4つのエピソードで考える。「クルマなんていらない派」の若者と「クルマ大好きおじさん」の埋まらないミゾ

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筆者はここ(外車王SOKEN)に原稿を書かせていただく程度にはクルマ好きのおじさんだ。と同時にサラリーマンでもあるので、一般的な会社員としてのコミュニティ(主に、職場の仲間や取引先など)を通じて人を接する機会も多い。

しかし、年々そういった状況において、自分より若い世代の人たちとクルマの話しをしていて、すれ違いというか「え?そこを気にするの?」といったケースが増えつつあるように思う。そのため、どうにかして自身の精神衛生を保つべく、天気や最近の経済のことなど、自分にとってはどうでもいい話題に振ってしまうこともあるほどだ。

4つのエピソードで考える。「クルマなんていらない派」の若者と「クルマ大好きおじさん」の埋まらないミゾ

▲自分より若い世代の人たちとクルマの話しをしていて、すれ違いというか「え?そこを気にするの?」といったケースが増えつつあるように思う(画像はイメージ)

ここに、筆者が実際に遭遇した「『クルマなんていらない派』の若者と、『クルマ大好きおじさん』の埋まらないミゾを掘り下げる」4つのエピソードを紹介したい。クルマなんていらない派の若者からすれば「ほっといてくれよ」だと思う。そうなると、この記事を読んで共感してくれるのは筆者と同じお父さん世代の人たちになるのだろうか…。

埋まらないミゾepisode.1「運転って面倒くさくないですか?」

4つのエピソードで考える。「クルマなんていらない派」の若者と「クルマ大好きおじさん」の埋まらないミゾ

▲エンジンを始動する際、ボタンよりもイグニッションキーをひねる行為にロマンを感じるのは筆者だけだろうか…

「なんかー、運転するときってー、まずレンタカー借りてー、道確認したりしてー、駐車場空いてるかなー、とか気にしたり、煽ったり煽られたりしないように気をつけてー。でも事故ったりしたらもう面倒くさいじゃないですかー。電車でぴゅっと移動した方が何倍も楽ちんですよねえ?」なんて言われる。

ボーっと生きてんぢゃねーよ(笑)。

百歩譲ってオートマ車でもいい(そこをMT限定にすると、ただの老害になっちゃうから)。シートに座る、そしてキーを挿し込み(あ、挿し込まないクルマも最近は多いね)、エンジンをかける(エンジンがないクルマも最近は多いね)。そしてクルマ全体に息が吹きこまれ、発進の準備ができる。もうそれだけでもワクワクするでしょ?ああ、今日のこの子(クルマ)は調子いいかな?音楽は何を聴こうかな?同乗者もドライブを楽しんでくれるかな?どんなクルマとすれ違うかな…なんてもうワクワクが止まらなくて当然でしょ?

ギアを入れ、サイドブレーキを解除し、走り出す。サンルーフや窓を開け放つことで吹き込む風を体で感じ、車内に閉じ込められていた空気を一気に排出。やがて車内は新鮮な空気で満たされていることだろう。寒い?暑い?いやいや、新鮮な空気が一番でしょ。え?何言ってるかわからない?そ、そうかなあ…。

埋まらないミゾepisode.2「燃費悪いんじゃないですか?」

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▲旧いクルマ=燃費が悪いとは限らない

「なんかー、ガソリンで走ってるクルマってー、ときどきガソリン入れないといけないし、燃費が悪いとたくさんスタンド行かないといけないし、お金もかかるじゃないですかー。その点、電気自動車最高ですよね。家でも充電できるんですよ、あれ。」なんて言われる。

ボーっと生きてんぢゃねーよ(笑)。

4気筒だろうが6気筒だろうが8気筒だろうが、エンジンが前にあろうが後ろにあろうが、シリンダー内でガソリンを爆発させ、すべての気筒が力を合わせてドライブシャフトに回転する力を与えているんだぞ。振動は「揺れ」ではなく、クルマの呼吸、息遣いそのもじゃないか!そりゃー、少しくらいガソリンを使ったりするさ。でも、多くのガソリンを使うということは税金もたくさん払ってるんだぞ。タバコ吸う人と同じように高額納税者なんだから、肩身の狭い思いをする必要なんてないんだよ。あまりにもたくさんのガソリンを使うようなら、移動用に電気で動くクルマをもう一台買えばいいだけなんだし。え?何言ってるかわからない?そ、そうかなあ。

埋まらないミゾepisode.3「税金が高いんですよね?」

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▲筆者の現在の愛車である、トヨタ セルシオ。気がつけばネオクラシックの領域に入りつつあるが、まだまだ元気だ

「なんかー、10年たったらクルマって捨てるもんなんじゃないんですか?それなのに、いつまでも乗ってるから13年以上のクルマの税金って高いんですよね?よく高い税金払ってまで乗ってますね?」なんて言われる。

ぶわっぁっかもーん!ボーっと生きてんぢゃねーよ(笑)。

エコカー減税や、某メーカーの「スマホみたいにお乗り換えプラン」などなど…。何が「エコ」なのかサッパリわかっていない日本人のなんと多いことか。

ガソリンを使う量が少ないなんてことは、オーナーのお財布に「エコ」なだけで、地球環境に対してまったく「エコ」じゃないことを理解して欲しい。新しいクルマを造ることはもちろん、捨てられたクルマを処理するためにたくさんのエネルギーを使うし、環境にも影響を与えかねない。新しく何かを造るのではなく、古いクルマを乗り続けていることは、廃棄物を出さないという点において地球に対しても大いに「エコ」なはずだ。にもかかわらず、そういう旧いクルマに重い税金を課す日本の税制がおかしいんだよ。そりゃー、クルマを作ってるメーカーはクルマが売れないと困っちゃうのはわかる。しかし、大切に乗られているクルマに割増で課税するのは、やっぱりおかしいことでしょ?え?何言ってるかわからない?そ、そうかなあ。

埋まらないミゾepisode.4「壊れませんか?」

4つのエピソードで考える。「クルマなんていらない派」の若者と「クルマ大好きおじさん」の埋まらないミゾ

▲画像の中心に見えるシルバーの物体が件のモーターだ。これを交換するだけで元に戻る

「なんかー、出先で止まっちゃったり、あちこち壊れたりしてお金かかるんじゃありませんか?」

ボーっと生きてんぢゃねーよ(笑)。

そもそもはじめから、クーラーやパワステやパワーウインドウがなければ壊れないんだよ。確かに「やせ我慢といえばやせ我慢」だけどね。それから、もし出先でトラブルがあったとしても、その場でなんとかできちゃう可能性があるのは旧いクルマの方だよ。構造がシンプルだし、その場で応急処理だってやれることが多いんだよ。その点、最近のクルマが出先で故障してしまったら、ユニット単位で部品の交換が必要になってしまい、その場所での対応なんてできないことの方が多いと思うよ。

例えば、電動のロック機能が壊れたとき、中のモーターの劣化が原因だったとする。ちょっと旧いクルマはモーターの交換が可能なので、ネットで購入した300円のものと交換できたけど、最近のクルマだと分解もできず、ドアの内側の部品の交換になっちゃて、部品だけで3万円、みたいなこともあったよ。だから、壊れても直すときの費用は最近のクルマよりも安く済むケースが多いんだよ。え?何言ってるかわからない?そ、そうかなあ。

果たして「埋まらないミゾ」は埋められるのか?

4つのエピソードで考える。「クルマなんていらない派」の若者と「クルマ大好きおじさん」の埋まらないミゾ

▲あまりクルマに興味がない人も、一度知り合いのおじさんの助手席に座らせてもらってドライブへ連れて行ってもらうことをオススメしたい

このように、例を挙げればキリがないほど、この手の話題は商談を放っぽても延々とできたように思う。しかし、どうも最近の若い商談相手とは話しが噛み合わず、結果として短い時間で済んでしまうことも少なくない。本題の商談が進むからいいといえばいいんだが、得てして噛み合わないことが少なくない。クルマに乗ったことはあったけど、何らかの理由があって遠のいてしまった…というのなら仕方がないと思う。しかし、ほぼクルマを運転したことがない人がなんとなく面倒や負担に感じたりして、結果として乗らなくなってしまったとしたら本当に悲しいし、残念に思えてならない。

そこでひとつ提案がある。あまりクルマに興味がない人も、一度知り合いのおじさんの助手席に座らせてもらってドライブへ連れて行ってもらうことをオススメしたい。その際、ぜひ確認して欲しいのは、運転しているおじさんたちが普段の商談では見たことのないような笑顔で運転している(…に違いない)光景だ。

「『クルマなんていらない派』の若者と、『クルマ大好きおじさん』の埋まらないミゾ」はそうそう簡単に解消されるものではないだろうが、借りモノのクルマでも事足りる、あるいは誰しも所有欲を追求するような時代ではなくなったいまだからこそ、敢えて「身銭を切って自分のクルマを手に入れたからこそ見える世界」があると筆者は信じている。

[ライター・撮影/ryoshr]

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ryoshr

若い頃から空冷VWを楽しむ自称「クルマ好きのおっさん」。IT企業に勤務している知識を活かして、1990年代にナローポルシェをインターネット経由で個人輸入してしまう。その後は軸足をクルマへ移行させ、ついには自動車輸入販売の会社を始めたが、うまくいかず早々にIT業界に戻る。クルマそのものだけではなく、同じ趣味の仲間とのコミュニケーションも大切にしている。ネットとクルマの狭間でもがき続けるが、現在は某IT企業のサラリーマン。現在の反省車は17年落ちの白いセルシオ。久しぶりに道路の突起物を気にして走るクルマを楽しんでいる。

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