新型が発表されてもなお魅力的!無骨で素朴な初期型Gクラス、メルセデス・ベンツ240GD(W460)

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今、世界中から注目を集めている車種がSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)。あらゆるブランドがSUVの開発を明言し、毎年のように新型車が登場していますが、ここドイツにおいて別格の存在感を誇るのがメルセデス・ベンツGクラスです。来年2019年にはデビューから40年となるGクラス。今回は、デビュー当時の面影を残すメルセデス・ベンツ240GD(W460)をご紹介します。

ドイツでも高い人気を誇るメルセデス・ベンツGクラス

日本においてラグジュアリーSUVとして人気の高いメルセデス・ベンツGクラスですが、本国ドイツでの人気もいまだ衰えず、ひとたびアウトバーンを走れば数多くのGクラスを目にすることができます。そのほとんどは追い越し車線を圧倒的なスピードで駆け抜けていくため、後ろ姿を拝むだけになってしまいますが…。

市街地でも、老若男女問わず様々なドライバーが運転するメルセデス・ベンツGクラスを見ることができます。筆者の住むベルリンでの、ロングボディとショートボディの比率は7対3くらい。最も良く見かけるグレードはG500やAMG G63といったV8エンジン搭載モデルで、次点がV6エンジン搭載のG320、といったところでしょうか。大きなボディの割に小回りが利き、スクエアなボディのおかげで意外と見切りもよいGクラスは、オフロードではもちろんのこと、街乗りでもオーナーたちの頼れる相棒となっているのでしょう。

大排気量化に耐えうるシャシー設計

もともと軍用車両として開発されたゲレンデヴァーゲンを、民生用に改良・市販化したGクラスが登場したのは1979年のこと。その後、基本的な構造を変えずにコツコツと改良を積み重ねてきたGクラスでしたが、2018年1月についにフルモデルチェンジを果たしました。全面刷新とはいうものの、一見してメルセデス・ベンツGクラスとわかる「超キープコンセプト」のスタイリングに、ほっと胸をなでおろした方も多いのではないでしょうか。

メルセデス・ベンツGクラスはその40年近くにもなる歴史の中、スタイリングは変わらないもののメカニズムと内装は大きく進化し、モデルとしての立ち位置も「本格オフローダー」から「高級SUV」へと変わっていきました。内装はより豪華になり、100馬力前後だったエンジン出力もAMG G65にいたっては600馬力以上を発生するまでになります。基本的な構造を変えずこれだけのパワーアップを果たしているのですから、初期シャシー設計がいかに優れていたのかが伺えますね。

無骨でシンプルな道具として

今回写真に収めた240GDは、Gクラスが高級化していくずっと前、1979年から1987年に生産されたモデルです。この個体はHナンバーが掲げられていて、生産終了からすでに30年が経過しているとは思えないほど、現在も良好なコンディションを維持しています。搭載されているエンジンは2.4リッター直列4気筒ディーゼルで、最高出力はわずか72馬力。現代のGクラスとは比較にならないほど非力ですが、このクルマが開発された当初の「素朴で良質な道具」感を色濃く残している貴重な存在と言えるでしょう。

当時のGクラスのインテリアは、まさに「男の仕事場」といった言葉がぴったりの、必要なものだけが整然と並べられたシンプルかつ機能的な空間でした。初期Gクラスのもつ無骨で素朴な雰囲気は、現行Gクラスとは異なる世界観があるとして高く評価され、ドイツの中古車市場では高値で取引されています。筆者も今回実車を目の当たりにして、とても40年近く前に発表されたとは思えない完成度の高いデザインにあらためて感銘を受けました。ディーゼルエンジン搭載車への規制は厳しくなっていく一方ですが、できるだけ長くその姿を見続けたいものですね。

[ライター・カメラ/守屋健]

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守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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