ミハイル・シューマッハの故郷よりお届けする、ドイツ・ケルペンクラシックカーミーティングレポート

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ドイツの4月の天候は気まぐれ。そして5月になってからは、ようやく25度前後の気温が続き、少しずつ夏の気配が感じられる陽気となってきました。オープンカーやクラシックカーでドライブする人たちを見掛けるようになるこの時期は、ドイツ各地でほぼ毎週のようにクラシックカーイベントが開かれるようなるのです。

ドイツでは、テクノクラシカなどの大型メッセ(展示会)だけではなく、小さな街や村でもクルマ関連のイベントが開かれています。去る5月21日、ドイツでは26にも及ぶ地域でクラシックカーミーティングが開催されました。その中でも、今回は筆者の住むケルペン市のクラシックカーイベントをご紹介します。

ケルペンはケルン近郊に点在する人口6万人の小さな街ですが、ドイツ人には知られた場所なのです。なぜならケルペンは、ミハイル・シューマッハの生まれ故郷であり、シューマッハ兄弟が幼少時を過ごした街なのです。

そんなシューマッハ兄弟ゆかりの地、ケルペンのクラシックカーミーティングは毎年5月と8月に開催されます。メッセホールなど大きな会場はないので、街の中央通りを封鎖し、そこにクラシックカーが並びます。


▲ケルペン中央通り。この日は天候に恵まれて会場は盛況!


▲通りに入ってすぐ、1961年製デーカーヴェーのジュニア・デラックスがお出迎え。アウトウニオンの血脈を持つ、アウディの歴史を語る上では外せないメーカーですね


▲なんとその隣には、今年からHナンバー入りした、マツダ626がいました!ちょうど30歳を迎えたということですね。Hナンバーを掲げた日本車を実際見ることができてラッキーでした。そしてケルペンには筆者以外の日本人がいないということもあり、なんだかようやく同郷の人に出会えた心境で思わずほろり


▲そしてドイツ国内人気第1位のケーファー(ビートル)。メタリックブルーのボディは今年塗り直したばかりだそうで、コンディションも極上。つい最近生産終了が報じられたビートルですが、今後はこの個体も、ますます貴重な存在となっていくのでしょう


▲続いて、Hナンバー登録数第2位のメルセデス・ベンツ W123。1980年製オートマ仕様となる240Dです


▲今回はメルセデス・ベンツ率が高かったように思います。W123系では250Sと230CEがそろい踏み!


▲このメルセデス・ベンツ240TDは渋い色味が素敵ですね。ボディ同色のホイールカバーも当時のまま。メルセデス・ベンツ W123は、今クルマに乗る人が子供の頃、彼等の祖父世代が乗っていたことが多かった影響なのか、ドイツでは「おじいちゃんベンツ」とも呼ばれています。一昔は古臭いと皮肉った意味の呼び名でしたが、今ではその家族から譲り受けたものも多く、ビートルに続く人気のクラシックカーとなりました


▲1981年製フォード カプリ2.0Mk3は、丸型4灯式ヘッドライトと大きなエアダムスカートが特徴的ですね


▲イタリア料理店の宅配用に使われていた1970年製フィアット500F。商用車ということもあって内装も含め、3年前にレストアが施された模様。そのため状態は良く、約80万円で売られていました。(残念ながら買い手はいませんでしたが…)


▲1973年製MG B-1800。このクルマは2013年にオーナーさんと南フランスまでドライブ旅行したのだとか。3週間で2600km走行したようですが、エンジン等何も問題なく快適に走れたそうですよ


▲こちらは、1964年製フォード サンダーバード フレアーバーズ。アメ車好きのオーナーさんはこの個体をスイスで購入し、ドイツまで連れて帰ってきたそうです


▲今は週末のみ乗っているとのことですが、総走行距離は80万キロ超えたそうです!


▲ジープ プレストーン44。ミリタリー車もこの種のイベントでは必ず見掛ける存在です


▲このシボレー コルベットはかなりの人気。特に若い男性がこぞって写真を撮っていたのが印象的でした


▲日本でも人気のワーゲンバスとトランスポーターです。どちらもまだまだ現役。今年の夏は、ドイツ北部のオストゼーまでドライブ旅行されるそうです


▲人だかりの中にちょこんと佇んでいたのはBMWイセッタ!初めて実車を見た人も多かったようで、「イセッタだイセッタ!!」と興奮しつつ始まる撮影大会。そして筆者もその内のひとり。こじんまりとした印象とこのキュートさに思わず魅了されました


▲サンバイザーをかけたようなフロントの日よけも可愛らしいですね

今回 、展示車のほとんどが地元ケルペンで走るクルマたちでした。集まっていたのは20台ほどでしょうか。ケルンなどの大都市開催のクラシックカーミーティングは、各都市から100台以上が集まり、エンジン音が響きまくるほどの迫力がありますが、今回はそれとはまた違った雰囲気で楽しめました。来場者の大半が地元住民なので、混雑するほどでもなく、1台ずつゆっくり見られるのもいいですね。通り沿いのカフェに座ってコーヒーを飲んだり、アイスを食べながら…とクルマを眺めている方も多かったです。

チューニングカーやスポーツカーの類いは少数派で、コレクションというより普段使いしているクラシックカーが多かった印象です。そのため、このクルマたちがいかに大切に長い間、生活の一部としてともに過ごしているかが感じられました。フォード・マスタングのオーナーさんが「道の広い田舎だから思いっきり乗れるんだよ」と笑顔で話してくれたように、このケルペンの地でクラシックカー生活を満喫している方もいるようです。

夕方のイベント終了間際、すでに顔見知りであろうケルペン在住のオーナーさんたちが集まって、互いの愛車話や自身の近況に花を咲かせていた様子でした。何しろ小さな街なので、「あ、このHナンバーは〇〇通りにいつも停まってるクルマだ」とか「この人がオーナーさんなんだ」といった出会いもあったり…。「こういった田舎町のカーミーティングもいいじゃない?」とほっこりしつつ、貴重なクルマたちを楽しませていただきました。

[ライター・写真/NAO]

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NAO

在独6年目のライター。Current Europe GmbH (ドイツ現地法人)所属。ドレスデン工科大学修士課程を修了し、現在はケルペン在住。2012年よりドイツワイン店に勤務し、日本向けの販売・輸出業に携わる。独英韓中の語学力を活かし、通訳・翻訳家、現地コーディネーター、日本語教師としても活動。現代車にはない欧州クラシックカーの多様性に惹かれ、個人的にロイトとフィアット推し。「本当のドイツをもっと見てほしい」と自動車にまつわる文化・マーケティングを中心に現地情報を発信している。

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