「フォルクスワーゲン・タイプ2」はクラシックカー・マガジンの表紙を飾るほど、ドイツでも人気者!

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ドイツでキャンパー(寝泊りできる設備を備えた車両)というと、自走式よりも牽引式の方が一般的で、セダンやステーションワゴンがトレーラーを引く姿を日常的によく見かけます。とはいえ、自然の中で過ごすことが大好きなドイツ人ですから、自走式のキャンパーを見かける数は日本よりもずっと多いです。そんなドイツで、これは!というキャンパーを見つけました。今回ご紹介するのは、フォルクスワーゲン・タイプ2です。

ブラジルでは2013年まで生産された長寿モデル

見るからに新しく塗り直された黄緑色のボディと、ウィンドウから覗くボディと同色に揃えたカーテン。バンパーやルーフ、ホイールキャップには所々サビが浮き出ていますが、普段の使用には問題なさそうです。今の時期には使わないとは思いますが、フロントウィンドウの中には扇風機も設置されていますね。オーナーが週末などに時間をかけてコツコツと仕上げている様子が浮かんできます。

フロントとリアにはHナンバーが掲げられていますね。
Hナンバーとは、ドイツにおける自動車制度のひとつで、Hはドイツ語で「Historisch=歴史上」という意味を持ちます。Hナンバーが付与されるのは、製造から30年以上経過した、大幅な改造を施していない車両で、かつ「歴史的な工業製品価値を維持している」と認められた個体に限られます。このナンバーが付与されると、自動車税や自動車保険が優遇されるという、旧車を愛する人々にとってはとてもありがたい制度なのです。

フォルクスワーゲン・タイプ2はドイツ語でトランスポルターと呼ばれる商用車で、一般的に第1世代のT1から第3世代のT3までを指すことが多いです。写真の個体は第2世代のT2で、1967年から1979年にかけて生産されました。さらに細かく分類すると、1973年から1979年まで生産された後期型、T2bと呼ばれるモデルになります。ちなみにVWブラジルでは40年以上生産され続け、2013年まで「コンビ」という名で販売されていた超長寿モデルでした。

タイプ2はドイツでも人気者

搭載されたエンジンは、先代T1の流れをくむ空冷水平対向4気筒エンジンで、最終的に2リッターまで拡大され70psを発揮しました。リアに搭載されたエンジンは、そのまま後輪を駆動。T2の発表当初はたった48psでしたから、モデルライフ中にパワー不足はかなり解消されました。とは言っても、最大ペイロードである980kgもの荷物を積めば、非力を実感することになったと思いますが…

日本での呼び名は「タイプ2」「ワーゲンバス」が一般的ですが、「タイプ2」をドイツ語で発音すれば「テュープ・ツヴァイ」となります。ドイツやヨーロッパ諸国では「Bulli=ブリ」(ブルドッグの意味)と呼ばれることが多く、多くのクラシックカー・マガジンの表紙を飾るほど、今でも高い人気があります。

日本やアメリカ、そしてアジアでもタイプ2は今まで何度もブームが再燃し、程度がよい個体は日本から流出しつつあると言われていますが、現在の状況はどうなのでしょうか。実際の個体数はともかく、生産されていないクルマとしては異例なほど、広告や映画、絵本などで目にする機会が多いですし、一般的な認知度も高い稀有なモデルですね。

タイプ2モチーフのEVが2022年に登場

フォルクスワーゲンもそれを自覚しているのか、タイプ2をモチーフにしたコンセプトカーをたびたび発表してきました。そしてついに2017年、タイプ2モチーフのEV「I.D BUZZ」を2022年に発売すると発表。2017年の東京モーターショーで日本初公開され、大きな話題を呼びました。2基のモーターは374psを発揮、0-100km/h加速は5秒、レベル3の自動運転機能も採用…と、往年のタイプ2とは比べものにならないハイスペックを誇ります。

ガソリンエンジン車の規制がより厳しくなり、かつてのタイプ2が路上で見られなくなる時代はそう遠くないのかもしれません。バタバタ、トコトコという排気音を響かせてマイペースに走り回るタイプ2を見ていると、ひとつの時代がだんだんと終わりに近づいているような、少しだけ寂しい気分になるのです。

[ライター・カメラ/守屋健]

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守屋 健守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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