ドイツ発、製造30年以上で税金等優遇される「Hナンバー」は旧いクルマを国が支援する制度

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日々、カレントライフというカーメディアの仕事に関わらせていただいているうちに、常用ワードとなっていた「Hナンバー」。先日、カレントライフFacebookページに「Hナンバーって、何?」という旨のコメントをいただきました。そこでハッとしました。読んでくださる方が、Hナンバーをご存知だという前提で記事を書いていたことに猛省しました。

これを機に、最近カレントライフというメディアに興味を持っていただいた方にもお伝えしたい「Hナンバー」についてご紹介したいと思います。

製造から30年以上経ったクルマが掲げる「Hナンバー」とは?

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中込氏の記事にあるドイツの「Hナンバー」を背負ったクルマ達@ドイツ現地レポを要約すると…

「Hナンバー」とは、製造から30年以上経った車両で、かつ大幅な改造がなされていない車両に特別なHナンバーをつけるというドイツの制度です。「H=ヒストリーナンバー/H=Historisch」の意味で、このナンバーが付与されるとなんと、自動車税や自動車保険が優遇されるのです。モノを大切に扱っている、歴史的な工業製品価値を維持している、また古いクルマはそんなに走らない、という考え方のようです。

上記のような制度となります。

日本人よりも先に日本車の価値と魅力に「気づいてしまった」外国人

バブルの頃、輸入車や高級車はいま以上に「ステータスシンボル」だったように思います。1995年頃、アルバイトの関係で出入りしていたクルマ屋さんのスタッフから「バブル時は1カ月おきにクルマを買い替えていた人もいたよ」というような、うそのような本当の話しも耳にしました。しかし、バブル期の副産物として、世界中から貴重なクルマたちが日本にやってきました。それまでは、雑誌や映像でしか観ることのできなかったクルマたちと直接対面できる環境が現実のものとなりました。

現在は、当時日本に輸入されたクラシックカーだけでなく、新車として持ち込まれた輸入車たちも次々と日本の地を後にしています。その代表例として、空冷エンジンを搭載したポルシェ911や、フェラーリテスタロッサ系のモデルなど、80年代後半〜90年代前半に製造されたクルマたちも含まれます。


Photo by Will ainsworth [CC-BY-SA 3.0] (Wikimedia Commonsより)

さらに、70年代に製造されたトヨタ2000GTやハコスカ・ケンメリと呼ばれたスカイラインGT-Rだけでなく、R32〜34型のスカイラインGT-Rなどの「一昔前のクルマたち」も海外に持ち出されている現状があります。そして、たびたび申し上げていますが、いちど日本から離れたクルマを「呼び戻す(買い戻す)」ことは容易ではありません。

日本人よりも先に、海外のひとたちが日本車の魅力や歴史的価値に気づいてしまっています。その事実に多くの日本人が気づくのはもう少し後かもしれません。これも島国ゆえの、そして鎖国をしていたことへの弊害なのでしょうか。

このままでは、将来、日本版Hナンバー制度が設けられたときには手遅れ?

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●左ハンドル(モデル等により、例外もあり)
●記録簿等の履歴が明確である
●限りなくオリジナルコンディションをキープ
●スペアキーや取扱説明書などの付属品の欠品がパーツない
●もちろん、コンディションが良好であること(限りなく塗装面の劣化やボディに傷がない状態)

日本の中古車市場で、この条件を満たす個体が出てきたら、多くのモデルで争奪戦が繰り広げられるはずです。市場に出る前に水面下で「いいのがあるよ」と、関係者間で取り引きされてしまうこともありそうです。

上記のようなモデルこそが海外に流れていってしまっています。「いまは何があっても手放さない」と固く心に誓っているオーナーさんでも、年を重ねていつかはクルマに乗らなくなる機会が訪れるはずです。現に「祖父や父が乗っていたけど、自分は興味がないから」と、貴重なワンオーナー車をあっさりと売却してしまうこともあります(こればかりはそのご家庭の事情もあるでしょうし、無下に「売っちゃダメ」とはいえませんが…)。

巧みな情報操作で「古いクルマに乗る→環境に良くない→風評被害に?」

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自動車を購入する際に燃費性能に応じて支払うことになるという税制を適用し、古いクルマたちを排除していく必要があるかどうか?それは常々疑問に思うことです。いつも立ち寄るコンビニのすぐ近くに、クルマのスクラップ工場があります。何重に積み重ねられているスクラップ待ちのクルマたちは、つい10年くらいまえに発売されたモデルばかり。このクルマたちにも、ピカピカの新車で、納車を待ちわびているオーナーとの対面…のような場面があったはず。そのすぐ隣にはレストアを得意とする工場があり、4,50年前のクルマたちが何年も掛けてレストアされ、新車のようなコンディションを取り戻しています。この光景を見ていて、何ともいたたまれない気持ちになります。

一般社団法人 日本自動車工業会の統計によると、日本の全就業人口が6,351万人。それに対して自動車関連業に従事しているには550万人、8.7%になります。その家族なども含めると「自動車関連業でメシを食ってる」人はそれなりの割合となってきます。

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出典:http://www.jama.or.jp/

しかし、自動車の分野が日本の基幹産業であることは承知の上で、ドイツのHナンバーのように、そろそろ過去に世に送り出された日本車や輸入車に、そろそろ「文化的価値」としてのお墨付きを与えても良いのではと、この仕事に関わるようになってから気づかされました。

これまで何人もの「自分は一時預かり人ですから。次の世代に引き継ぐことが自分の使命です」と断言する方にもお会いしてきました。こういったオーナーさんに共通しているのが「もはや偶然とは思えない」、いま所有されている愛車との出逢いです。この体験がきっかけとなり、オーナーインタビューをさせていただく際は「クルマが人(オーナー)を選ぶ」という視点でお話しを伺っています。

名車Z32を後世に残すことが私達の使命。そういい切るショップを取材

「普段はCDやiPodなどを使って音楽を聴くひとでも、週末の夜にはレコードならではの音色を楽しむ」ように、「普段はハイブリッドカー、週末の朝、数時間は趣味車のクラシックカー」。そんなカーライフを楽しんでいる方もいらっしゃるはず。造られてから何十年と経過しても、これだけ便利な世の中になっても廃れない。それには何らかの理由があると思うのです。

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松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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