化の代表的な方法としては、自動車の部品の多くを構成している金属を、より軽量な素材(カーボンなど)に置き換えるというのがメジャーだ。

この記事ではカーボンファイバーという素材に注目したいと思う。以前は高価な素材という印象が強かったカーボンだが、現在では様々な工法や技術が生まれたことで、BMW i3のようにスポーツカーではない車にも、外板のみならず自動車を構成する基礎の部分にもカーボンが用いられている。

このカーボン化の流れは車体にとどまらずホイールにも及んできている。その恩恵として、バネ下重量を軽減できるので、ボディの軽量化以上に走行性能の向上が期待できる。しかし、軽量で硬いとされるカーボンといえども、高負荷がかかるホイールのカーボン化というのはなかなか実現しなかった。ところが最近では、量産車にカーボンファイバー製のホイールを採用することが現実的な選択肢となりつつあるようだ。

ホイールのカーボン化されるまでの経緯を大まかに説明すると、まず2012年にアメリカで行われたチューニングカーの祭典「SEMAショー」に、オーストラリアのカーボンレボリューション社による世界初のカーボンファイバー製ワンピースホイールが出品された。カーボンレボリューション社によると、このホイールは、同様のアルミ製のホイールよりも40%~50%も軽量だという。


(カーボンレボリューションサイトより)

2013年には、スウェーデンの自動車メーカーであるケーニグセグが、アゲーラSにカーボンファイバー製のホイールを採用している。このホイールは、20インチ×12.5jというサイズでありながら、6㎏という驚異的な軽さを実現している。実際、このホイールは、動画でも確認できるように簡単に投げ上げることができるほどだ。ただし、この採用例は、ごく少数の生産台数を超高額で販売するメーカーだからこそ実現できたと推察され、現時点では大量生産を前提としている企業ではなかなか実現できないことを物語っている。

Pure carbon rim of Koenigsegg is VERY light, this time excluding the HEAVY tyre

ケーニグセグではそのホイールを自社で制作していて、その製造過程をこの動画で確認できる。

Making 280mph Capable Carbon Fiber Wheels – /INSIDE KOENIGSEGG

2015年、ついにフォードが発売するシェルビー GT350R マスタングに、大量生産する自動車としては初めてカーボンファイバー製のホイールが採用された。

このホイールはフォードがカーボンレボリューション社と提携することで採用が実現した。量産車へ採用するにあたり、縁石に激しくぶつけるなどのテストを行い、ブレーキが発熱する温度に耐えられるよう、スペースシャトルのエンジンに用いられるセラミックコーティングが施されたという。同型のアルミ製のホイールが1本15㎏のところを8.2kgという軽さを実現し、その効果は足回りのセッティングを変えるにまで及んだ。

海外では、フォルクスワーゲンがこのカーボン製のホイールの開発を公言していて、日本では東レなども開発を行っている。ホイールのカーボン化の流れは着実にやって来ているように思えるが、BBSは新世代のホイールとして超超ジュラルミン製のホイール(注:超超ジュラルミン製は誤字ではなく、BBS Webサイトでも正式に使われている表現)を発売するなど、金属製のホイールも進化の余地がまだありそうだ。近い将来カーボン製のホイールがシェアを伸ばし、モータースポーツの世界にも浸透していくのか、依然として金属製のホイールが揺るがない地位を確立したままなのか、興味深く見守っていきたいと思う。

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中野 ヒロシ

カッコいいクルマが大好きです、メカニズム的な面も好きで普通のスポーツカーからチューンドカーも好きです。

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