26歳の筆者が、愛車・ポルシェ ボクスターを個人間カーシェアしてみて思うこと

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筆者は、とある企業に勤める26歳の会社員です。このたび、ご縁あって今回より外車王SOKENで連載の枠をいただくことになりました。

2020年の上半期は、新型コロナウイルスの影響により、あらゆる分野が大きな打撃を受けました。しかし、このような状況でも企業が社員を守ってくれたおかげで、日々の生活や仕事には大きな影響もなく過ごすことができました。そのことに対して改めて感謝するとともに、今後の身の振り方についても考えさせられる良い機会となったように思います。

しかし、筆者にも新型コロナウイルスの影響がまったくなかったわけではありません。そのひとつに、愛車を貸し出すために行っている個人間カーシェアの予約が、4月〜6月はまったく入りませんでした。それは、筆者にとって由々しき事態なのです。

なぜなら、1人暮らしをしている筆者にとって、家賃や食費、光熱費などの生活費の支出は避けてとおれません。さらに、クルマに関連する維持費が加算されると、毎月の出費はそれなりの額になります。そのため、どうにか愛車を維持するための手段として、個人間カーシェアは重要な収入源なのです。

ちなみに筆者の愛車は、2006年式ポルシェ ボクスターS。987型といわれるモデルです。26歳の筆者が1人暮らしをしながらこのポルシェを維持するのは正直いって大変です。

今回は、「なぜ大切な愛車を個人間カーシェアとして貸し出しているのか?」。もうひとつは「のべ30人の方に愛車をお貸しして、筆者なりに思うこと」。この2点について掘り下げてみることにしました。この記事を通じて、個人間カーシェアの登録を考えていらっしゃる方、あるいは借りてみたいという方、あるいは同世代でクルマの購入を模索中の方にとって一助になれば幸いです。

そもそも「個人間カーシェア」とは?筆者が愛車を貸し出す「2つの理由」とは?

神谷よしあき

▲筆者の愛車である、2006年式ポルシェ ボクスターS

利用したいクルマがあいていれば、いつでも利用できる手軽さがウリのカーシェア。そのなかでも、近年は企業が個人にクルマを貸出すのではなく、オーナー個人が利用者へ貸出す「個人間カーシェア」が少しずつ浸透していると感じています。

個人間カーシェアの特徴のひとつとして、登録されている車種の豊富さが挙げられます。ユーザーによって所有しているクルマが異なるため(これは同一車種でも、細かい仕様が異なるなどさまざま違いがあります)、コンパクトカーやミニバン、高級車、スポーツカーなど、予算や用途に応じてあらゆる車種を借りることができます。

利用料金は車種や各オーナーが設定する金額によって異なりますが、普段が乗る機会がないような高級車でも、1日あたり4〜5万円ほどで借りられるコストパフォーマンスの良さも魅力のひとつといえそうです。

その一方で、貸し出す側にもメリットがあります。自分がクルマを使用しない時間帯に貸し出すことによって、利用料金を受け取ることができるからです。その結果、ガソリン代や駐車場代など、クルマの維持に掛かる費用を補填してくれます。「クルマの維持費の補填に充てる」ことが、筆者が大切な愛車を貸し出している1つめ(最大)の理由です。そのため、故障や事故などのトラブルが起こるかもしれないことを承知で個人間カーシェアを行っています。

貸し出すにあたり、個人間カーシェア用のプラットフォームを介して受け渡し日や場所などの連絡を取り合い、待ち合わせ場所で操作方法の説明をしたり…といった手間が掛かります。その反面、借りてくださる方にボクスターの操作方法を説明していると、「うんうん」と興味津々に耳を傾けていただいたり、返却後にボクスターの印象を伺ったり、クルマ談義をしたり…といった時間も楽しみのひとつです(なかにはあっさりと帰る方もいらっしゃるので、そのときはちょっと寂しかったりもします)。

実は、筆者の友人や会社の同僚には、この手のクルマ談義をできる人がいません。そのため「カーシェアを通してクルマ談義がしたい」というのが、2つめの理由です。

個人間カーシェアならではの「悲喜こもごも」

神谷よしあき

▲筆者が個人間カーシェアを通じてポルシェ パナメーラ(970型)をお借りしたことも…

クルマ好き同士でのやり取りが楽しめるだけでなく、愛車を貸し出すことで利益が得られるなんて、実に素晴らしい仕組みだと思われるかもしれません。

個人間カーシェアを利用するうえで避けてとおれないのは、故障や事故といったトラブルの可能性です。事実、筆者のボクスターも、貸し出し中に駐車の最中に左後方をぶつけて凹んだり、パレット式駐車場でホイールを「ガリって」しまったり、幌のオープン機構が壊れた…といった各種トラブルにも見舞われたことも…。

その後の修理の手配や保険会社とのやりとりの煩わしさ、修理中に愛車が使えないといったストレスを抱えたこともありました。とはいえ、トラブルに見舞われた方たちから誠実な対応をしていただけたことは不幸中の幸いだったかもしれません。だからこそ、トラブルが起こるかもしれないことを承知のうえでここまで続けられたのだと思いますし、これからも個人間カーシェアを利用していくつもりです。

愛車をのべ30人に貸し出すことで見えた「若者たちのクルマへの想い」とは?

神谷よしあき

▲近年は不人気と言われているオープンカーも実際には乗ってみたいと言ってくださる方も多くいらっしゃいます

これまで、個人間カーシェアでのべ30人の方に愛車であるボクスターを貸し出してきました。借りていただいた方の9割近くが20代〜30代前半といった、筆者と同世代か、それに近い年齢層の方々でした。

ちなみに筆者は、24時間/7,000円でボクスターを貸し出しています。気になって調べてみたところ、ボクスターではないものの、24時間/1,500円といった格安の料金で利用できるクルマもありました。単に足としてクルマを使いたいのであればこちらのプランでも充分でしょう。しかし、筆者のクルマのように、2シーターのオープンカーといった、決して実用的とはいえないモデルを選んでくださる若い世代の方も一定数いらっしゃいます。

そして、借りに来ていただいた皆さんが口をそろえて「一度、ポルシェを運転してみたかった」「オープンカーで海辺をドライブしたかった」とおっしゃってくださるのです。

筆者自身「若者のクルマ離れ」という言葉を耳にするようになってしばらく経ちます。しかし、若い人でも、クルマを単なる移動手段としてでなく、遊びの一種として捉えているのだと感じました。個人間カーシェアというサービスを介して話を伺ってみると、若い世代の”心”はクルマ離れしていないのではないか?とすら感じたことも事実です。

神谷よしあき

▲新成人の男性がいつかは乗りたいと憧れるポルシェとフェラーリ

事実、ソニー損害保険株式会社が1月7日に発表した『2020年 新成人のカーライフ意識調査』によると、クルマに対して興味があるという人が全体の4割弱。その一方で、興味がないという人も4割程度いることが分かりました。※このデータは、2019年11月8日〜11月15日の8日間、今年の新成人(1999年4月2日〜2000年4月1日生まれ)に対し、新成人のカーライフ意識調査をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効回答を元に集計されています。

なかでも筆者が興味深いと感じたのは「将来いつかは購入したい、新成人が憧れるクルマのランキング」です。なかでも男性は、メルセデス・ベンツを筆頭に、上位にはフェラーリやポルシェ、レクサスといった高額なクルマがランクインしています。クルマを単なる移動手段ではなく、“憧れの対象”として捉えている新成人は「絶滅危惧種」ではなさそうです。

若者のクルマへの想いを途切らせないために、26歳の筆者ができることは…

神谷よしあき

▲ポルシェスポーツトゥギャザーデイのパレードランに参加した写真。こういった体験イベントを通して自分はよりクルマを好きになっていったのだと思います

個人間カーシェアを介してクルマを借りていただいた方の多くは「もし可能であれば愛車を所有したいと思う一方で、金銭面がネックとなっている」ようでした。その結果、複数の方がクルマを所有することを躊躇しているそうです。つまり、「本当は自分のクルマが欲しいけれど、手が届きにくい存在」として認識されているように思えたのです。

筆者が自身のクルマで維持するうえで掛かる保険やガソリン代などの諸経費を計算してみると、年間で40万円以上になることが判明しました。つまり、単純計算で月あたり約3万4千円です。これだけの負担は、若い世代にとってはかなり大きなものといえます。

「若者のクルマ離れかぁ…」と嘆くのではなく、少しでもクルマに興味を持っている若者たちが自身のクルマを所有したいと思えるような「体験する」機会が増えていって欲しいと考えています。少なくとも、ソニー損保の調査では、新成人1000人のうちの4割がクルマに興味があると回答しているのです。筆者自身、個人間カーシェアを通じて愛車に乗っていただいたり、このような形で記事にすることで、同世代や年下の世代の方たちにもクルマで出掛けたり、運転する楽しさを伝えていきたいと考えています。

[ライター・撮影/神谷よしあき]

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神谷よしあき

1993年生まれのいわゆるミレニアル世代。会社の同僚がクルマを購入したのに触発されたのと、ドイツ車好きの父親の影響を受け、何をトチ狂ったのか初めての愛車にポルシェのボクスター(987型)を迎え入れる。そこから、車好きに目覚め、国内A級ライセンスを取得。モータースポーツへの参戦にも興味を持つ。普段は、しがない土木設計者として下水道施設の設計に無い知恵を振り絞る企業戦士。 リアルとデジタルでクルマを楽しむためのWebメディア『Giocare』(https://giocare.life/)の運営も行っている。

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