見た人全てを虜にする!可愛らしいデザインのフィアット・ヌォーヴァ500がドイツで愛される理由とは

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ドイツの都市部では駐車スペースが足りない!以前CL CARSに掲載された記事(2018年4月27日掲載:想像以上に過酷なドイツの駐車事情。ドイツ暮らしならではのクルマ選びとは)でも紹介されていましたが、筆者の住むドイツの首都・ベルリンの状況も同じく、街の中心部で駐車スペースがスムーズに見つかることはまずありません。

そんな中、ちょっとしたスペースを見つけてはサッと素早く駐車したり、小回りを利かせて小動物のように走り回る小さなクルマたちがいます。今回ご紹介するのは、ドイツでもおなじみの超小型車、フィアット・ヌォーヴァ500です。

全長3m弱、全幅1.3mのボディに大人4人が乗車可能

ドイツでの駐車スペースといえば、ほとんどが路上駐車で、日本のような大規模なパーキング施設を見かけるようなことはまずありません。そんな状況の中で有利なのが、やはりとにかく小さいクルマです。日本ではあまりパッとしない人気のスマートも、ここドイツの都市部においては大人気。全長の短さと小回りの良さを生かして、わずかな隙間にも軽々と駐車していきます。

スマートの場合、縦列駐車すらできないような狭いスペースでも、全幅よりもわずかに大きいスペースがあれば、道路の進行方向に対し90度回転させて駐車してしまうという「猛者」すら存在します。後輪2輪を歩道に乗せ、ノーズを道路に向けて止めるスマートを初めて見た時は、さすがに呆然としたものです。

フィアット・ヌォーヴァ500は、スマートほど前後方向にコンパクトな車体ではありませんが、全長は2970mmと3mを切り(現行スマートは2755mm)、全幅も1.3mをわずかに超える程度(現行スマートは1655mm)で、年々大型化していく現代のクルマたちから比べると「超」が付くほどの小型車ですね。

トランクスペースはほとんどないものの、小さなボディに大人4人がなんとか乗車できるスペースを盛り込んだことは特筆すべきでしょう。先述したような「進行方向に対して直角駐車」のヌォーヴァ500を見たことはありませんが、小さな駐車スペースをものともしない取り回しの良さは、都市部での運転が多いオーナーたちに重宝されている様子です。

騒音対策のために採用されたキャンバストップ

ヌォーバ500が、あまりに空冷2気筒エンジンの室内騒音が大きかったために、その音を逃す対策としてキャンバストップを選択したことはよく知られています。シトロエン2CVも同様の理由でキャンバストップが採用されていますが、このキャンバストップがドイツ人にとって大の好物!春・夏の間にとにかく日光を浴びたいドイツ人にとって、キャンバストップのクルマやフルオープンのカブリオレは、気分を高めてくれる「最高の相棒」なのでしょう。実際、街中で見かけるヌォーヴァ500の多くが、キャンバストップを開け放って気持ち良さそうに走り回っています。

日本ではネックとなる「エアコンがない」という問題も、気温と湿度が低いドイツではあまり問題になりませんし、寒冷地でも始動性が良いヌォーヴァ500の空冷式のエンジンは、ドイツの風土にもぴったりとマッチ。考えてみれば、ドイツの代表的大衆車「フォルクスワーゲン・タイプ1」とは、RRという駆動方式や空冷エンジンという点でも共通点がありますね。

日本でも国民的人気キャラクターの愛車として知名度が高いヌォーヴァ500ですが、ここドイツのクラシックカーイベントでも、小さなアイドル的存在として高い人気を誇っています。何より、街中で見かけた人々が思わず笑顔になってしまうような可愛らしいデザインは、現行フィアット500が登場した今でも全く色褪せていません。

老若男女問わず、みんなから愛されるキャラクターを持ったヌォーヴァ500は、これからも長きに渡ってヨーロッパの路上をトコトコと走り続けてくれることでしょう。

[ライター・カメラ/守屋健]

守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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