そもそも、インプレッション記事や試乗記は誰のためのものなのか

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輸入車や限定モデルなど「ものすごく興味はあるけれど、なかなか試乗できない」、「そもそも試乗車がない」ことって、ありますよね。ましてマクラーレンの最新モデルをディーラーに赴き、試乗させてもらうとしたら…。やはり多くの方にとっては、相当な勇気が必要です。現実としてハードルが高いわけです。

そうなると、多くの人はメディア関係者やモータージャーナリストの方が試乗した記事を読み、自分なりに解釈することで「きっとこんなクルマなんだろうな」とイメージを膨らませることになります。

インプレッション記事や試乗記をまとめる際にはポイントがいくつかあり、その一例として「限られた条件や時間のなかで、どこまで試乗車や広報車などから感じ取れるセンサーが備わっているか」がキモなのだそうです。実際にはセンサーの数(?)に差があるのかもしれませんが、「感じ取る」という点においては、一般のユーザーがディーラーや街の販売店で試乗する状況とそれほど変わらないこともありえます。

次に、限られた条件のなかで得られた試乗車の情報を、どのようにアウトプット(記事に)していくか。いくら試乗車から情報を読み取るセンサーが優れていても、多くの一般ユーザーが記事を読んで、対象となるクルマの本質が伝わられなければ本末転倒です。

常々、この仕事は「サービス業」だと思っています。紙媒体でならスムーズに読める内容でも、Webとなると話しが違ってくることもあります。パソコンやスマートフォンで、しかも出勤途中の電車のなかで、つり革を片手に握りながら揺られながら…。あるいは、昼食後の休憩時間にストレスなく読むことも想定した構成が必要になってきます。Webで記事を配信する以上、スマートフォン経由でのアクセスを考慮することは、いまや必須条件です。

そもそも、インプレッション記事や試乗記に求めるものは何でしょうか。その記事を読んで「いますぐ乗ってみたい(できれば購入したい)」あるいは「面白そうなクルマだな」と興味を持ってもらうことが、何より大切なのではないかと感じています。

以前「こちらが書いてあることが分からない一般人が単に知識不足なだけ」という考えの方にお会いしたことがあります。このときはさすがに仰天しました。そんな心境で試乗記事を書くこともあるのかと、強い違和感を覚えたのも事実です。

プロとして、仕事としてインプレッション記事や試乗記を執筆する方が、上記のようなスタンスではたまったものではありません。そして、その意志は不思議と読み手に伝わるものです。

これは私見であり、あくまでも感覚値です。サーキットやテストコースなど、そのクルマの限界近くまで性能を引き出すような試乗でない限り、相対的に一般ユーザーの感覚がそれほど劣っているとは思えないのです。ましてやクルマ好きの方であれば、様々なクルマを乗り継いでいたり、独学で勉強したりと、個人差があるにせよ、相応の感覚を研ぎ澄ませてきていると思うのです。

決定的に違うのは、試乗できるクルマ(モデル)の数とや時間、得られる情報の量と質でしょうか。こればかりは、仕事で接している方には到底かないません。その優位性こそが「拠りどころ」なのかもしれません。

インプレッション記事や試乗記は、多くの一般ユーザーが「夜、眠れないほど気になって仕方がない」あるいは「欲しくても買えない」モデルを試すことができる(試している)という視点に置き換えると、少し違った視点になるのではという気がしてなりません。

[ライター/江上透]

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松村 透松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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