最近のクルマ関連イベントに出かけて感じる「自動車文化」のこと

  1. 車悦
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唐突ですが、日本で自動車文化は要らないと思っています。戦後国が復興する中で、自動車産業にかけた節があります。自動車はたくさんの人が関われます。戦火にやられて傷だらけの日本列島で、クルマを作れば復興も進む。多くの日とも関われる。海外からの輸入に頼っていた当時の日本人は、いつか自分たちで、あんなクルマを作ってみたい。団結して取り組み、憧れつつも「日本列島の食い扶持」としてのスタートこそ、日本における自動車産業の起こりだったと思うのです。

( ※編集部追記:当記事は過去にメルマガ配信した記事です。)

最近のクルマ関連のイベントに出かけて感じること

ヨーロッパのように「かくあるべし」というスタイルや、脈々と守らなければならない格式がまずありきの国とは、根本の事情が違うのです。しかし、今の日本では、ちょっと自動車文化に必死になり過ぎではないかと思っています。イタリアなど、自動車が文化として根ざしている国は、「自動車文化を根付かせよう」という運動をしてきたのでしょうか。決してそうではありませんね。イタリアなりのクルマとのかかわり方、新党のプロセスの中で、イタリアの風土や、イタリアの人々の暮らしの中で、一緒にいたクルマや、それに関する、しきたり、イベントなどが、やがて文化的な側面を帯てきたということではないでしょうか。

まあ、冒頭の「自動車文化は要らない」というのはやや過ぎた表現です。私も欧州車はじめ、輸入車も好きですし、憧れはあります。しかしながらこの国で、いくら本場で、歴史がもっとある国だとしても、「ヨーロッパではこうしている」のをそのまま日本に持ち込んでもある程度限界があるのではないでしょうか。補足すると、少なくとも文化を語るのはまだ時期尚早かと思うのです。

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先のオートモビルカウンシルも、個人的には楽しめたし有意義に感じます。ああいうイベントの第一回ができたことは素直にうれしい。しかし、あのイベントの進化は、第一回を開催した後、正式にその歴史がスタートしたということだと思うのです。第二回にも期待ではなく、第二回目以降も開催していかねばならない。自動車文化の浸透を語る以上それは最低条件であると思います。

そして、ああいうイベントで、主催者が開催すると同時に、それを受けて、様々なムーヴメントが出展企業、メーカー、そして来場者の中に生まれてくる。そういう文化の胎動のような兆候が表れて、初めて文化としての浸透が始まるということではないでしょうか。

皆が充実した日常生活を送っている。あるいは一部の「はねっかえりもの」の盲目的、時にそれは病的だといってもよいかもしれませんが、そういう極端なムーヴメントがじわじわと広がりを見せる。この片方か、あるいはこの両方が同時多発的に起こり、それに対して人々が心打たれ、共鳴し、プラスのエネルギーの伝搬が起きてこそ、文化ではないと思うのです。

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スタイルが紹介されるのではなく、自分の問題、実感になる。文化とはそういうものなのではないでしょうか。だからそれが本当に花開いたとき、結実した時というのは、おそらく筆舌に尽くしがたい贅沢な環境になっていることだろう。

後に引き下がれない条件としてのイベントや、動きは散見されるようになったので、これが何とか実を結んでほしい、そう願わずにはいられません。今の時点では神のみぞ知る、ですが、だからこそ、都合がつけば、そういうイベントに出かけていくのです。

蛇足ですが、だからこそ出かけられないクルマ、壊れてばかりで動かないクルマの故障自慢などいくらしても自動車文化など育たない思う、というのが私見です。機械だから壊れることはあるでしょう。でもそれに耐えつつも、そのことは言わぬことです。そして、人、お店、クルマとの縁を大切に、特に中古車の場合は、できるだけ向き合えるクルマを手元に迎え、そういう縁を大事にすること。そしてそのクルマで出かけた先で、人生を豊かにする出会いや発見の数々。そういうものをここに蓄積していく。しかも、この国のやり方で。自動車文化がこの国でも花開くために個人レベルでできること。まずはそういうことからではないでしょうか。

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そういう相棒だから、愛車をチューニングする人、ドレスアップする人。車種選びにも傾向が出ていく。クルマの癖が語られる。そういうことなのだと思うのです。

ギャラリーアバルトの山口館長の著書にサインをしていただいたときに書いてくださったメッセージは「好いクルマに乗り、良い出会いを」という言葉でした。これに尽きるのではないでしょうか。良いクルマをひけらかすのではありません。下心をもって好い人をえり好みするのではありません。

まあ、こういう考えに至ったこと自体、もしかすると自動車文化の胎動なのかもしれませんね。なんでもいいが楽しみです。走りたくなる森がある。その森を抜けると友が待つ。みなさんも特にこの時期、久しぶりに会う仲間もいるかもしれません。ご安全に。クルマで素敵な出会いがありますように。

中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事した。そのころ企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなどを担当。その後フリーランスライターとして活動現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。車選び.com ,NAVI CARS他で執筆中。「クラシックカー美女」テキスト担当●温泉ソムリエ●一級小型船舶操縦免許

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