サンキューハザードはNG?知っておきたいドイツにおけるウィンカーとパッシングの意味とは

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先日、日本人の友人から聞いた話があります。出張でドイツ人上司とクルマに乗っていた際、道を譲ってもらったのでサンキューハザードをしたら「何してんだ!」と怒られたそうです。

「ありがとう」という意味でサインをしたと説明したら、上司は「ドイツでは『それは余計なことするなこの野郎!』って言っているのと同じだ。二度とするなよ!」と指摘されたらしいのです。

サンキューハザードをされるとドイツ人は怒る?

インターネット上でも海外から「日本のサンキューハザードに感動!」などと言われていますが、これはそもそもドイツ発祥だということをご存知でしたか?「サンキューハザード」は、ドイツのトラック運転手間のコミュニケーション手段として使われていたものが、日本で紹介され広まったものなのです。原則、このハザードランプの使い方は、本来の使用目的と異なるので、教習所では教えてはもらえないことが多いようです。しかし日本では、ドライバー同士のコミュニケーションの一種として認識されています。ところがドイツでは、一般ドライバーまでは浸透しなかったようなのです。

・・・というわけで、ドイツでは「サンキューハザード」は通用しません。欧州において、イギリスやポーランドではありがとうの意味で使うこともあるようです、しかし、ここドイツでは、友人の上司が指摘したように、侮辱や相手の運転を馬鹿にした意味が込められることが多いようです。こういった運転時のコミュニケーションは教習時に教えてもらえないことだからこそ、国によって認識が様々です。

そのため、欧州でその違いを認識しているドライバーは、ウインカーを左右交互に1,2回光らせて「ありがとう」の意志表示をします。ドイツでもこれは通じますが、どちらかというと少数派。大半は手を挙げて合図することが多いようです。

ドイツの高速道路ではパッシングの意味にも要注意!

日本だと感謝の意味を込めるパッシングもあります。しかしドイツでは、パッシングは基本的に禁止されています。あくまで相手の注意を向ける目的に使用するもので、ドライバーの意思表示には使いません。

例外としてパッシングが使われるのは、アウトバーン追い越し車線の「煽り」です。ドイツ人は運転マナーも良く、スピードもきっちり守る人が多いのですが、速度無制限のアウトバーンとなると「もしかして、人格変わった?」と思うくらいヒヤヒヤする運転を見掛けます。

欧州でもやはり「車格」を気にします。「追越車線では、大衆車は高級車に道を譲らなければならない」という考えを持っている人も少なくありません。(確かにBMWやポルシェが後ろから追ってくるとスススーッと道が空きます)追越車線を180~200km/hで走っていても、後ろから物凄いスピードで高級スポーツカーが追いついて、ベタ付けされることも多々あります。

走行車線に戻れるスペースがあればよいですが、タイミングを逃した場合、後ろからパッシング攻撃か左ウインカーの点滅を受けます。これはウインカーの消し忘れではなく、「ここが走行車線なら、左に出てすぐお前を抜いてやるのに」という意思表示です。パッシングほど威圧的ではないとされていますが、いずれにしても「早くどけ〜!」という意味合いであることには変わりありませんよね。

そんなときは、こちらも左側のウインカーを出して意思表示しましょう。これは「このクルマを抜いたら、走行車線に戻ります」という意味があります。こういったことがドイツではときどきあるので、追い抜くとき以外は走行車線を走るのが賢明かもしれません。

冒頭で記したように、ウィンカーなどを使う運転時の意志表示というのは国によって捉え方が変わってきます。日本と比べてスピードがまったく違うドイツのアウトバーンでは、瞬時に正しい判断をしないと大事故に繋がるおそれもあります。海外でクルマを運転する場合は、その地域の交通規則やローカルルールを念入りに調べておくことをお勧めします。

[ライター・写真/NAO]

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在独6年目のライター。Current Europe GmbH (ドイツ現地法人)所属。ドレスデン工科大学修士課程を修了し、現在はケルペン在住。2012年よりドイツワイン店に勤務し、日本向けの販売・輸出業に携わる。独英韓中の語学力を活かし、通訳・翻訳家、現地コーディネーター、日本語教師としても活動。現代車にはない欧州クラシックカーの多様性に惹かれ、個人的にロイトとフィアット推し。「本当のドイツをもっと見てほしい」と自動車にまつわる文化・マーケティングを中心に現地情報を発信している。

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