クリーンディーゼルに乗るというより「メルセデスがそこにある」という選択@車悦

  1. 車悦
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今年はCクラスも新しくなり、話題に事欠かないメルセデスベンツ。ただ、ほかのクルマは旧弊なのでしょうか?そんなところにとても興味があったのです。先日ちょっと所用で関西まで行くことになり、そのアシにメルセデスベンツの今のラインナップでは古参のEクラス(W212)を試乗させていただきましたので、その時の感想を少しこちらでもまとめることにいたしましょう。しかも、試乗させていただいたのは「E350ブルーテックステーションワゴン(W212)」話題のクリーンディーゼルモデルでした。絶対的な経済性もさる事ながら、クルマとしてのキャラクターにも感銘を受けました。そんなことを少しご紹介したいと思います。

クリーンディーゼルに乗るというより「メルセデスがそこにある」という選択@車悦

メルセデスベンツはモデル末期を買え。そんな言葉はよく自動車雑誌でも目にしたものです。このEクラスも本国では、次期モデルのカムフラージュした試作車と思しきクルマの目撃情報が報告されるなど、今まさにそのモデルライフの最終盤を迎えているといってもよいでしょう。そんな時期の、メルセデスの看板車種の一つEクラスワゴンは、さすがに前期モデルでの印象を確実に、大きく覆す進化と、深化を感じさせる内容でした。

まず、静粛性とフラットさ。これは目を見張るものがありました。ディーゼルにしてはという面も確かにあります。あまりに静かで、「間違えてE350のガソリンモデルを借りてしまったのではないか」と、外へ降りて、エンブレムを確認するだけにとどまらず、給油口を開けて確認、緑色のフィラーキャップ(日本ではガソリンと軽油を間違えて給油しないよう中のキャップの色で区別しているのです)で「確かにディーゼルだ」とようやく納得したほどです。ただ、それに加えて、フェイスリフトされる前に乗ったクルマでは、メルセデスらしからぬ、と言いたくなるような風きり音やロードノイズが、一部のグレードで気になるような一面があったものですが、このクルマはそういうことが皆無。クルマとしてのジェントルな仕上がりにとても好感を覚えたものでした。

クリーンディーゼルに乗るというより「メルセデスがそこにある」という選択@車悦

クリーンディーゼルに乗るというより「メルセデスがそこにある」という選択@車悦

そして、やはり特筆すべき経済性はたいしたものです。2トンも視野に入る車重ではありながら、東京~大津往復と大津市内での移動を無給油でこなし、約1000キロを走行して帰京後の給油で70リットルの給油を飲み込んだということで、平均14キロ/リットルほどを記録したことになります。決して燃費走行だけを心がけたわけでもなく、大きな荷物を積んで帰郷したしたことを考えるとやはり優秀であると言って良いと思います。航続距離が長いことも利便の観点での美点であるとは思いますが、コスト的にも今の経由の価格では軽油を満タンにし、往復の高速代を加えた費用は23000円ほど。これはひとりで新幹線を利用し、京都を経由して新幹線で往復するより安上がりだということになります。もちろん、移動中別のことはできないですが、レンタカーを借りて移動、とか、大きな荷物がある、など、複合要素がある場合においては確実にアドヴァンテージが生まれるでしょう。

また、最近の流行「ダウンサイジングターボエンジン」との差は明確で、6気筒エンジンの適度な重量感を伴ったフィーリングが、かつてのメルセデスのような雰囲気をステアリングフィールにもたらしてくれていたと感じました。今の4気筒、軽やかですが、どこか昔の重厚さが懐かしくなることはあると思います。トルクフルで、6発としては十分に軽量なのでしょうが、適度に残る重量感がかつてのメルセデスらしさのような味付けに寄与していることは間違いないと思いました。その他、ロングドライブで効果を発揮するのが、先進の運転支援システム「ディストロニックプラス」です。単なるクルーズコントロールではなく、前走車追尾型で加減速も自動で行ってくれます。これは300キロを越えるロングドライブでは効果を実感することでしょう。

クリーンディーゼルに乗るというより「メルセデスがそこにある」という選択@車悦

クリーンディーゼルに乗るというより「メルセデスがそこにある」という選択@車悦

地味に感心したのがナビゲーションシステムの優秀さです。「コマンドシステム」と呼ばれる情報端末が装備され、車両の様々な設定などを行うことができるシステムにナビゲーションシステムが内蔵されているのですが、これに関しては最新のSクラス、Cクラスのものでは本国主導での開発で、地図情報の内容は、日本製のナビをベースにしているEクラスのものの方が濃いとのことです。実際、案内を見ていても、様々な事情でナビの誘導を外れたような場合でも、闇雲にもとのルートに戻そうとしたりはしません。その後のルートで選んだ最適な道順というのが、運転していてとても自然に受け入れられ、違和感の少ないものでした。

過剰に主張しすぎない、現行Eクラスのディーゼルモデル。一言で表現するとすれば「あの頃のメルセデスが漂っている」とでも申しましょうか。カーオブザイヤーでも僅差で次点でしたが、あれほどまでに高評価のCクラスの登場した今でも、まだしっかり選ぶ理由があるEクラス。大変おすすめできる一台だと思います。

[ライター/中込健太郎]

中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事した。そのころ企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなどを担当。その後フリーランスライターとして活動現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。車選び.com ,NAVI CARS他で執筆中。「クラシックカー美女」テキスト担当●温泉ソムリエ●一級小型船舶操縦免許

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