ゆとり世代のクルマ好きを取材すると「新しい時代を作るのは老人ではない!」と感じる

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シャア・アズナブルことクワトロ・バジーナ大尉が機動戦士Zガンダムの劇中で「新しい時代を作るのは老人ではない!」という台詞を主人公のカミーユ・ビダンに発しています。このときのクワトロ大尉の年齢は27才。主人公のカミーユはまだ10代。20代の人の台詞とはとても思えません。

取材を通じて、さまざまな20代のクルマ好きと知り合う機会が増えました。いわゆる「ゆとり世代」の方たちです。否が応でもジェネレーションギャップを感じます。もう、明らかに自分が新しい時代を作ろうとしている世代を阻害しかねない領域に差し掛かっているな、ということを突きつけられているような気がします。とにかく、アラフォー世代の筆者にはズシリとくる台詞です。

デジタルネイティブ世代ゆえ?初対面同士でも和気藹々

かつてプロ野球では、他球団の選手との交流(特に試合中のグラウンド上)は御法度だったそうです。最近は1塁ベース上で話している姿を見ることもあります。かつて、走り屋が集まるようなスポットに集まってくるクルマとそのオーナーたちは、一匹狼的な人か、仲間同士でつるんでいるようなイメージがありました(もちろん、地域や場所によって違いはあると思いますが)。

取材などでパーキングエリアなどに集まっている人たちを見ていると、初対面同士でも和気藹々と楽しそうに話している姿をあちこちで見掛けます。実際、筆者が話し掛けてみても素っ気ない(いわゆる塩対応)だったことはほとんどありません。若い世代の方ほどその傾向があるように感じます。むしろおじさん世代の方が「話し掛けるなよオーラ」が出ていることが多いような…。

リア充度が高い?

一昔前のクルマ好きというと、いつも男同士で行動しているせいか、女性とは縁遠い…というケースも少なくなかったように思います。やがて男のけじめ?として、手間ひまを掛けて造り上げた愛車を手放すことで、結婚資金や指輪代に化けたというエピソードを何人もの方から伺いました。人はこうして大人になっていくのでしょうか…。

翻って(単なる偶然かもしれませんが)、取材先で知り合う20代のクルマ好きの方々の集団を見ていると女の子が混じっていることが多いのです(しかも垢抜けた感じの女の子が多い!)。フットサルやクラブなど、さまざまな娯楽のひとつにクルマ趣味があって、オタクおよびアンダーグラウンド臭がしません。ちょっと羨ましくなってしまいます。

クルマの見た目はやんちゃ。オーナーはびっくりするくらいの好青年

ちょっと厳ついクルマに乗っていて、昔だったら明らかにやんちゃな格好をしている人に取材を通じて話し掛けることもしばしばです。正直「話し掛けて大丈夫かなあ」と思うこともあります。ところが、いざ話し掛けてみると、拍子抜けするくらいものすごく好青年で、しかもかなりディープなクルマ好きだったりします。

正直、おじさん世代だったら眉をひそめような改造をしていることもあります。その絶妙な車高を導き出し、実用性を兼ね備えるまでいかに大変だったとか、愛車に掛けるこだわりとか。そういうオーラって伝わるようで、自然と周囲に人が集まってきます。こうなると「若いし、独身だからそこまで無茶できるんでしょ?」というおじさん世代から皮肉が聞こえてきそうですが、妻子がいて仕事もバリバリこなしているような方も少なくありません。

「昔は結構やんちゃしてたっスけどね」といいつつ、取材のあいまにざっくり年収を聞いてみると、びっくりするくらい稼いでいたりします。そうでなければ、現行モデルのトヨタ アルファードをローダウンしてフルエアロは組めません。さらに全席にテレビモニターを備えつけ、それでいて妻子持ち。仮に共働きだったとしても、それなりに稼ぎが必要です。「将来、独立して稼げるようになったら、バシッとベンツのSクラスを新車で買ってみたいっスよね」なんていわれた日には正直脱帽です。10年以内に本当に買っていそうです。

原体験は・・・父親がクルマ好き

父親がクルマ好きで、気づけば自分も…という方が多いです。泣かせるエピソードとして、ステアリングや追加メーターなど、父親が若いときに愛用していた部品を受け継ぎ、自分の愛車に取り付けているという方が何人もいました。反面、父親がクルマ好きで、息子さんはさっぱり興味なし、というケースも少なくありません。その分岐点はどこにあるのでしょうか?ちょっと本気で研究してみたいです。

父親が憧れや尊敬の対象であったり、きっと関係なんだろうなということが会話のなかからひしひしと伝わってきます。

SpeedhuntersやJDMは彼らから教わった

「JDM」や「スタンス」と聞いて、どのようなものかイメージできますか?数年前の筆者は「何それ?」だったように思います。JDMは「Japanese domestic market」の頭文字を取ったものだといわれています。映画ワイルド・スピードに端を発した日本車のカスタマイズが海外でも人気となり、逆輸入される形で日本に上陸しています。見た目はタイヤとホイールがフェンダーに隠れるほど、車高を極限まで落とした状態にカスタマイズしたクルマたち「スタンス」と呼ばれるジャンルに当てはまるそうです。

例えば、日曜日早朝の首都高速大黒PAはスーパーカーやクラシックカーなどのオーナーさんが多いように思いますが、その数時間前、土曜日深夜には前述のようなクルマたちに乗った若者が集まり、かなりの盛り上がりを見せています。かつては深夜の大黒PAに通った世代の方も、いつの間にか日曜日早朝組にスライドしているかもしれないですね。

SpeedhuntersNarita Dog Fightなどでは、カスタマイズされた国内外を走る日本車が紹介されています。もし、まだ観たことがないとしたら、ぜひこの機会に。知らないところで新しい流れがはじまっていることを実感できるはずです。

新しい時代を作るのは老人ではない?

かつてNHKで放映されていた「プロジェクトX」という番組を覚えていますか?放送開始から割と初期の段階で「執念の逆転劇 世界を驚かせた一台の車/名社長と闘った若手社員たち」という特集が組まれました。要約すると、アメリカの排ガス規制法である「マスキー法」に、ホンダの当時の若手社員が奮起してCVCCエンジンを開発し、見事世界で初めてクリアするというストーリーです。当時の社長であった本田宗一郎は、手塩に掛けて育ててきた若者たちの成長した姿を見るにつけ、その座を退いたそうです。

取材を通じてさまざまな世代の方と接して感じるのは、年齢を重ねた方のほうが意外と「えっ…」と思うことが(正直いって)少なからずあったりします。社会的地位が上がるにつれて「バカヤロー、ふざけんな!」と怒鳴りつけられることも少なくなるからでしょうか。それなりのクルマに乗る以上、それに相応しい人格も持ち合わせていなければ…と、自分への戒めとして考えるようになりました。

20代の方々と頻繁に接するようになり、自分が知らず知らずうちに「老害」になっていないか、あるいはこれから先、「老害」となってしまうのではないか?密かに恐怖感を感じるようになりました。間違いなくいえることは「新しい時代を作るのは老人ではない!」のです。

[ライター/江上透 画像出典/Pinterest]

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松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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