ついにEVとして復活!トミーカイラZZの試乗レポート

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トミーカイラ、この名前自体懐かしいですよね。90年代にオリジナルのクルマを作っていましたが、コンプリートカーも幾つかラインナップしていたではなかったでしょうか。そのトミーカイラがEVとして復活。このニュースは、少なからずワクワクしたものでした。先に開催された東京オートサロンで出品されていて、「試乗車が用意できたらおしらせします」とおっしゃっていただいて、その時のご縁で今回かなり早いタイミングで試乗することができたので、その感想を少し書き留めておきたいと思います。

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往年のトミーカイラZZがベースのはずが…気づいたらほぼ刷新されていた。

もともとは、往年のトミーカイラZZをベースにEVコンバートすれば、簡単に楽しい電気自動車ができるのでは、というのが開発のスタートだったのだとか。しかし、一つ二つとこだわっていくうちに気づいたら、ほぼ完全に別の設計になっていたそうです。試乗した、スーパーオートバックス東京ベイ東雲の下妻さんは「スポーツカーというと、どこか浮世への未練のようなものがあるとは思いませんか?このクルマは何もついてない。サイドウィンドウもないのです。だからスポーツカーではなく、完全にレーシングカーなのです。」と語ってくださいました。

航続距離およそ120km、エアコン、オーディオもないのは言うまでもありませんが、回生ブレーキもパワステもブレーキのサーボもありません。「電気ですから、何かを求め始めたら、不可能なことはないでしょう。航続距離ももっと長くすることは可能です。しかし、これでいいのではないでしょうか、ないものをねだるのではなく、そぎ落としてこそ味わえるピュアリティ。このクルマで味わっていただきたいのはそこなのです。」

雨、止んだかな?空を見る瞬間が乗る前にある。これもこのトミーカイラZZの情趣のうちだろう。

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そんなわけで、このトミーカイラZZ、サイドウィンドウがありません。エマージェンシーの幌はあるのですが、それだけです。そんなわけで、もし雨が上がらなければ別の日にリスケしましょう。そんな話をしていたところでした。このクルマに関する話や操作方法を伺っていると、なんと朝から降っていたありませんか!雨が止んだことでこんなにありがたいと思えること、今時なかなかあるものではありません。そしてこの「雨止んだかな?」と空を見上げる感じ。これがなかなか風情があるではありませんか。

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室内はさながら「あずまや」だ。かすかにモーターの音もするが、風の音が聞こえるのは新鮮。

ものすごく高いサイドシル、うまく体は入るだろうか。そんな不安のまままず左足を入れ、お尻をレカロのバケットに落とし込み、右足を抱えるように収めると、なんだか収まってしまいました。「快適な乗降性」ではありません、お世辞にも。しかし、無理じゃないからこれでもいいかな、そう思わせるものがあります。見かけよりはむしろかなり乗り降りしやすいかな?そう思ったほどでした。

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割となんとかなるものだなあ。これが乗用車タイプであれば、よりアクセスの改善は求められてしかるべきですが、このクルマであれば、目くじらをたてるのがむしろ狭量だと言われてもしかたないのではないでしょうか。

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▲収まると割と快適な「走るあずまや」だ。

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▲ちなみに外側にドアノブはないので、内側のドアノブをリリースして開扉する。

一応ガソリン車でいう300馬力ほどのパワーが出るというこのクルマです。そろそろ走り出すと、850kgしかない車重の軽さがビシビシ伝わってきます。パワステもありませんが、動き出せば、むしろそれで残る重さには適正だと感じましたし、ブレーキもしっかり踏み込んで停まるフイーリング、あれくらい重みがないとむしろ不安になるでしょう。虚飾を排し、何もないスパルタンなクルマとして乗ると、割と不満はないものです。むしろ、フロントウィンドウがあるんだからありがたい。そう思えてくるのですから不思議です。

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EVですから踏み込めばたちまちダイナミックな加速をします。これはガソリンエンジンでは確かに味わえない走り。航続距離も120キロと言いますが、フロントウィンドウしかなければ、1時間かそこらで小休止をとるべきなのです。ドライバーのために。だいたいe-NV200で大阪まで行った身としては、そこはあまり恐れるような話ではないと思ったのです。その都度10分、15分づつくらい休憩して充電すればいいのです。その時に冷えた体、乾いた喉を潤す。そういうドライブがいいのではないでしょうか。

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▲スイッチは基本これだけ。難しいことは何もない。「あとは風と戯れるだけ」だ。

そもそもトミーカイラZZって少年に負けない「ジジイが作ったクルマ」ですから。

最後に担当の下妻さんもおっしゃっていたことですが、このクルマ自体のパフォーマンス、プレスティッジをひけらかすのではなく、「これを買う俺」に酔えるクルマなのではないかと思いました。このクルマこそ、一台ではどうしようもありません。たぶん「何台もクルマを持っている人」「クルマを持つ必要のない人」このクルマのオーナーはそんな人なのではないか、そう思うのです。

しかしそれでも皆が買うわけではない。今時あんなの買って「粋だねえ」というクルマ、そうそうないのではないでしょうか。そもそもトミーカイラZZって少年に負けない「ジジイが作ったクルマ」ですから。「スポーツカーというよりレーシングカーです」と言っておきながら、エンブレム「ウサギとカメ」の話に由来したカメですから。一筋縄ではいかない。アピールするおっさん。大いに憧れるところであります。

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「気づきを得る努力」若いうちはとにかくがむしゃらでした。でも「得るものがないと悪か?罪なのか?」そんなことはありませんよね。でも、築地の雑踏の間、晴海通りを銀座に、このクルマで颯爽と走り抜ける。そしたら面白いと思わない?なんだか結構いろいろクルマ趣味の経験を積み上げてきた先輩とかで、乗る人がいるのかも。「隅に置けないクルマ」はなんとも楽しそうなものだ。いつもそう思うのです。

とにかくこんなクルマで都内をくるっと。実は楽しいクルマを心待ちにしているのは、雨上がりの大都会なのかもしれない。めっぽう寒かったけど、すこぶる楽しい。他のクルマとは全く違う、そんなトミーカイラZZの試乗レポートでした。

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▲かっちりとした操作感、私は嫌いじゃない。

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▲わりと重厚なキー。

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▲急速充電も可能。これができて、フロントウィンドウが当て、ホロもある。まあ、これでいいよな、と思わせる感じもなくはない。

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▲助手席は多分乗せることはないでしょうね。逆に言えば、ここに乗ってくれる人は同性でも異性でも「同志」に違いないでしょう。

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▲この日たまたま拝借していたフォルクスワーゲン・トゥアレグと。返却直前に並べてみました。トゥアレグもなかなかいいクルマですが、トミーカイラZZとこんな組み合わせ、実は理想的かも。

参考リンク:
トミーカイラZZ公式サイト

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中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事した。そのころ企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなどを担当。その後フリーランスライターとして活動現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。車選び.com ,NAVI CARS他で執筆中。「クラシックカー美女」テキスト担当●温泉ソムリエ●一級小型船舶操縦免許

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