ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

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コロナウイルスの脅威、まさかここまでとは…と驚いている方も少なくないと思う。スーパーやドラッグストアの棚からマスクやトイレットペーパーが消え、この記事をまとめている3月13日時点での日経平均株価の終値は17,000円台にまで下落した。このままではソメイヨシノが開花しても、今年ばかりはお花見どころではないかもしれない。

しかし、こんなご時世であっても、今月末時点でクルマを所有している方の手元にやがて1通の(あるいは複数の)書類が届く。自動車税の納付書だ。車検や運転免許証と同様に、自動車税の納付期限も延長されるような「特例処置」あるのであろうか?仮に延長されることになったとしても「今年はなし」ということはまずあり得ないだろう。…ということは、そろそろ心と財布の準備をしておいてもいい時期かもしれない。

■2014年(平成26年)4月1日から施行された自動車税のグリーン化税制(重量税)の変更

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

2013年に第二次安倍内閣で導入が決まった「自動車税のグリーン化税制(重量税)」の変更。これにより、1999年(平成11年)式のクルマから重課税となったわけだ。ちなみに、トヨタ・プリウス(初代)は1997年12月が発売日だが、ハイブリッド車は環境負荷が低いという理由で、現在に至るまで自動車税の重課税は免除されていないはずである。こうして2014年(平成26年)度から重課税が施行され、翌年には重課率がさらに増え、さらにその翌年には車検時に支払う重量税も13年超のクルマにも課税されるようになった。

■しかし、令和になって潮目が変わった

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

この重課税が施行されてから6年が経過した。ここにきて、少しずつ潮目が変わってきていると筆者は実感している。重課税がはじまった頃は(筆者を含めて)一部の旧車好きがこの重課税に反対の声をあげていたように思う(「クルマ好き」というよりは、「旧車好き」の方がニュアンスとしては近いと感じていた)。しかし、元号が令和に変わった頃から、この理不尽な重課税に疑問の声をあげる方が「一部のマニア」だけでなく、「生活の足としてクルマをつかっている方々」も多く含まれるようになったと感じている。

2020年(令和2年)になった今年、下記条件に該当するクルマのオーナーにも重課税の払込票が届くようになる。

【令和2年度以降の自動車税種別割が新たに重課となる自動車】
●ガソリン車・LPG車(新車新規登録から13年を超えるもの)
・2007年(平成19年)3月末日までの登録(おおむね15%重課)

●ディーゼル車(新車新規登録から11年を超えるもの)
・2009年(平成21年)3月末日までの登録(おおむね15%重課)

*電気自動車、メタノール自動車、ガソリンハイブリッド自動車、天然ガス自動車、一般乗合用バスおよび被けん引車を除く。

[総務省]自動車税について(pdf)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000228067.pdf

筆者からみれば、最新式の新しい年代のクルマだし、街で見掛けてもきっとまだピカピカの現役で走っていても何ら不思議ではない。たとえば、VWゴルフであれば通称「ゴルフ5」の大半も、いまやモデルが重課税対象車になる。その他、メルセデス・ベンツCクラスやBMW ミニなどの先代モデルも、来年からは重課税対象車の枠に入ってくる。日本車であれば日産GT-Rや、先日フルモデルチェンジを果たしたばかりのホンダ フィット(2代目。現行モデルは4代目となる)も同様だ。環境への影響は今年と去年でほぼ変わらないはずなのに、急に環境負荷が高いクルマと認定され、重課税されてしまう。このことを疑問に感じる人が増えたように思う。

■JAFも提言してくれてはいるのだが…

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JAFも、以下のような自動車をめぐる税制に関する要望を出している。

[JAF]2020年度税制改正に関する要望書(pdf)
https://jaf.or.jp/-/media/1/2590/2610/2639/2652/20191002_demanding_paper.pdf

こちらでは項目として重課税問題にも触れているが、全体のトーンとしては「そもそも日本では自動車にまつわる税金負担が重い」といった内容の主張が強く、13年超車への重課税に反対するアピールは弱まってしまっているように思える。自動車に関連する税金全体を下げる際、ついで重課税もに廃止して欲しいといったトーンなので、たどりつくの道のりが長いように感じる。

■筆者が運営しているFacebookページで感じ取った変化とは?

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

以前から繰り返し書いている通り、筆者はfacebook上でこの重課税反対に関するグループを運営している。

●13年超車の重課税反対 Facebookページ(ご参加をお待ちしております!)
https://www.facebook.com/groups/1444683832519843/

このグループの運営を通して、前述の変化をひしひしと感じている。当グループは昨年から急激にメンバー数を増やしており、次回の納入期限日までには1万人に届くイキオイだ。すべてではないが、メンバー登録時に愛車の写真を掲載してくれる方が多いことも特徴である。以前はキラキラのクラッシクカーや、輸入車の割合が多く、同じ趣味の者としては、目の保養になっていたことも事実。しかし最近の傾向としては、「ごく普通の国産車」と誰もが思うクルマや軽自動車だけでなく、重課税などの経費高騰に耐えかねてクルマを手放した方の入会も増えてきている。もはや「一部のマニア」ではない、より一般的な方々の比率が着々と増えている。

■今後、13年超車の重課税反対がより裾野を拡げるために…

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このような変化は、特にグループ創設当初から参加してくださっている「いわゆるクルマ&旧車マニア」や「それに準ずる」メンバーの方々にも意識の変化をもたらしはじめているようだ。

これまでは「俺たちマニアが好きなクルマに乗るのに、重課税とはけしからん!」的なトーンの投稿が多く、それに対する好意的な反応も多かった。しかし、本当にこの不条理な税制を世の中に訴え、撤廃につながるアクションにつなげようとすると、マニアだけの団結では絶対に到達できないことに気がつきはじめたようだ。キラキラのかっこいいクルマの写真の掲載や、「重課税をぶっつぶせー」的なつぶやきや、「安○首相ガー」とか「ト○タ自動車ガー」といった、特定の個人や企業に原因を押し付けるような発言を繰り返してもダメだということに…。

■まとめ:重課税は他人事ではない

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

繰り返しになるが、ホンの数年前までは、一部のマニアが騒いでいるだけに思われてきた13年超車への重課税。最近では日常生活でクルマを必要とし、大切の乗り続けてきた「普通の人」にも重くのしかかってきていることがようやく認知されてきたように思う。生活に必要な道具としてのクルマを長く乗っているだけで、まるで罰則のように割増の税金をかけることは合理性に欠けるのではないだろうか?それに加えて、日本が世界に誇る美徳である「もったいない精神」にすら反しているように思えてならない。とはいえ、筆者自身「クラシック」だとか「文化」などと高尚なことを叫ぶ考えはまったくない。それよりも、生活の足として使用したクルマの税金は、使用期間の長短に関係なく、同一である方が国民の理解を得られやすいのではないだろうか。

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

施行から6年が経過したこの13年重課税。ここ最近のコロナウイルス騒動に連動した景気減速によってクルマの代替機会の減少が進むと、今後ますます重課税対象車が増えてくる可能性も考えられる。いわゆる「買い控え」だ。生活の足か、はたまた愛玩の対象かどうかに関わらず、長く大切に一台のクルマを乗り続けているとペナルティのような重課税となるこの国の税制は、明らかに間違っていると指摘せざるを得ない。

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

最後に、筆者自身、これからも『長く所有していれば、いつかはクルマを大切に乗りつづけている方々にも重課税がのしかかる日が訪れること』を主張し、その不条理を知ってしまった方たちと足並みを揃え、この税制の撤廃に向けたアクションを模索していきたいと考えている。

ガソリン車は新車新規登録から13年、ディーゼル車は11年。重課税問題について考えてみた

現在所有しているクルマが重課税対象車でなかったとしても、ガソリン車・LPG車は新車新規登録まら13年、ディーゼル車であれば11年経てば容赦なく払う税金が増える。その未来をぜひ想像してみてほしい。このご時世、それまでにクルマを買い替えるから、自分には関係がないと断言できる方がどれだけいらっしゃるだろうか?決して他人事ではない。「明日は我が身」ですぞ…。

[ライター/ryoshr・画像/ryoshr・松村透]

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若い頃から空冷VWを楽しむ自称「クルマ好きのおっさん」。IT企業に勤務している知識を活かして、1990年代にナローポルシェをインターネット経由で個人輸入してしまう。その後は軸足をクルマへ移行させ、ついには自動車輸入販売の会社を始めたが、うまくいかず早々にIT業界に戻る。クルマそのものだけではなく、同じ趣味の仲間とのコミュニケーションも大切にしている。ネットとクルマの狭間でもがき続けるが、現在は某IT企業のサラリーマン。現在の反省車は17年落ちの白いセルシオ。久しぶりに道路の突起物を気にして走るクルマを楽しんでいる。

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