「2CVとDSの間のさじ加減」1973年式シトロエンAMI8に試乗する

  1. 試乗レポート
  2. 396 view

IMG_20160603_124342

後ろ髪を引かれるような。なんとも言えない粘りがあるというか。ヨーロッパの1000cc以下のクルマの楽しさを知ってしまうと、なかなかそれを凌駕する楽しみのクルマ、なかなかないものです。そう言い切ってよいほど、ハズレがありません。クルマとして色々飾り立てるものが何もないからこそ、クルマとしての根源的な価値、魅力が際立つのかもしれません。根本的には2CVをルーツに持つシトロエンAMI8。このクルマに試乗させていただく機会をえました。ちょっとその試乗した感想をまとめたいと思います。

IMG_20160603_093046

実はこのクルマ、昨年夏にマセラティ・ギブリを駆って山口県美祢市まで、ジャズとバレエのコラボレーションを観に行く旅に出ました。その時彼の地美祢で私を出迎えてくれた、イベントの主催者伊達実さんのおクルマなのです。今回整備を機にクルマが上京するというので、そのタイミングで伊達さんのご好意で乗せていただくことができました。

IMG_5964
▲昨年ギブリの試乗を兼ねてお邪魔した秋吉台国際芸術村で一緒に

綺麗なターコイズブルーのボディ。中に乗り込むと、そこはれっきとした「サルーン」の世界。高級車とまでは行かないまでも、「一人前の自動車」のていをなしています。窓には開閉用のレギュレーターハンドルがあり、2CVや先だって乗ったディアーヌとは一線を画す作りです。

IMG_20160603_093016

キャブレターの交換など、一式整備をしたAMIは確実に一発でエンジンを始動させるコンディション。もしかすると、一応インジェクション仕様の小生のマセラティ430よりも確実に始動するのではないか。そう思うほどでした。

IMG_20160603_083657

左に寄せるようにして手前に引くと1速、そのまま奥に押すと2速、まっすぐ手前に引くと3速、少し外側に反らすように押し込むと4速。ダッシュボードから球が飛び出したようなシフトレバーは、しかし何度乗っても手になじみます。これこそが理想的と思わせるくらいしっくりくるのです。今時のクルマに負けないというと言い過ぎですが、第二京浜でも臆することなく走ることが出来、全く不足で怖い思いをすることはありません。

IMG_20160603_083702

どうしたことでしょうか。心持ち乗り味がスポーティーな印象です。スペック表に現れない味付けの違いを見せるのがシトロエンは実にうまい。常に感心させられます。クルマの躯体がよりカッチリしているからでしょうか。そして走り始めると極めてフラット。例によって大きくロールするカーブでの姿勢も、しかし積極的にカーブに切り込んでいきたくなるような独特のキャラクターもあり、和やかながら、とてもキャッチーなクルマです。ありとあらゆるクルマを乗りつくした後に、こういうクルマこそアガリのクルマなのかも。そう思わせるクルマでした。

IMG_20160603_132644

小さなクルマは東京まで山口から陸路走ってきたということ、はじめはちょっと信じられませんでした。申し訳ないですが、やや派手に広げたネタ話かと思ったのです。しかし1日このクルマとともに過ごしてみて。足りる足りないではなく、「もっと遠くまで走っていたい」。とにかく欲求が先に立つ、そんなクルマでした。最高出力でとどまるところを知らない、そんな印象のAMI8、理想の「アガリグルマ」候補を見た心地がしたのです。

IMG_20160603_093028
▲引き戸ではなくレギュレーターハンドルで回すタイプの窓。2CVよりだいぶ現代の自動車に近づいてくる

まあ、アガリグルマという概念自体が、実はないという話に先日あるところでなったりしましたが、これに関してはまた別の機会にでも。クルマ趣味は実に果てしないですね。

IMG_20160603_093023
▲つまみを回すとドアが開閉します。最小限の仕組みで最大限にエモーショナル。このノブを回すたびにちょっとした異文化覗くような気持ちになる

小さなクルマでよく東京まで。はじめそう思った私でしたが、そのまま山口の伊達さんのお家までお届けに行きたいような、そんなクルマでした。なんでも今月末に改めて東京まで引き取りにいらっしゃるのだとか、ぜひ楽しいドライブになるといいなと思います。

IMG_20160603_124352

下の写真は世界的にもなかなか見ることのできない光景でしょう。1930年製のシトロエンC6。崖の上の草むらに覗くのは、当時親会社だったシトロエンが傘下のマセラティに製作させたSM用のエンジンとアシ、その他ハイドロのマネジメントシステムを持つGTカムシン。ちなみにこのC6は一説によるとアンドレ・シトロエンが乗っていたクルマそのものだというのです。そんなクルマたちの中で微笑むAMI8。

IMG_3306

<取材協力>
アンシェントホテル浅間軽井沢
http://www.ancient-hotel.com/

株式会社アウトレーヴ
http://autoreve.jp/

輸入車に関するお困りごと、なんでもご相談ください!

カレントライフを運営するカレント自動車は、輸入車のトータルサービスを提供しており、ポルシェ・ベンツを中心にした輸入名車の販売だけでなく、買取・整備・車検・パーツなどあらゆる領域でサポートが可能です。だから輸入車に関するお困りごと、なんでもご相談ください!

無料相談はこちら
中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事した。そのころ企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなどを担当。その後フリーランスライターとして活動現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。車選び.com ,NAVI CARS他で執筆中。「クラシックカー美女」テキスト担当●温泉ソムリエ●一級小型船舶操縦免許

記事一覧

関連記事