脱マイナーを目指せ!若者のクルマ離れ脱却の一翼を担う「大学の自動車部」とは?

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筆者は20代のいちクルマ好きとして、「若者のクルマ離れ」がすっかり世間で認識されていることを気に掛けているひとりです。

気に掛けているだけでは何も解決しないので、カーライフの魅力発信をコンセプトに映像作品を発信するCARKICHI(https://www.carkichi.com/)の運営を行っています(もし興味を持っていただけたらぜひご覧ください!)。

日々、CARKICHIとしての活動を行いつつ、「若者のクルマ離れ」の打開策について考えるなかで「ホットなクルマ好きの若者が集まるコミュニティにこそヒントがあるのではないか?」と思い立ったのです。真っ先に思い出したのは、筆者が活動や学生時代を通して思うところの強かった「大学の自動車部」でした。

今回はこれにスポットライトをあてて、「クルマ文化を再興するには?」というテーマで筆者の想いを述べたいと思います。

そもそも、大学の「自動車部」とは?

皆さんは「自動車部」という部活動をご存知でしょうか?

日本全国の大学に「体育会系部活動」として存在しており、他の部活動と同様に毎年、全国大会が開催されています。自動車部の部員たちは、日々、自動車の整備や競技練習を行い、運転技術の腕を磨いています。そして、ジムカーナやダートトライアル、ラリー、軽耐久などの競技大会で日頃の成果を競い合うのです。

しかし、この部活動は、どちらかと言うとマイナーな部類に入ります。自動車部そのものも全国すべての大学にあるわけではなく、活動内容もあまり知られていないのが実情です。では、なぜ今回はあえて「このマイナーな自動車部」をご紹介しようと思ったのか?それは、この部活に「若者のクルマ離れ」を防ぐためのカギが隠されていると感じたから、なのです。

脱マイナーを目指せ!若者のクルマ離れ脱却の一躍を担う「大学の自動車部」とは?

▲2017年度全日本学生ダートトライアルにて、テクニックステージタカタ(広島県)を疾走する広島大学のEK4シビック。この大会の男子団体優勝をおさめました

「自動車部」にはクルマ好きが育つ土壌である!

学生のとき、筆者は自動車部の部員ではなかったものの、部員たちとの交流を通じてとても重要なこと教わりました。それは「自動車部には、今後のクルマ好きの文化を支える中心人物を育成される貴重な土壌である!」という事実です。

自動車部には、カーライフを楽しむために必要なあらゆる要素が揃っています。そして非常に恵まれた環境におかれていることに、彼らとの交流を通じて気がついたのです。

具体的には、クルマの運転や整備を教えてくれる先輩が身近に存在し、さらに整備を実践できる整備場もあります。それに加えて、モータースポーツという膨大なコストの発生するスポーツを行うための資金の一部が大学やOB会から援助され(活動資金の大半を部員で捻出している部もあるのですが)、運転技術を切磋琢磨しながら競い合うライバルもすぐそばにいます。
つまり、自動車部とは、クルマ好きがその文化にどっぷりと浸かりながら「クルマの整備に必要な知識や運転技術を習得しつつ、すくすくと成長するために最適な環境」が整っているのです。

脱マイナーを目指せ!若者のクルマ離れ脱却の一躍を担う「大学の自動車部」とは?

▲大会では、チームの代表となった選手を他の部員たちがサポートします。個人競技と思われがちな自動車競技ですが、チームワークの大切さを部員たちは活動を通じて学ぶのです

自動車部出身の人材は卒業後、どうなるのか?

自動車部でクルマのイロハを知った部員は大学を卒業後、自動車メーカーやその関連部品メーカー等に就職していくケースが多く、彼らより上の世代も自動車業界に就職しているようです。

自動車業界で働くすべてのビジネスパーソンがクルマ好きとは限りません。それだけに、学生時代にクルマにどっぷりと浸かってそのリアルを実体験している彼ら・彼女たちは、よりクルマに対する想い入れの強い自動車業界を支える貴重な人材といえるでしょう。

つまり、自動車部出身の彼らは、トヨタの“FUN TO DRIVE, AGAIN.”やマツダの“be a driver”などのビジョンを体現する上で欠かすことのできない存在なのです。

さらに、卒部後も飽き足らずプライベーターとして自動車競技を継続し、参加型モータースポーツを盛り上げるユーザーとなる人も一定数います。事実、彼らはJAF戦出場の社会人レーサーと比べても遜色ない運転技術をもっているのです。

脱マイナーを目指せ!若者のクルマ離れ脱却の一躍を担う「大学の自動車部」とは?

▲全国大会に集まった日本中の自動車部の部員たちです。全国規模となると、クルマに情熱を傾ける若者がこれほど多く結集します

もっと自動車部が脚光を浴びることで、クルマ文化は盛り上がるのではないか?

このように、自動車部は「クルマ好きが人間としても成長し、貴重な人材となって自動車業界へと輩出する重要な土壌である」と言えるのではないでしょうか。

にも関わらず、自動車部という部活はその活動内容はおろか、存在すらも社会や大学内で認知されていないことが多いというのが実情です。

これはあまりにももったいないことだと感じました。

自動車部の全国大会は、上位勢にはJAFの公式戦でも入賞経験があるほどの実力者が僅差に並ぶ、レベルの高い勝負が繰り広げられており、非常に見応えがあります。しかし、実際に観戦に訪れるのは、自動車部出身のOBが大半です。

もし自動車部の全国大会に、箱根駅伝や大学ラグビーぐらいの認知度があって、観戦者も多く訪れるビッグイベントだとしたら…?
彼らが脚光を浴びることで知名度が上がっていけば、自動車部がよりメジャーな部活動として多くの部員を集めることができるようになるはずです。その結果、ドライバーだけではなく、未来の自動車業界を担うリーダー達を輩出していけるのではないかと考えています。

さらに、長期的視野で見れば、日本のクルマ文化をユーザーおよびメーカーサイドからも再興する上で、自動車部はその一翼を担うことができるはずです。

だからこそ、自動車メーカーは自動車部に限らず、若者のモータースポーツ参戦を盛り上げていく価値があるのではないでしょうか?

そして、学生たちには、自由な身分という立場を最大限に活かして、自動車部の活動を積極的に外部に発信していってほしいと思います。そして、自分たちの新たな活躍の場や資金を得ながら、さらなる飛躍のチャンスを狙っていってくれることを願っています。

脱マイナーを目指せ!若者のクルマ離れ脱却の一躍を担う「大学の自動車部」とは?

▲全国大会の表彰台でシャンパンファイトです。他大学の自動車部との交流も活発で、大会の時はライバルとして火花を散らすものの、プライベートの場では一緒にドライブをするなどとてもフレンドリーにクルマ好きの輪を広げています

最後に、筆者をはじめとする社会人は、学生達の枠に囚われない純粋な熱意から生まれる新しい取り組みに対し「道先案内人」としてリードする役目を担っていかなくてはならないのです。

[ライター・カメラ/長尾 孟大]

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長尾孟大

都内に住みながら一年間に2万キロ以上を走るクルマ好きの24歳、ドライビングスキルの差が顕著にでるカートにのめり込み昨年からチームを結成し通年の耐久レースにも参加している。クルマにのめり込む中で、若者のクルマ離れに対して強い危機感を持ち、現在は会社の立ち上げを行う傍らで、クルマではなくカーライフの魅力発信をコンセプトに映像作品を発信するCARKICHI(https://www.carkichi.com/)の運営を行っている。

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