27年連れ添った愛車は身体の一部。「メルセデス・ベンツ560SEL(V126)」オーナー、森 長治さんにインタビュー

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いま、所有しているクルマを購入するとき「このクルマは一生乗る!」または「このクルマは必ず10年乗る!」と決めて…あるいはそう周囲に宣言して契約書にハンコを押した方、意外と多いのではないでしょうか。しかし、このときの思いを貫き通し、1台のクルマと長く付き合う…。それが想像以上にハードルが高いことは、1度でもクルマを所有した方であればご理解いただけるのではないかと思います。

27年連れ添った愛車は身体の一部。「メルセデス・ベンツ560SEL(V126)」オーナー、森 長治さんにインタビュー

▲オーナーの森 長治さんが27年間所有しているという、メルセデス・ベンツ560SEL(V126)

今回は、82才になったいまでも、当時、新車で手に入れたメルセデス・ベンツ560SEL(V126)を、27年ものあいだ大切に所有しているオーナーさんをご紹介いたします。

── オーナー紹介&どんな仕事をされてきたのですか?

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▲メルセデス・ベンツ560SEL(V126)の堂々たる姿は、平成が終わろうとしているこの時代でも色褪せることがありません

若いときに2年半ほどサラリーマン生活をしました。3000人受けて5人くらいしか入社できないような狭き門の会社だったのですが、体調を崩したことを機に退職を決意し、半年くらい無職だった時期もありました。

その後、一念発起して建設業を起業。立ち上げた会社を軌道に乗せるため、行政関係の案件や、名門ゴルフクラブの造成工事など、未経験だった仕事にも果敢にチャレンジし、毎日必死に働きました。

── 現在の愛車を手に入れたきっかけを教えてください

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▲美しく磨きあげられたボディ。下校途中の男の子も興味津々のようです

実は、このメルセデス・ベンツは人生初となったドイツ車なんです。初めての輸入車はマーキュリー クーガーでした。まだ輸入車自体が少ない時代に手に入れたアメ車です。しかし、故障が多く、半年くらいで手放しました。それからフォード サンダーバード、リンカーン コンチネンタル マークIVと乗り継ぎ、国産車を2台挟んで手に入れたのが、このメルセデス・ベンツ560SEL(V126)の最終型です。

── 敢えて最終型のSクラスを手に入れようと思ったきっかけを教えてください

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▲生粋のドイツ車でありながら、純和風の家屋にも自然とマッチしています

当時は、次期Sクラス(W140)の情報も耳に入ってきていて、実をいうとこちらも検討していました。東京モーターショーで現車が観られるということで行ってみたんです。しかし、実車を観てみるとどうもしっくりこなくて…。

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▲当時「YANASE物のメルセデス・ベンツ」に憧れた方も多いのでは?

そこで、ディーラーにお願いしてすぐにメルセデス・ベンツ560SELの在庫を探してもらい、ようやく手に入れることができたのがこのクルマというわけなんです。

── このメルセデス・ベンツ560SEL(V126)は所有してどれくらい経つのですか?

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▲内装もご覧のとおり。これぞワンオーナー車。丁寧に使い込まれたことが伝わってきます

1990年式なので、今年で27年になります。手に入れたときから「このクルマは一生乗るんだ」と決めていました。点検や車検のたびにディーラーから乗り替えを勧められてきましたが、そのたびに「このクルマに乗り続けるから」と断り続けていたんです。ディーラー側も諦めたのか、そのうち何もいわれなくなりましたよ(笑)。

── とても27年前のクルマとは思えないほどきれいなメルセデス・ベンツ560SEL(V126)です

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▲フロントグリルにあるスリーポインテッドスターはもちろん、グリルのメッキも曇りがありません

時間ができるとガレージでクルマを磨いています。ボディだけでなく下回りもきれいですよ。雨の日は乗りませんし、排気系も当時のままで錆もありません。ディーラーの人も驚いています。

── 珍しいボディカラーですね

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▲ブレーキダストで汚れがちなフロントホイールもご覧のとおり

購入時はブルーブラックだったのですが、偶然見掛けたトヨタ セルシオ(初代)の「ダークレッドマイカ」というボディカラーが気に入り、15年ほど前にこの色に塗り替えました。

── 27年間所有していて、これまでトラブルはありましたか?

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▲ディーラーでメンテナンスされ続けているエンジンルーム。ホース類もきれいなままです

先日、出先でベルトが切れてしまい、エンストしたのが、27年間所有していて初のトラブルです。高速道路の合流路のところで止まってしまったんですが、すぐに待避できるような場所でしたし、幸い、ディーラーも近くにあったので、レッカーで移動してもらいました。

あとは以前、カムシャフトを交換したくらいでしょうか。そのとき、ドイツに1セットだけ残っていたのを空輸してもらい、ディーラーで修理してもらいました。

── 最近のメルセデス・ベンツには興味はありませんか?

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▲この時代のメルセデス・ベンツは、金庫を開閉するかのような硬質な手応え。張りのあるシートも、この時代ならではの重厚さが感じられます

正直申し上げますが、興味はありません。デザインが私の好みではなくなってしまったんです。ドアを開閉したときの手応えもだいぶ変わってしまいましたよね。私が所有していた時代のメルセデス・ベンツは、まるで金庫を開閉するかのような手応えですから。

── 手に入れて良かった点、苦労している点を教えてください

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▲バッテリーも純正品。交換日が明記され、きちんとメンテナンスされていることが伺えます

・良かった点
実際に手に入れてみて、ますます気に入ったことでしょうか。興味はあるけれど、実際に手に入れてみたらイメージと違った…ということもありますが、このクルマはまったくそんなことがなかったんです。クルマとしての快適性がありながら、いざというときはスポーツカーにも負けないパワーと動力性能を併せて持っているところも気に入っています。

・苦労している点
ありません。27年間、手放そうと思ったことは1度もないほど気に入っているんです。

── 予算抜きで、欲しいクルマBEST3を教えてください

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▲ワンオーナー車ならではの一品。いまとなっては貴重な純正シートカバーも当時のままです

ありません。このクルマを手に入れたときから一生乗ると決めましたから…。

── あなたにとって、愛車はどんな存在ですか?

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▲取材時のオドメーターは83399kmを刻んでいました

もはや「身体の一部」です。

手に入れたときから大事に乗ろうと決意し、事実そうしてきました。暇さえあればクルマを磨いているので、息子にも飽きられています(苦笑)。一生乗ると決めたクルマですし、これからも大事にしていきたいですね。

※息子さんの森太一さんも、お父様の血を引いて愛車を大切にしているお方です。

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── 補足:「メルセデス・ベンツ560SEL(V126)」オーナー、森 長治さんにお会いしてみて

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▲フロントグリルには、長期間1台のクルマを所有しているオーナーに贈られるバッチが誇らしげに掲げられていました

30年近く同じクルマに乗っていれば、その間に1度や2度は浮気心が芽生えてもおかしくないはず。事実、多くのオーナーさんが浮気して「やっぱり売らなきゃ良かった…」という話しもよく耳にします。

その点、森さんはとことん一途です。その気になれば最新モデルに買い替えるタイミングは何度もあったはずなのに、1台の愛車と真摯に向き合う姿勢に、ただただ尊敬の念を抱く取材となりました。

「これは一生モノ」だといいきれるクルマに出会えるだけでも幸運なことですが、この気持ちをずっと持ち続けることは並大抵のことではありません。

27年連れ添った愛車は身体の一部。「メルセデス・ベンツ560SEL(V126)」オーナー、森 長治さんにインタビュー

もしもいま「そろそろこのクルマを手放して乗り換えようかな」とお考えの方がこの記事を読んでくださっているとしたら、もう1度考えてみてください。1度手放したクルマは、ほぼ間違いなく手元には戻ってきません。

一生モノのクルマに出会える機会そのものが、めったにない幸運なできごとなんですから…。

── オーナープロフィール

27年連れ添った愛車は身体の一部。「メルセデス・ベンツ560SEL(V126)」オーナー、森 長治さんにインタビュー

お名前:森 長治さん
年齢:82才
職業:不動産業
愛車:メルセデス・ベンツ560SEL(V126)
年式:1990年式
ミッション:4速AT

[ライター・撮影/江上透]

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松村 透松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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