「ピアッジョ・ベスパカーP2」はドイツ人好みのジャストなサイズ?小さな3輪トラックはまだまだ現役活躍中!

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ドイツで働くクルマの中でも、最も小さい部類に入るのが3輪トラック。筆者の住むベルリンでは、毎日必ず見かけるというほどではありませんが、軽快な排気音を響かせて走り回る姿を見つけることはそう難しいことではありません。今回ご紹介するのは、小さな車体に不釣り合いなほど大きな荷台を背負った、ピアッジョ・ベスパカーP2です。

ドイツの道具や工具は頑丈だけど重い!

ドイツでホームセンターのようなところに工具を買いに行くと、その充実した品揃えに驚かされます。まるで業務用のような充電式インパクトドライバーやずっしりとした電動ドリル、こんなにサイズを揃えて使う機会はあるのか?と思ってしまうほど巨大なボックスレンチセットやスパナセット、あらゆる種類のノコギリや電動丸ノコなど。ドイツの男性がモテる要素のひとつに「DIYの技術が高い」というのが挙げられるほど、自分たちでなんでもやってみようとする国民性が、ホームセンターの品揃えにもあらわれています。

ドイツ製の道具や工具は、とにかく耐久性を重視して作られています。ドライバーやペンチひとつ取っても、とにかく頑丈で無骨、大柄な作りをしていて、反面とても重く、それほど安価ではありません。この先何十年もハードに使われることを想定した、オーバークオリティの道具たち。重いのに不思議と使い心地は悪くなく、一方で持ち運びのことを無視したような「ゴツい」作りは、かつてのメルセデス・ベンツSクラスやドイツの重厚な鉄道車両を連想させられます。ちなみに、ドイツでは「携帯に便利!6種のミニドライバーセット」といった軽くて持ち運びやすいことを売りにした商品はほとんど売っていません。

道具とは裏腹に、クルマはジャストサイズが好み?

ドイツの工具や道具類が、基本的に大柄で用途に不釣り合いなほど頑丈な作りであることとは裏腹に、クルマの大きさに関しては「ジャストなサイズを選ぶ」ことが好まれているようです。ひとつの例として挙げたいのが、スマート・フォーツーの普及。路上駐車が一般的なドイツでは、わずかな駐車スペースで停められるスマートは都市部でとても重宝されています。「普段は1名〜2名乗車で荷物もあまり載せないし、これで十分。人や荷物を載せるときは別のクルマを手配する」という割り切りは、1家族で2台以上のクルマを持つのが珍しくないドイツだからこそできるのかもしれません。

「ジャストサイズを選ぶ」ことに関してのもうひとつの例が、3ドア・ハッチバックの根強い人気です。フランス車は伝統的に5ドア・ハッチバックが多く、その利便性の高さが認識されてヨーロッパを席巻しましたが、ドイツでは3ドア・ハッチバックが長年好まれてきました。フォルクスワーゲンを例に取ると、現行ポロはついに5ドアのみとなりましたが、現行ゴルフは今でもベーシックな3ドアモデルがラインナップされ、ドイツ現地では新車で購入できます。「普段、後部座席を使わないのであれば、後ろのドアはいらない」という考え方は、「大は小を兼ねる」「もし何か用事があった時に、荷物や人を載せられた方が便利」という考え方とは対照的で、とてもドイツらしい合理的な割り切り方だと思います。

小さな3輪トラックは今でも現役!

前置きが長くなりましたが、ドイツで活躍する小さな3輪トラックたちも、「普段これくらいの荷物しか載せないし、長距離の配達もしないのだから、これくらいの大きさで十分」という割り切りの上で、現在も活躍を続けているのではないでしょうか。ピアッジョ・ベスパカーP2に積まれた空冷2ストローク単気筒エンジンはわずか11馬力。最高速度は65キロと、交通の流れが早いドイツではかなり厳しい性能のはずですが、ご覧の通り外装が汚れていてもまだまだ現役です。

ベスパカーP2は、オート3輪的なバーハンドルではなく、円形のハンドルが装備されていて、2名乗車が可能。車体後部に置かれたエンジンで、後輪2輪を駆動します。2メートル以上もある荷台には500キロ以上の荷物を載せられるようですが、満載状態での加速やブレーキングに不安が残りますね・・・。ピアッジョの3輪トラックというと、日本ではより小型のAPE(アペ)50がかつて少数輸入されましたが、ヨーロッパでは現在でもAPE 50、APE TM、APE CLASSICといったモデルを新車で買うことができます。果物屋、花屋、牛乳配達、アイスやクレープの移動販売車といった軽用途で、今後もヨーロッパの街中でしぶとく生き残っていくことでしょう。

[ライター・カメラ/守屋健]

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守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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