子供の頃のあこがれ!真っ赤な2シーターのNAロードスター、Tさんにオーナーインタビュー

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数か月前、CLの名物ライター伊達軍曹氏がついにNAロードスターを手放し新車のスバルXVに代替えという電撃的ニュース(?)が駆け巡りましたが、奇遇にも伊達氏と入れ替わるように、筆者の友人が平成8年型の1.8Lモデルの真っ赤なロードスターを購入し、オーナーインタビューのオファーを出したところ友人のよしみで受けてくれることになりました。

▲平成8年ユーノスロードスター

今回、オーナーインタビューを受けてくれたTさんとは、とあるイベントで知り合って以来13年来の友人であり、今も時折、一緒にクルマ以外で筆者が関わっているイベントの運営を手伝ってもらったり、一緒に食事をしたりとかけがえのない友人です。

▲あえてATを選んだのにはそれなりの理由が・・・

──今までの愛車歴を教えてください
最初に買ったのは初期型S13シルビア(CA18エンジン搭載モデル)のノンターボAT。その次が新車で買った某4ドアセダンのMT仕様です。希少車のため具体的にいうとバレてしまうため車種は伏せておいてください(苦笑)。本当はシルビアでドリフトしようと思い、MTよりATのほうがボディの状態がよいと聞いて、MTに載せ替えてドリフト仕様に改造しようと思っていたのですが、結局なにもしないで検切れで買い替えることにしました。

(最近のS13型シルビアの人気の上昇ぶりに)今思えば、直せばよかったかもしれないですね。その次に、やっぱりMT車に乗ってみたかったのと人を乗せる機会が増えたので4ドアセダンにしました。そのころはもうドリフトする必要も無くなったので。

※筆者注:車種は口止めされているのですが、初対面の時が丁度、先代の愛車を新車購入した直後で隠れセダン好きの筆者も度肝を抜かすようなレア車でCL誌面に詳細を書けないのが惜しいくらいです(苦笑)。

──ロードスターを選んだきっかけですが、某セダンの車検が切れて、その間にバイクにハマって普通自二輪の免許も取って原付二種にボアアップしたホンダスーパーカブとカワサキZZR250にハマってその間に不動になってさすがにこのままでは、と買い替え候補を考えたんですよね。
もう一度シルビアと思ったんですが、中古価格が高騰してて・・・。

──冗談半分で筆者が何気なくTさんが好きそうなヤングタイマー世代のスポーツカーで、まだそれほど高騰してないユーノスロードスターはどう?って提案したのが思わぬ方向に(苦笑)
最初は僕もロードスターはそんなに興味持ってなかったんですよ。それを鈴木さんがロードスター、ロードスターって言うから(苦笑)。でも、試しにロードスターについて調べてみたらロードスターの歴史が面白くて引き込まれていったんです。実は初代ロードスターのデザインが実は「和」(ユーノスロードスターのモチーフというとイギリスのオープンスポーツカーのイメージとばかり)をモチーフにしていたとか。

NAロードスターは子供のころから見ていたけど時代的に興味がR32GT-Rや80スープラ、NSX、FD型RX-7に移って行ってロードスターはいつしかあまり気にしなくなっていたのですが、大人になってその良さに気付いたというか。それに、今思えばシルビアを買うときにロードスターも愛車候補だったことを忘れていました。

──このロードスターに決めた理由はなんですか?
最初はMTで探していたんですが価格的に合わないんですよ。安いものはすぐ売れるので、見つけて問い合わせた先からもう売れてるんです。修復歴有でもMT車はすぐに売れますし、当然、無事故車は高いです。一方ATなら状態も良くて安い個体が多くて。

安いMT車はどうせ争奪戦になるし、昔シルビアもATで乗ってたからATで探すことにしました。MTは色や修復歴を妥協しても見つからなかったのに、ATなら子供のころから好きだった赤いロードスターのフルノーマルで、純正オーディオまで残ってる個体が見つかったんですよ。

▲生憎、電源は入るものの音が出ない状態ということですが、今後純正オーディオをOHする予定だそうです。

──このロードスターは東京の業者まで買いに行ったんですよね。
MT車を探しているときからあった物件なんです。中古車サイトに問い合わせをしていて、その店だけ電話で返信が来たんですよ。たわいのない会話をして、それが土曜日の夜、見に行くなら休みの日、来週の土日にはもう無いだろうと思って翌日には新幹線に乗って東京に向かっていました(笑)。

最寄り駅にに着いて中古車屋さんに連絡したら社長さんが迎えに来てくれたんですが、むかえに来たクルマがまさかのジャガーだったんです。もうこの時点でこんなおもてなしされたら外堀埋められてるな~と(苦笑)。

まずは現車確認して塗装はヤレているのは承知のうえで、ベースになればなと。ローンの審査をしている間に担当の人と話してると、その人の息子さんもNAロードスターに乗っていてその話で盛り上がったんですが、品定めをして「わかりました」と言ったら「ささ、どうぞ」と事務所に通されて、言われるがままに書類を書いて、車庫証明の説明を受けて一通り書類がそろったところで・・・「ありがとうございました」と言われました。

僕、一言も「買う」とは言ってないんですよ。買うって言わないうちにロードスターを買っていたんです(苦笑)。

「は~、買っちゃったな~」と言ったら社長さんが「このクルマは君が買う運命だったんだよ」って言われました。帰りに担当営業の人からも「実は、この会社に入ってはじめて契約したお客さんなんです。」って、これで大事にしなきゃいけないなと・・・昔はドリ車として見てましたけど、S13シルビアもNA型ロードスターもクラシックカーとして見てます。長い目で見るならATのほうが丁寧に乗るからアリかなと、走りならバイク(ZZR)に乗ってるし。鈴木さんたちの言う「クラシックカーの一時預かり人」になる覚悟をしました。

──たしか筆者はその時糸魚川の日本海CCRの帰りで、東海北陸道の有磯海SAの駐車場でセリカのドアを開けながらみたラインでロードスターの成約を知りました。あまりに急でスマホをセリカの下に落としそうになりましたよ。

──今後どこから手を入れていきたいと思いますか?
まずATFとフィルターを交換したいですね。足回りはアブソーバーとブッシュ交換はしたいですが、ダウンサスとか車高調はいいですし、足回りも車高もノーマルでいいなと思えるクルマなんです。ウェザーとタイベルも見ておきたいですね。

──マツダのNAロードスターリフレッシュプランについては?
フルレストアまでは難しいですが、パーツが出るのはありがたいですね。ロードスターに決めたのもパーツ供給に期待ができるのもありますし。

でも理想は全塗装までしたいですね。色褪せは覚悟してましたから、他の色ならまだ塗装の状態は無難だったかもしれないですけどそれでも赤が欲しかったんです。

※注:Tさんは筆者がスバル360とセリカLBで、散々部品調達に頭を抱えているのを見ていたのですが、一方で実はロードスターの製廃になった部品の供給再開のアナウンスがあったのをTさんに教えたのは筆者です

▲知る人ぞ知るNAロードスターのアイデンティティ、指で引っ張るドアオープナーハンドル

──このクルマにして良かった点はなんですか?
コーナーの初期反応がクイックで、少ない舵角で曲がれるんです。もちろんオープンにしたときの解放感と爽快感は格別ですよ。実は納車は自分で引き取りに行って、さっそくフルオープンで首都高を走って名古屋まで帰ってきました。MTが楽しいのはわかってるんですがATで街中をながすのが楽しいですね。別にドリフトするわけでもサーキットを攻めるわけでもないので。あと、子供によく見られます。やっぱり今のクルマと違うカッコよさがあるのかのか目を引くみたいで・・・。

──筆者のセリカLBもやっぱり子供が見入ってるんですよね。あと年配の人が必ず駆け寄ってきますし。そのうちロードスターも「俺が昔、嫁とデートしたクルマだ!」って言われますよ(笑)。苦労している点はなんですか?
やっぱり荷物が載らないのがちょっと・・・あとドアの下がりがあって、ヒンジの修正はしておきたいですね。それから塗装のヤレ。2人乗りな事は特に困らなかったんですが、オープンカーの常で雨漏りですね。泥水くさい匂いがして、雨が何日も続いて晴れたある日、幌の下を見たらフロアまで水浸し、フロアカーペットをめくって吸音スポンジの匂いを嗅いだら例の泥水くさい匂いがするんですよ。購入前から雨漏りしていたみたいですね。まぁ、オープンカーだから覚悟はしていましたけど(苦笑)。新品のウェザーはまだ出るみたいですし。酷いクルマだとサイドシルに水がたまって車体が揺れるとタポン、タポンと水音がするって言いますからまだいいですよ。

──とりあえず、フロアカーペットの下に新聞紙を敷いて湿気取りにするといいですよ。せっかくなんでちょっと乗せてもらえませんか?昔NBのロードスターなら一度だけ試乗したことはあるんですけどね。NAは初めてです。実はここの公園でインタビューお願いしたのは、点在する駐車場を結ぶいい感じの周回路があるからなんですよ。
じゃあ、ちょっとお勧めのインプレッションで、まずはこうしてソフトトップをクローズした状態で乗ってください。

▲テンロクコンパクトの2シーターオープンゆえに、幌を閉めると車内は思った以上にタイト

▲サスペンションは、要アブソーバー交換なのは否めない物の、見た目のファニーさに似合わず思った以上にハード

──ではいよいよ、ソフトトップのオープンをお願いします。

▲ロードスターのオープントップ越しに見る晩秋の空

──ちょっと、ちょっとなんですか(笑)この解放感!少々の寒さなんか余裕で我慢できる爽快感じゃないですか!まさかオープンカーがこんなに解放感が堪能できる物とは思いませんでしたよ。
よかったらちょっと運転してみてていいですよ。

──ありがとうございます!あとでよかったら筆者のセリカLBにも乗ってみます?(笑)
いや、さすがにそれは無理(苦笑)

正味3~4分ほどで感じたのは、スピードとかパワーとは別のところに楽しさのあるクルマでした。アクセルせず適当なスピードでクルーズするだけでも十分に楽しいという点では、ハンドリングの良くできたクルマはオートマチック車、マニュアル車関係なく楽しいというのが瓢箪から駒でしたね。

この後、近くの東海マツダにNDロードスターの試乗車があるというので、試しにTさんに乗ってもらう事にしました。

──NDロードスターに乗ってみた感じはどうでした?
NAと比べるとちょっと目線(着座位置)が高いですね。オルガンペダルのアクセルがほどよく重くて長距離走行が楽そうです。ただちょっとレスポンスがだるい気がします。

──オルガンペダル、筆者も好きなんですよ。高速道路で微調整するのが楽で、ワイヤー式のスロットルに慣れてる人だと、今どきの電制スロットルは違和感をおぼえるようですね。
ステアリングの反応は同じ、NAしか乗ったことがない僕が言うのも変ですがNDのハンドリングは原点回帰を感じますね。あとシートヒーターがあるのはありがたい(笑)。

▲この後、TさんのNAとこのNDを並べたら注目の的でした。今やNAロードスターはマツダのディーラーに乗りつけると人気者になります

──予算抜きで欲しいクルマベスト3を教えてください。
3位:トヨタMR-S
モディファイベースで欲しいですね。ボディカウルとか自作してオリジナルカーつくってみたいんです。

2位:R32スカイラインGT-R
やっぱり、子供のころの憧れ、ハイパワーマシンですからね。

1位:ミニクラブマン(旧ミニ)
一見ミニなのに、全然違う顔してるのが好きなんです。

──上がりの1台はなんですか。
ロータスエラン(笑)ロードスターの事調べてたらやっぱり興味が出てきて、横から見たロードスターのデザインってやっぱりエランだな~と。

──Tさんにとって愛車とは?
今まで漠然とクルマに乗っていたのに乗って楽しい、眺めて楽しいと、クルマの楽しみ方がようやく見えてきた感じです。また、カスタムでも方向性が定まってなかったんですが、これからはフルノーマルで乗りたいですね。

──改めてTさんのNAロードスターを見て思ったこと。
前述のとおり、筆者とTさんとはクルマとは別の趣味で知り合った13年来の友人です。初対面の時から旧車好きと聞いていたのですが、街道レーサー系のカスタムが好きという筆者とはちょっと方向性の違う趣味だったものの、マイナーな4ドアセダンゆえに市販のカスタムパーツが無く、他車種のパーツの流用や、特にエアロパーツのジャンク品をDIYで加工して自作するという独特のカスタマイズには目を見張るものがあり、筆者としては「代用旧車」ではなく、本物のクラシックカーに引き込んでレストアであの自作とスキルとアイディアを存分に発揮して欲しいと長年思っていました。

ロードスターの購入当初は「僕、本当にこんなクルマ買っちゃっていいんだろうかと戸惑ってる」と言っていたのですが、一カ月もしないうちにロードスターをすっかり「着こなして」いました。オープンカーは価値観も人生観も変える物なのかもしれません。
「クラシックカーのオーナーになるのは縁」「いいクルマはむしろクルマのほうがオーナーを選ぶ」というのは、もはやこの界隈では言い古された言葉ですが、Tさんとロードスターを見ていて改めて、この言葉の意味を知りました。

取材協力:Tさん
愛車:ユーノスロードスタースペシャルパッケージ
年式:平成8年(1996年)
ミッション:4速AT

[ライター・カメラ/鈴木修一郎]

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鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシックカー。免許取得後念願の昭和44年型スバル360スーパーDX購入、その後昭和48年型トヨタセリカLB2000GTを購入し現在も所有、今気になるのは縦目以前のオールドメルセデス。普段、普通の会社員をしつつ、休日は購入から20年近くたったスバル360のDIYレストアに挑戦中。実車のほかカーモデルやスロットカーも嗜み、最近はフルスクラッチで市販キットでモデル化されていない車種も製作。プロフ画像は最近完成したタミヤ1/12Gr.5セリカLBターボのラジコンボディをベースに市販車仕様に改造し自分の愛車を再現した初期型セリカLB2000GT。いつかはドイツに移住し愛車のセリカLBでヒストリックナンバーを取得しアウトバーンを走るのが夢。

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