「日本ではパワーがあったり、100km/h以上出せるクルマ」は、本当に意味がないのだろうか?

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日本の高速道路における制限速度は、最高で100km/hだ(一部、試験的に120km/hを導入している区間もある)。

だから、多くの人はこう言う。

「時速100km/h以上スピードの出るクルマは、日本において必要がない」、と。

「日本ではパワーがあったり、100km/h以上出せるクルマ」は、本当に意味がないのだろうか?

パワーやスピードの余裕は、運転にも余裕をもたらす

だが、ボクはこういった話を聞くと、いつも思う。

ボクはそういった余裕のない生活は送りたくない、と。

日産自動車によると、日本の高速道路において、その最大勾配を考慮すると、180km/hの速度で走れる性能を持っていないと、「100km/hでその勾配を持つ道を走れない」のだそうだ。

となると、もし100km/hしか速度の出ないクルマに乗っていれば、その勾配を走ろうとすると、50-60km/hくらいしか速度が出ないかもしれない。

たとえば、1000円のモノを買いに行くとしよう。
だが、1000円ギリギリを持ってそれを買うのと、3000円を財布に入れて買い物に行くのとでは心の余裕が違う。

買う予定だったのは1000円のモノだったが、その横に1200円出せば「ずっといい」ものが並んでいたとしたらどうだろう。
1000円しか持っていなければ、当然だが1000円のモノしか買うことはできない。
「あと200円あったなら、これよりもいいモノが買えるのに」と思いながら1000円のモノを買うのだろうか。

ボクは、なにも公道において速度違反をしたいわけではない。
だが、経験上、200km/hで走ることができるクルマは、100km/hで走行できるクルマよりも優れたブレーキを持っていることを知っているし、より高い速度域で走行することを前提としたクルマは、より頑丈な車体を持ち、高い安全性能が与えられている場合が多い、と理解している。

そして、いざとなれば他のクルマに負けないだけの動力性能を持つクルマに乗っているとしたら、他のクルマに割り込まれたり抜かれたりしても腹は立たないかもしれない。
その気になれば、路上にいるどのクルマよりも自分のクルマは速いのだ、と自分に言い聞かせることで自制心も働くのではないかということだ。

「日本ではパワーがあったり、100km/h以上出せるクルマ」は、本当に意味がないのだろうか?

ボクは向上心を忘れたくない

そしてボクは、こういった数字上の余裕を向上心だとも捉えている。

必要なカロリーが摂取できれば食べ物がなんだっていいとは考えていないし、寒さをしのげればどんな服だって構わないとは考えていない。
ボクは毎月の生活にかかる費用を厳しく管理してはいるが、だからといって収入が「毎月の生活費の範囲で十分だ」とも考えない。

人は、だれしもより生活を送りたいと考えているはずだ。

同じカロリーであっても「より美味しいもの」を食べたいだろうし、衣類だってより見栄えが良かったり、より機能的な物が欲しいだろう。
今必要がなくたって、何かに備えて余剰のお金だってあったほうがいい。

そういったものを求めるのは向上心のあらわれだとボクは考えていて、そういった向上心が人々の生活をより良いものにしてくれると考えている。

だから、ボクは100km/h以上スピードの出せるクルマも必要だと考えている。
それは乗る人々の心に安心感と余裕を与えると信じているし、より高い安全性を持っていると考えているからだ。

そして同時に、そういったクルマに乗るからには、法を守る自制心が求められることは言うまでもない。
ボクが重要だと思うのは、「必要以上の性能を持っていても、それを心の余裕としてしまっておく」ことだ。

「日本ではパワーがあったり、100km/h以上出せるクルマ」は、本当に意味がないのだろうか?

言い換えるならば、「あるモノを買いに行ったとき、お金がなくてそのモノを”買えない”」のと、「お金はあるが、自制してそのモノを”買わない”」のとでは、結果としては同じことだが、内容は全く違う、ということだ。

[ライター・撮影/JUN MASUDA]

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JUN MASUDA

新しいモノ、テクノロジー好き。「クルマ好き」に分類されるはずだが、一般にはそれを隠して生きている。クルマだと軽自動車、スーパーカー、電気自動車まで興味を広く持つ。どんなクルマにも作られた人の魂が込められていると信じていて、そのため「よりデザイナーが情熱を注いだであろう」珍車がとくに好き。座右の銘は「情熱と愛情さえあればなんとかなる」。職業は(それが職業と言えるならば)投資家、ブロガー。運営しているブログ「Life in the FAST LANE.」http://intensive911.com/

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