bb ポルシェ911や、ケーニッヒも!フランクフルト・モーターショーを別の面から楽しむ

  1. ドイツ現地レポ
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2年に1度、ドイツのフランクフルトで開催される世界最大のモーターショーのひとつ、それがフランクフルト・モーターショーです。正式名称は“Internationale Automobil-Ausstellung”、直訳すると「国際自動車展示会」となりますが、ドイツ現地では頭文字を取って専ら「IAA」と呼ばれています。今年のフランクフルト・モーターショーは9月14日から24日まで開催されていていて、世界中から多くの自動車ジャーナリストやファンが訪れています。

フランクフルト・モーターショーは毎回、たくさんの新型車やコンセプトカー、新技術の発表の場になっており、今年は特に自動運転や電気自動車についての技術発表が多くなされました。さすがは自動車技術先進国ドイツ、と唸らされる一方で、過去に目を向けた展示も充実しています。その中から「これは!」という一風変わったクルマたちをご紹介します。

ケーニッヒのコンプリートカーが2台も!

Ferrari 365 BB König Specials
▲Ferrari 365 BB König Specials

強烈なオーラを放つこの個体は、1974年にドイツの名チューナー・ケーニッヒ(König Specials)によって最初に制作された一台です。ベースとなったのはフェラーリ365BBで、エンジンの出力は440psまで高められています。0〜100km加速は3.5秒、最高時速320km/hと、当時としては驚愕の動力性能を誇りました。このクルマの現在の価値は75万ユーロ(約9,975万円)とのこと!日本ではほとんどお目にかかることのない、ケーニッヒが手掛けたフェラーリ。好む好まざるに関わらず、日本のスーパーカー・ファンには強烈なインパクトを残しました。再びコンプリートカーを製作してほしいと願っているのは、きっと日本のファンだけではないはずです。

Jaguar XJ-S König Specials
▲Jaguar XJ-S König Specials

大迫力のオーバーフェンダーに極太タイヤ、巨大なリアスポイラーで武装した、ケーニッヒが手掛けたジャガーXJ-S。フロントグリルに原型の面影が残るくらいで、内装にも大幅に手が入れられています。左ハンドル仕様であることにも注目。貴婦人のような佇まいのジャガーXJ-Sもケーニッヒの手にかかればこの通り、格闘家のような筋肉質なスタイルに変身!

地元フランクフルトの知る人ぞ知るチューナー、bb

bb Porsche 911 Turbo Targa “Rainbow”

フランクフルト・モーターショーの地元、フランクフルト・アム・マインで1973年に創業し、1986年に倒産してしまったチューナー、bb。筆者もミニカーのコレクションや写真でしかその存在を知りませんでしたが、ここまで一堂に会すると圧巻ですね。創業者ライナー・ブッフマンのこだわり抜いたクルマ作りは根強いファンが存在し、ついには2014年にブランドが復活。ここでも紹介する「ムーンレーサー」を発表して今に至ります。

bb Porsche 911 Turbo Targa “Rainbow”
▲bb Porsche 911 Turbo Targa “Rainbow”

bbというブランドを一躍有名にした、1976年製ポルシェ911ターボ・タルガ「レインボウ」。911タルガのボディを使用し、ターボのパワーに耐えられるよう各部を補強。ポラロイド社のコーポレート・カラーである虹色に塗装されて、同社の宣伝に使用されたりと、まさにbbの顔とも言える存在です。現地の人からの注目度もかなりのもの。

bb Porsche 911 Turbo Targa “Moonracer”
▲bb Porsche 911 Turbo Targa “Moonracer”

2014年の9月、bbのブランド復活の際に発表された「ムーンレーサー」と呼ばれるモデルです。先ほどご紹介した「レインボウ」モデルを現代的に再解釈したクルマで、1980年製タルガを基に製作されました。リアのターボ付き空冷6気筒ボクサーエンジンの最高出力は330psを発揮。懐古主義に走りすぎず、中央のコンソールにはタブレット型コンピュータを配するなど、あくまで現代のクルマとして製作されています。ケーゲやシンガーのようなクラシックポルシェを現代風にカスタムする流れは、より一層注目されていくかもしれませんね。

bb Porsche 911 Turbo Targa “Flatnose”
▲bb Porsche 911 Turbo Targa “Flatnose”

一見すると「あれ?」と違和感を覚えるような、不思議な印象を受けるこのクルマ。bbで1980年前後に製造されていた、911ターボ・タルガのフラットノーズです。フロント部分は928からコンバージョンされたもの。エンジンは300psにチューンアップされ、16個にも及ぶスピーカーや特別なステレオシステムを備えたラグジュアリーなモデルです。

bb Mercedes-Benz 500 SEC “Magic Top”
▲bb Mercedes-Benz 500 SEC “Magic Top”

bbが倒産する直前、1984年から1985年にかけて生産されていたメルセデス・ベンツのクーペをカブリオレに改造したモデルです。現代ではハードトップのオープンモデルも珍しくなくなりましたが、当時としては先進的なアイディアでした。シートには虹のカラーリングが施されているのがわかりますね。

力技のボディワークの数々!スタイリング・ガレージのコンプリートカー

Styling Garage Mercedes-Benz 500 SEC Gull-wing
▲Styling Garage Mercedes-Benz 500 SEC Gull-wing

スタイリングガレージ(以下SGS)は1979年にハンブルクで創立され、先ほどご紹介したbbと同様、1986年に倒産してしまいました。特にボディワークに定評がある会社で、その中で特に有名だったのが、このガルウイング改造でした。生産台数はわずかに50台前後と言われています。日本にもごく少数が上陸したとのことですが、現存する個体はあるのでしょうか?

Styling Garage Mercedes-Benz 190
▲Styling Garage Mercedes-Benz 190E

緑のボディカラーが美しい、この190EもSGSが手掛けたモデルで、一見特に変わった点はないように思います。しかし、よく見るとルーフが幌になっていて、運転席頭上までオープンになるようになっています。横から見たら全く気が付かないほど巧妙に作られたこのモデル、いかにも太陽が好きなドイツ人が作ったという雰囲気で、個人的にはとても気に入りました。

まだまだある!希少なヒストリックカーたち

Porsche 914/6

Porsche 914/6
▲Porsche 914/6

個体の前に据え付けられた案内板によると、1970年製ポルシェ914/6ということなのですが、ノーズは911タイプのフラットノーズにビッグバンパー、大きく張り出したオーバーフェンダーにターボタイプのリアスポイラーと、かなり大幅な改造が施されていて、ほとんどオリジナルの面影がありません!

De Tomaso Pantera GT4
▲De Tomaso Pantera GT4

イタリアのスポーツカー・メーカー、デ・トマソ。フォードのエンジンを搭載した、アメリカ・イタリア合作のスーパーカーがパンテーラです。ここにご紹介するのは1974年にごく少数のみ(一説によれば6台)が生産されたGT4で、大きく張り出したオーバーフェンダーと極太タイヤがただならぬ雰囲気を漂わせています。グループ4のホモロゲーション・モデルで、エンジンの出力は500psオーバーという怪物マシン。公称の最高速度は331km/hと発表されていました。漆黒のボディが凄みを感じさせます。

以上、フランクフルトモーターショーで見かけた珍しいクルマたちをご紹介してきました。最新のクルマのみならず、こうした過去のクルマたちも展示したり、紹介したりすることで、クルマとクルマを取り巻く社会が今後どのように変わっていくのか考える、とてもよい機会になっていると思います。これからの10年や20年で、私たちとクルマと社会の関係性が大きく変わっていくことは確実です。ケーニッヒのような過激なチューナーはなかなか活躍しにくい世の中になっていくかもしれませんが、一方でクラシック・ポルシェを現代風に蘇らせるケーゲのような会社や、クラシックカーをEV改造するメーカーも出てきており、チューニングや改造車業界も大きく変わっていくことでしょう。私たちは今まさに、その転換期に差し掛かっているのです。

[ライター/守屋健 カメラ/ドイツ駐在員]

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守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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