1000馬力は真実か?ケーニッヒ フェラーリ、それはバブルの忘れ形見

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以前、「アーマーゲーと呼ばないで」という記事を公開しましたが、バブル時代は実にさまざまな輸入車が日本上陸を果たしました。

そのなかで、強烈なインパクトを与えたのが「ケーニッヒ(KOENIG-SPECIALS)」ではないでしょうか?

ケーニッヒ フェラーリは、多くのクルマ好きの度肝を抜いた

当時は、いまほどはフェラーリを見かける頻度も少なく、独特のフォルムを纏ったケーニッヒは、好むと好まざるに関わらず、多くのクルマ好きの度肝を抜いたはずです。

1990年ごろ、都内のある場所に人だかりができていました。その隙間から赤いクルマが見え隠れしています。よく見ると、それはフェラーリF40でした。ちょうど春休みの時期で、少年たちがF40を取り囲んでしまい、オーナー氏が発進できなくなってしまったほど、強烈なオーラを放っていました。もちろん、私も駆け寄りました。友達たちをほったらかしにして(笑)。

フェラーリオーナーの通過儀礼(?)といえるマフラー交換も、現在のように種類が豊富ではありませんでした。しかし、ノーマルのテスタロッサオーナーが、トンネル内でケーニッヒ製のマフラーを装着したフェラーリの音を聴き、「すっかりやられてしまった(音に魅了されてしまった)」ことで、翌日にはそのマフラーをオーダー…などという場面も珍しくなかったようです。

ケーニッヒは、当時愛知県岡崎市にあったカークラフトが日本総代理店となり、販売されました。

輸入第1号車は328GTSケーニッヒで、ファーストオーナーはなんと女性だったのです。この個体は現在も日本に現存しており、きちんと「収まるべくところに収まっている」そうです。

その後、テスタロッサベースのケーニッヒが注目されるようになります。

1000馬力を標榜するテスタロッサベースのケーニッヒ フェラーリが登場

そしてついに、1000馬力を標榜する「Testarossa Koenig Competition Evolution」が登場したのです。フジミのプラモデルとしても発売されましたし、スーパーカーにもたれ掛かるセクシーな美女が表紙を飾っていた雑誌にも頻繁に登場しました。実車を観たことはなくても、その存在をご存知の方は案外多いのではないでしょうか?

Testarossa Koenig Competition Evolutionの名が与えられたモデルは、車内のブースト計の切り替えスイッチにも”1000”の文字が刻まれます。ブガッティ・ヴェイロンが1000psを標榜する20年近くも前の話しです。

果たしてこのモデルが本当に1000psを発揮していたのかは不明です。と同時に、スーパーカーブームの頃のフェラーリやランボルギーニも、メーカーが主張する最高速に到達できたかどうかは「?」な部分があったのは確かです。

しかし、いまさらその真相を語るのは野暮というものかもしれません。20年くらい前に、ある雑誌の企画でケーニッヒ コンペティション エボリューションをはじめとする超高性能車が谷田部のテストコースで最高速アタックをしたことがありました。ケーニッヒ コンペティション エボリューションは、312km/hをマークしたと記憶しています。当時のオーナーは、このクルマ本来の性能を証明したかったのかもしれません。リスク覚悟で。

ケーニッヒ フェラーリ、中古車を手に入れるとしたら?

インターネットオークションや中古車検索をしていれば、ごく稀にケーニッヒの売り物を見つけることがあります。しかしそれではかなりの忍耐が必要ですし、本当に欲しいと思っているコンディションの個体は水面下で取り引きされてしまっている可能性が高いです。

もし、周囲にケーニッヒ フェラーリを売りたいという友人・知人がいないとしたら…。全国のオークション会場に出品されていることがあります。ここで網を張ることで少しは可能性が高まります。とはいえ、一般の人はここに立ち入ることができません。

クルマの販売業者の方に代行して落札してもらうことになるのですが、ここでも輸入車に長けた、可能であればケーニッヒコンプリートカーに接したことがある業者に任せるのが安心です。当時、正規製作車(注:正規輸入車ではなく、製作車。並行輸入車も可)のケーニッヒコンプリートカーにはディーラープレートが貼られていたものが確実です。もちろん、これを偽造することもできるわけですから、経験値がある業者に任せることで、少しでも本物である可能性が高かまります。

ケーニッヒ フェラーリの本物のパーツやボディキットは入手可能か?

テスタロッサはもちろん、328、F355など、モデルによってはケーニッヒにボディキットや他のパーツの用意があるようです(http://www.koenig-specials.com/ 最終更新日が不明のため要確認)。フェラーリやケーニッヒに精通したショップに頼んで取り寄せてもらうか、もし、ツテがあるなら紹介してもらうのが安心でしょう。ボディワークに長けたスペシャリストを紹介してもらえたらさらに安心です。

また、幸運にもケーニッヒのパーツを手に入れることができたとしたら、ケーニッヒ本体のWebサイトで確認を取ることができます(英語ページ)。
http://www.koenig-specials.com/authenticity.htm

英語が苦手…という方でも、google翻訳を駆使すれば、何とかメールのやり取りができます。

一時代を築いたモデルとして、後世に残していきたいケーニッヒ フェラーリ

ケーニッヒというとフェラーリのイメージが強いのですが、実はメルセデスやジャガー、ポルシェも存在します。一時代を築いたモデルとして、後世に残していきたいクルマたちであることは疑う余地がありません。

以前、海外に住んでいるクルマ好きの方がぽつりと「日本は狭い国に最新のモデルから何十年前のクラシックカーまで、あらゆるクルマが生息している」といった主旨のことを話していました。国や年代を問わず、これほど多種多様なクルマが生息している国は、世界でも希な存在なのかもしれません。その方は、RUFやケーニッヒの売り物件が選べるほどある(もちろん時期にもよりますが)ことに大変驚いていました。

最近はコンプリートカーのリリースもなく、パーツ供給のみの印象があるケーニッヒ。ぜひ、フェラーリF12ベースの、21世紀版ケーニッヒ製コンプリートマシンの登場を願うばかりです。

[ライター/江上透 画像出典/Pinterest]

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松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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