小さなホットロッドでベルリンを駆け抜ける!刺激的な「ホットロッド・ツアー・ベルリン」体験記

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筆者が子どもの頃、ある夢がありました。それは「遊園地のゴーカートで道路を走ってみたい」というもので、結局日本では叶えられることはなかったのですが、何十年か越しにドイツの首都・ベルリンで実現できることになりました。

もちろん、遊園地のゴーカートそのものではないのですが、必要最低限の保安部品だけを取り付けた小さな「ホットロッド」でベルリンの街を駆け抜けるという、その名も「ホットロッド・ツアー・ベルリン」に筆者自ら参加してきたので、今回はその様子をレポートしたいと思います!

コースは120分と80分の2種類

ベルリンのフリードリヒスハイン区。ベルリンが東西に分断されていた時代は東ドイツに属していたエリアで、古い建物をリノベーションしたレストランやバー、そしてナイトクラブが密集する、国際色豊かな、若者に人気の街として知られています。「ホットロッド・ベルリン・ツアー」の本拠地もクラブが立ち並ぶエリアの一角にあり、グラフィティ風の装飾が施されたガレージはまさにこのエリアならでは!といった雰囲気です。

ツアーの予約はとても簡単。公式サイトから2つのコースと時間帯を選ぶだけ。支払いもネット上でカード決済ができます。用意されているコースは120分・99ユーロ(約11,800円)のコースと、80分・77ユーロ(約9,240円)の2種類。120分コースの出発時間は12:30、14:45、17:00、19:15、21:30の5回で、80分コースの出発時間は9:30と11:00の2回となっています。21:30出発の回に参加すると、戻ってくるのは23:30!という、日本ではありえない時間に…。ベルリンでは珍しく、予約さえすれば月曜日から日曜日まで毎日営業しています。

ツアーは開催シーズンが決まっていて、3月頭から11月末までとなっています。利用者が少なくなる11月の後半には、割引価格として120分コースが77ユーロ、80分コースが55ユーロまで値下がりしていました!

ツアーの最小催行人数は2人。最小催行人数に満たない場合は、ツアーの方から他の時間帯へ変更できないか、確認のメールが届きます。今回、筆者が予約したのは80分コース・9:30からの回でしたが、「9:30に予約したのはあなただけです。11:00に変更できませんか?」というメールが届いたので、特に予定のなかった筆者は11:00に変更。出発20分前にガレージへと向かいました。

全長たった2.1mの小さなホットロッド

参加にはいくつかの条件があります。ドイツで運転可能な免許証の携行、身長2m・体重130kg以下、靴底が丈夫な靴の着用(スニーカーでOK、サンダルは不可)の3点です。ヘルメットや目出し帽は無料でレンタル可能ですが、グローブの貸し出しはないので注意してください。対応している言語はドイツ語と英語で、筆者の拙いドイツ語力でもコミュニケーションは可能でした。

今回搭乗したホットロッド。ホットロッド・ツアー・ベルリンでは、車体に広告を載せるサービスも行っており、頻繁にボディパネルのデザインが変わります。筆者が搭乗した日の広告主はウェアラブルカメラで有名な「GoPro」でした。

ホットロッドのスペックは、全長2,100mm、全幅1,120mm、全高810mmというごく小さな車体に、単気筒4ストローク170ccで13.6psを発生するエンジンをミッドシップに搭載。鋼管で組まれたフレームに簡素なシートが取り付けられていて、オートマチックトランスミッションにより最高速は88km/hに達します。サスペンションと呼べるものはなく、もちろんステアリングやブレーキもパワーアシストなし!という潔い仕様です。ベルリンの悪路をこんなプリミティブな仕様で80分も走れるのでしょうか?一抹の不安が募ります。

丁寧な搭乗前のブリーフィング

受付でヘルメットの受け取り、免許の確認などを済ませた後は、外で早速ブリーフィングの開始です。交通規則を守ること。歩行者や自転車、電動キックスクーターの動向には特に注意を払うこと。信号待ちでチームが分断された場合は慌てずにゆっくり合流すること。エンジンストップ、その他のトラブルがあった場合は手を上げてガイドに知らせること。ガイドは走行中、大きな段差や注意すべきポイント、停車時、右左折時に手で大きくサインを出すので、よく見ていること。そうした注意事項を確認した後は、運転操作の説明に入りました。

エンジンの掛け方。サイドブレーキ、トランスミッションレバーの位置。ウインカーの操作方法。なんと、シートベルトはありません。他の参加者もガイドに「ベルトはないのか?」と聞いていましたが、「バイクと同じです。バイクにもベルトはないでしょう?だからヘルメットを被ります」との返答。クラクションは絶対に歩行者・自転車に対して鳴らさないで!との注意を挟みつつ、今度は実際に乗り込みます。

今回のツアー参加者は3人。ガイドを含め4人で隊列を組んで走行します。一番手前で乗り込んでいるのが筆者ですが、全員かなりの厚着です。それもそのはず、この時点での気温は5℃しかありません。右奥に見える、ガレージ内のメカニックは半袖Tシャツ姿ですが…。

習熟走行後、いよいよ公道へ!

エンジンをかけ、サイドブレーキを解除し、ミッションをドライブポジションに入れ、スルスルと走り出します。最初は敷地内で習熟走行を5分ほど行いました。アクセルは右足、ブレーキは左足というカートそのもののペダルレイアウトで、ステアリングもペダルもとにかく重い!筆者は笑っているように見えますが、これ、実はかなり不安に駆られています。急ブレーキのテスト、ウィンカーやライトの確認をしたら、さあ出発です!

ガイドについていきますが、とにかく揺れる!普通のクルマで走っても、ベルリンの道の悪さには閉口するのですが、こんな小さなホットロッドではなおさらです。リアに積まれたエンジンが170ccしかないとは思えないほど勇ましい排気音を放つ中、重たいステアリングと格闘します。

低い車高のおかげで、体感速度はかなりのもの。シャシーは意外なほど剛性が高く、路面に揺さぶられても全く動じず、ミシリとも言いません。操作系の重さにも慣れてくると、後はどんどん楽しくなってきます。イーストサイドギャラリー、テレビ塔、ハッケシャーマルクト、フリードリヒ通り駅、ジャンダルメンマルクトなどの観光名所を次々と回っていきますが、無線での解説や停車しての案内などはなく、ただひたすらストイック走るだけ!ベルリンの地理に少し慣れた人向けのツアーかもしれませんね。

ベルリン以外でも体験可能

道での注目度は抜群で、多くの人々にカメラと声援、そして笑顔を向けられながら、80分のツアーはあっという間に終了。シートベルトがない、操作系が重いなどの不安要素はありましたが、この小さなホットロッドから見るベルリンの景色は新鮮で、新たな発見がたくさんありました。

一方で、乗り心地のハードさはかなりのもので、ホットロッドを降りたみんなが開口一番発したのが「お尻が痛い」。かなり寒かったということもあって、筆者の手はごわごわになってしまいました。それでも、一言でこのツアーを言い表すのであれば「最高に楽しい」になるでしょう。春や夏といった過ごしやすい時期に参加すれば、忘れられない思い出となるに違いありません。

ホットロッド・ツアーはベルリンだけでなく、デュッセルドルフ、エッセン、コブレンツ、そしてオーストリアのウィーンの各都市でも開催されています。興味のある方は、ぜひコンタクトを取ってみてくださいね。それではまた!

ホットロッド・ツアー・ベルリン
公式サイト:https://www.hotrod-tour-berlin.com

[ライター・カメラ/守屋健]

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守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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