素のクルマの魅力を味わうなら、やっぱりベーシックグレード!日本未導入のプジョー205ルックを見かけて

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2月も半ばに入り、ドイツは寒さの底を迎えています。筆者の住むベルリンでは、朝晩の最低気温は氷点下6〜7度前後、日中の最高気温は2〜3度という毎日。現地の人々もあまり出歩かず、街は少しひっそりとした雰囲気に包まれています。とはいえ、冬至から1ヶ月半が過ぎ、毎日少しずつ日が長くなっていくのを感じますし、すっきりと一日を通して晴れる日も多くなってきました。そんな春までもうすぐといった雰囲気の穏やかな日中、石畳の道路に佇むプジョー205ルックと出会ったのです。

プジョー205は約528万台が生産された大ベストセラー

プジョー205というと、皆さんはどんなイメージを持っていますか?プジョーのスポーツイメージを確立させ、日本市場でも人気の高かった205GTI。ピニンファリーナによる美しいスタイリングで女性からも支持されたカブリオレ。WRCのグループBを荒らし回り、グループB消滅後もパリ・ダカールを2連覇した205ターボ16(マーケティング効果を狙っての外観やネーミングなので、市販車の205とは構造的にまったくの別物なのですが…。)筆者自身もそうした特別なモデルの印象が強いのですが、一方で205は全世界で528万台弱を売り上げ、1970年末台に赤字を抱えていたプジョーを救った「偉大なるベーシック・ハッチバック」でもあるのです。

写真の個体は、プジョー205のラインナップの中で、装備を簡略化した日本未導入の限定モデル「ルック」です。1.1リッターの60hpガソリンエンジンを搭載したごくベーシックなモデルで、205GTIなどに見慣れた目から見ると、クリーンで素朴な雰囲気が逆に魅力的ですね。リアのテールランプやフロントウィンカーの形状から、1990年以降に生産されたモデルだと思われます。13インチのタイヤはホイールアーチ内の空間が大きくスカスカですし、サイドの簡素な「LOOK」ステッカーや色褪せたバンパーは、いかにも「フランスの大衆車」といった風情にあふれています。こうしたベーシックなグレードがもっと積極的に日本に導入されてほしい、と思うのは筆者だけでしょうか?

「素のプジョー205」の数は年々減少傾向に

日本市場における輸入車の立ち位置や価格を考えると、今も昔も、ある程度以上の上級グレードが販売の中心になってしまうのは仕方のないことかもしれません。とはいえ、同価格帯の日本車に比べて装備が簡素なベーシックグレードは、クルマの素の魅力に触れるにはうってつけ。2018年2月現在、プジョーで言えば208スタイル5MT(199万円〜)といったベーシックなクルマを日本において新車で買うことができるのは、ヨーロピアン・ベーシックを気軽に体感したい方にとって喜ばしいことですよね。

ドイツにおいて、プジョー205は1985年と1986年の2年間で「もっとも販売された輸入車」でした。ドイツのアマチュア・ラリーなどでは今でも205GTIベースのラリーカーを見ることができるほどの根強い人気がありますが、写真の個体のようなベーシックなモデルは、年々急速に数を減らしています。街中でも、時折205GTIやカブリオレを見ることがありますが、素の205を見る機会はほとんどないと言ってよいでしょう。

かつてのプジョーを思わせる素朴な雰囲気と、ピニンファリーナとプジョーの合作による流麗なスタイリングが共存し、かつ「猫足」と称されるしなやかな足回りを備えたプジョー205。過去を清算して、その後のプジョーの行く末を定めた205は、歴史に残る稀代の名車と言えるでしょう。しかし、過去に敬意を払うドイツでも、大切にされるのはGTIやカブリオレといった上級グレードが中心で、今回ご紹介したようなベーシックなグレードが生き残っていくのはなかなか厳しい状況のようです。

ドイツでは、女性がハンドルを握っている姿を多く見かけるプジョー205シリーズ。デビューから35年、生産終了からすでに20年が経過していますが、元気に走り回る姿をこれからも見続けていきたいですね!

[ライター・カメラ/守屋健]

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守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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