日本における自動車文化と新税導入は共存できるのか

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2016年6月2日付けの日経新聞の記事によると、消費税10%増税延期に伴い、かねてより実施が予定されていた自動車新税導入の先送り検討が検討されているようです。

しかし、本来であれば、以下のスケジュールで導入される予定でした。

▼車体課税見直しのスケジュール

出典:総務省 車体課税関係資料(http://www.soumu.go.jp/main_content/000379794.pdf)

総務省の「車体課税の見直し」の内容とは?

※以下総務省の資料からの引用です。

○車体課税の見直し (自動車重量税・自動車取得税・自動車税・軽自動車税)
車体課税については、平成26年度与党税制改正大綱等に沿って、グリーン化等を進める観点から、以下の方向で見直しを行う。

・自動車取得税については、エコカー減税に係る基準の切替えと重点化を図るとともに、消費税率10%への引上げ時に廃止する。

・自動車税については、消費税率10%段階において、自動車取得税のグリーン化機能を維持・強化する環境性能課税及びグリーン化特例に関して、幅広い関係者の意見を聴取しつつ、技術開発の動向等も踏まえて、環境面で優れた事業用自動車への軽減措置等一層のグリーン化機能が発揮される措置を講じる。なお、グリーン化特例については、環境性能課税の導入時に、軽課を強化する。

・軽自動車税については、平成28年度から行うこととされている重課に併せて、軽課を行う。

・自動車重量税については、エコカー減税の基準の見直し等を行うとともに、エコカー減税制度の基本構造を恒久化する。


出典:総務省 平成27年度 自動車局税制改正要望の概要(http://www.mlit.go.jp/common/001053069.pdf)

日本の自動車関連就業人口は約550万人

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出典:http://www.jama.or.jp/

また、総務省がWebサイトで開示している「第16回 自動車関係税制のあり方に関する検討会議事次第(http://www.soumu.go.jp/main_content/000380629.pdf)」に目を通してみると、データありきで議論が進んでいることが分かります。見方を変えれば、感情論先行では冷静に物事は決められませんし、客観性および公平性を欠くおそれもあります。そういった点において「このように進めざるを得ない」ことは(心情的には思うところがあったとしても)致し方ないのではないかと思われます。

前述の資料にも「エコカー減税とは、一定の排出ガス性能を備えた自動車(新車に限る)について、燃費性能に応じて自動車取得税の税率の軽減措置を講じるもの。」と明記されています。あくまでも「新車に限る」のです。

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一般社団法人 日本自動車工業会の統計によると、日本の自動車関連就業人口は約550万人。日本の全就業人口の6351万人のうちの8.7%にあたります。※資料:総務省「労働力調査(平成26年平均)」、経済産業省「平成25年工業統計表」「平成24年簡易延長産業連関表」等

また、平成27年(2015年)3月末時点での小型車を含む乗用車の平均車齢は8.29年(一般財団法人 自動車検査登録情報協会調べ)で過去最長となりました。平成12年(2000年)末時点では5.84年。20年前の平成8年(1996年)は5.04年、30年前の昭和61年(1986年)は4.63年と、平均車齢が確実に伸びていることが分かります。ある程度のスパンで代替が進み、新車が売れてくれなければ困ってしまうわけです。

新車が売れなければ日本経済に影響を及ぼすことはもちろん、さらに身近なところに目を向ければ、自動車関連業に従事している方やその家族にとっても死活問題です。

この議題に、カレントライフ上で度々お伝えしている、クラシックカーやドイツのHナンバー、EU諸国の自動車税制の話しを持ち込んでも、双方の論点はかみ合わないでしょう。新車への代替促進と、クラシックカーの保存を視野にいれた税制面の優遇。それぞれの目指す方向性とゴールが乖離していることは明らかです。

自動車文化を考える議員連盟の設立

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しかし、明るいニュースもあります。

自民党が、5月下旬に「自動車文化を考える議員連盟」を設立したことをご存知の方も多いと思います。

以下、「自動車文化を考える議員連盟」設立趣意書からの一部抜粋です。

ついては、我々は、歴史的・文化的に価値のある経年車(ノスタルジックカー・クラシックカー・ヴィンテージカー)の保存や地方誘客への活用の促進その他我が国の自動車文化の振興に寄与する方策を幅広く考えるため「自動車文化を考える議員連盟」を設立する

古屋圭司議員の呼びかけで会が設立し、同連盟の会長を務めると知り、真っ先にある記事のことを思い出しました。

古屋議員といえば、かつてカーグラフィック誌のインタビューの模様を拝見して、ご自身の置かれている立場に配慮しつつも、明らかにクルマ好きなお人柄が記事の端々からにじみ出ていたことがとても印象的でした。

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クラシックカーの文化価値が国家的に認められたり、税制面で軽減されるような制度が施行されるのはまだまだ先のことかもしれません。その一方で「やはりクルマ(新車)が売れないと経済が活性化しない側面があること」もきちんと認識しつつ、日本における自動車文化と自動車新税導入は共存できるのかを、今後もさまざまな角度から考察していきたいと思います。

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松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。外車王SOKENは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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