VW車は今こそ「買い時」なのか?フォルクスワーゲンの現状を考えぬいてみる

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タイトルにある“VW車は今こそ「買い時」なのか?フォルクスワーゲンの現状を考えぬいてみる”を、身銭を切って実践してみました。…というとかなりおおげさですが、フォルクスワーゲンの排ガス規制偽装事件が起こったその最中にフォルクスワーゲン ゴルフ6からゴルフ7に乗り換え、現在にいたるまでの状況をまとめました。

唐突ですが、フォルクスワーゲン ゴルフが大嫌い…でした。高校生のころは。なんでわざわざゴルフなんて買うのだろうと本気で思っていました。運転免許を取得する前ですから、実体験が伴っていなかったのです。ときはバブル。「シーマ現象」などという言葉が生まれた時代です。初代シーマ、憧れでした。

その後、当時、勤めていた会社の社長が、発売されたばかりのゴルフ4 GTI(MT)を購入しました。

仕事の際に何度か運転させていただく機会があり、この経験を境に、すっかりゴルフの虜になってしまったのです。

以来、ゴルフ4ワゴンから現在所有しているゴルフ7にいたるまで、都合5台のゴルフを乗り継ぎました。よく「ゴルフ好きなんですね」といわれます。しかし、熱狂的なゴルフマニア…というわけ…でもありません。自分なりにさまざまな条件や予算、使用用途を考慮した結果、選ぶクルマがなぜかゴルフになってしまうのです。

そんな私にとっても、今回のフォルクスワーゲンの排ガス規制偽装事件は青天の霹靂でした。振り返ってみると、7月には庄司前社長の突然の退任。9月にはアメリカに端を発する排ガス規制偽装事件行為の発覚。そして、長年死守してきた、日本における輸入車販売台数ナンバーワンの座…。日本における2015年のフォルクスワーゲンは散々な年だったかもしれません。

このフォルクスワーゲンの不正行為が起こったとき、私はゴルフ6に乗っていました。事件発覚後から2週間ほど経ったある日、セールス氏から「今回の一件で売却された、いいゴルフ7があるから観に来ませんか?」との連絡がありました。

聞けば、今年登録したばかりで、まだ3,000km弱しか走っていない、素のゴルフの上級グレードにあたるハイライン(黒)だというのです。今回のような事件が起こったメーカーのクルマには乗りたくないというオーナー氏の奥さんの意向で、買ったばかりのゴルフ7を手放してしまったそうです。前述のような事情ですから、もちろん代替はなし。何だかもったいない話しです。

ディーラーに行ってみると、事件直後の影響なのか、週末にも関わらず閑散としていました。セールス氏に案内された場所には、新車特有のおろしたての香りが車内に残っているゴルフ7が置かれていました。すかさずセールス氏は、こういう機会なので、新車も頑張ります(下取りと値引きもいい値段を出します)とアプローチしてきます。まあ、せっかくだからと(内心、好条件が出たら買ってもよいという考えもうっすらありました)、見積もりを出してもらいました。

すると…まんまとセールス氏の策略にはまったような気がしなくもないのですが、こういう仕事をしていてもびっくりするような条件が提示されたのです。そして、第一報からわずか数時間も経たないうちに契約していました。これまでひと晩くらいは考えた(ふりをした)ことはありましたが、自己最短記録です。我ながら、ああ、またやってしまったという罪悪感に苛まれつつ…。

これまで乗っていたゴルフ6は、来年車検だし、メーカーの保証も切れているし、こちらなら、延長保証を含めて5年間は安心して乗れるし…と、必死に?自分の行為を正当化しようとしても「要は欲しかったんでしょ?」と問われると「ハイ」としかいいようがありません(汗)。これも独り身の強みでしょうか。こんな無謀な行為は、奥さんがいたらまずokはでないでしょう。そもそも、もし既婚者だったら、ディーラーに行ってなかったはず。

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そんな経緯で手に入れたのは「ゴルフ ラウンジ」という限定モデル。素のゴルフの中間グレードにあたる「コンフォートライン」の限定車です。そろそろ在庫セールをはじめなければ、というときに例の事件が起こったため、破格の条件で、いわゆる棚ぼた的に手に入れたようなもの。ボディカラーは、オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト。いわゆるパールホワイトです。タイヤサイズも、いまどきとしては小さめの16インチ。

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納車は10月下旬。これまで約2,500km走りましたが(過走行気味?)、ノントラブルで順調そのものです。1.2Lターボのエンジンの最高出力は105馬力。高速も含め、スペック上からは想像もつかないくらいよく走ります。何より、高速道路の長距離移動が楽です。輸入車ではじめて2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得してしまうほど選考委員の方々を魅了したのも、なんだか分かるような気がしてきます。

実は10数年前、ある三菱車に乗っていた時期がありました。ちょうど、2回目のリコール隠しが発覚したときです。夜中に国道を走っていたら、こちらが三菱車だと分かると、後続のトラックがとたんに車間を開けて距離を取ろうとするのです。こういう状況が一時期続きました。正直ショックでした。今回も、かなり注意深く観察していますが、いまのところそういう経験はありません。

実際に、面と向かって非難されたり、危害を受けるようなことももちろんありませんでした。しかし、さまざまな考え方があると思います。ご参考までに、セールス氏との雑談のなかで感じたことをまとめます。

セールス氏との雑談のなかから感じたことまとめ

●ズバリ、VWショックの影響はあったのか?
これはかなりあったようです。現場の方も、第一報の海外の状況はメディアから、遅れて日本国内での合法性がインポーターより発表されたことで事件のことを知ったのだとか。

●そのときの現場の雰囲気は?
一言でいえば戸惑いと混乱。現場の方も唖然としたそうです。その後は対応に追われ、相当大変だったようです。

●ユーザーの反応は?
一言でいえば驚きと戸惑い。そして裏切られたという思い。なかには辛辣なものもあったそうです。

●現在の状況および雰囲気は?
現場もだいぶ落ち着きを取り戻し、客足も戻りつつあるようです。

●いまなら大幅値引きでVW車が買えるという情報が、ネットなどで流れているようですが?
DMで告知しているディーラーもあるとのことでした。事実、私が購入したディーラーもそうです。ちょっと手が届かないから‥と躊躇していた方にはいいタイミングかもしれません。

●今後、どうなっていくと思う?
離れていったユーザーさんがいるのは事実だけど、いっぽうで応援したり励ましてくれる方もいて、涙が出るほど嬉しかった。そんな方の期待に応えられるよう、本気で頑張りたいとのことです。

総括:フォルクスワーゲン車は今こそ「買い時」なのか?

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「長く乗るつもりの方、フォルクスワーゲン車が好き、あるいは興味がある独身の方、既婚者の方でも奥さんが世間的を気にしないのであれば買い」でしょうか。

本来なら有償の延長保証プランなども無料で付帯してきますし、低金利施策や、値引きや下取り面でも好条件が期待できる可能性が大です(注:販売店によって異なるので、ここは要確認です)。リセールバリューが気になる方もいるかもしれませんが、長く乗る方であれば、それほど気にする必要はないものと思われます。

つい先日、フォルクスワーゲン企業スローガンが、Das Auto(これが真のクルマ)から、「Volkswagen(国民車)」に変わりました。排ガス規制偽装事件をどう捉えるか、または世間体をどう考えるかによって…等々、まだまだフォルクスワーゲン車を敬遠する向きがあるはずです。

いちユーザーとして、フォルクスワーゲン車に乗っているわけですが、風当たりの強さみたいなものは感じません。セールス氏をはじめとするディーラーの方々も、必死になって信頼回復に努めていることがひしひしと伝わってきます。もし、本当にフォルクスワーゲンが気に入っているとしたら、また一度は乗ってみたいと密かに思っていたとしたら、はじめの一歩を踏み出すまたとない好機だと感じています。

[ライター・画像/江上透]

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松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。外車王SOKENは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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