ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

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「ドイツじゃやっぱり毎日ソーセージとビールなの?」と筆者も日本の友人からよく聞かれるこの質問。「ビールとソーセージの国」の印象が強いドイツですが、もちろんそれだけではないんです!ドイツという国を覗いてみると、美味しいものはもっと沢山あるのです。そんな心の思いを伝えるべくこれから様々なドイツの食文化についてご紹介していきますが、記念すべき第一弾はファストフード。なぜ最初にこのテーマを選んだかと思うかもしれませんが、ドイツ人の大好きな「合理的」が、このファストフードには詰まっているのです。ドイツのファストフードって?日本とはどう違うの?など食文化を通して色々な目線で「ドイツ」を見ていきましょう!

日本との違いは?インビス文化のドイツ

ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

時間がないとき、リーズナブルにササッと食事を済ませたいとき、小腹を満たしたいとき…そんなときに便利なのがファストフードですよね。全世界共通でファストフードは「早い」「安い」「おいしい」の三拍子が売りだと思います。日本で「ファストフード」と聞くと、まずハンバーガーや牛丼などのチェーン店を思い浮かべるのではないでしょうか?店内で椅子に座って食事をしたり、自宅に持ち帰ることも多いですよね?ドイツのファストフードは基本的に「買ったらその場で食べる」ことが多いです。ドイツでも大手ハンバーガーチェーン店など普及はしていますが、値段はお高めの設定。(地域によって差はありますが、セットで800円~1200円ほど)

それよりももっと安く手軽に食べられる場所、それが「インビス」です。インビスというのは軽食スタンドの意味で、日本で言えば屋台のようなイメージ。ドイツの街を歩けば至るところにインビスがあり、その場で買って外で食べることができます。日本のような屋内飲食スペースが用意されているところはあまりなく、テーブルだけがお店の前に置いてあって立って食べるか、路上で買って歩きながら食べたりすることが多いです。

ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

大通りにある屋外インビス。ショッピング街の中にもインビスはあり、買い物帰りにでも気軽に楽しめます。そして大体ビールも置いています。こちらの写真のインビスはジョッキビールまで飲めちゃいます。

売られているものはソーセージからクレープ、アジア風焼きそばまで様々。しかし共通して言えることは「ワンハンド」。ナイフやフォークを使わず、歩きながらでも片手で食べられるものが多いです。日本はファストフードと言えど、立ち食い蕎麦や丼もので量も一食分でしっかり「食事」としてカウントされると思います。ドイツはそれより小腹を満たす「スナック」という感覚で、仕事の合間にインビスでササッとすぐに空腹を満たす。立ち食いだから長く居座ることなく、食べ終えれば立ち去る。日本人の筆者にとっては未だ一人で歩きながら食べるのは結構勇気がいるものなのですが、ドイツ人はお構いなし。スーツを来たサラリーマンも、買い物帰りのおばさまも、皆平気な顔して大通りでパンを頬張っています。これがドイツ流「ファストフード」なのです。

これがドイツの三大ファストフード!

インビスは「軽食スタンド」の総称なので、もちろん様々な種類のインビスがあります。一体どんなものが人気なのか?ドイツでもポピュラーなインビスフードをご紹介しましょう!

1.ソーセージ

ドイツといえばやはりソーセージ!レストランで注文するより、インビスでソーセージは食べるもの!ドイツに来られたことがある方は、道端でソーセージを売っているところを沢山見たかと思います。大体移動販売しているか、精肉店が店の前で売っている場合が多いです。調理法は焼きと茹でがありますが、ソーセージの種類は地域によって異なります。ドイツ東部や中部では「チューリンガーソーセージ」と言って長くてハーブの入った焼きソーセージ。フランクフルトでは細長い「フランクフルターソーセージ」を茹でて食べます。ベルリンでは皮なしの柔らかいソーセージを輪切りにしてカレーケチャップをかけた「カリーヴルスト」が有名です。ほとんどのソーセージにはパンが付いてきて、ケチャップとマスタードは自分でかけるスタイルが多いです。

ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

ショッピングモール地下、食品街にあるインビス。精肉店が自身の商品を焼いて売っています。お肉屋さんで買うソーセージはまずハズレなし!

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ベルリン名物のカリーヴルスト。このソーセージの付け合せはフライドポテトが多いです。揚げたてを出してくれるのでそれもインビスの良いところ。

2.ケバブ

こちらも有名ではないでしょうか?元々は大きな塊肉を削ぎ落して食べるグリル料理「ケバブ」はトルコ料理ですが、パンに全部挟んでワンハンド式にした「ドネルケバブ」は実はドイツ・ベルリン発祥なのです。レタス・玉ねぎ・キュウリ・トマトのたっぷり野菜と大量のケバブ肉。その上にチリソースやニンニクの効いたタツキと呼ばれるソースをかけていただきます。すさまじいボリュームですが、美味しくて何度もリピートしたくなってしまいます。ケバブ屋はソーセージインビス以上に街の至るところにあって、深夜まで営業している見せも多いので、飲んだ帰りに食べたりする人も多いです。野菜が豊富で栄養もあって、なにより3ユーロ前後と安い!ドイツに来たら必ず食べてほしい一品です!

ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

こちらはドネルケバブ。ドイツ東部はピタパンのようなものに挟んでいるのが多いのですが西ドイツはハンバーガー風のバンズに挟んでいる

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これはトルティーヤ生地で巻いているドゥルムケバブ。こちらの方が断然食べやすそうですね…。

3.アジア風焼きそば

ドイツ人に大人気。アジア料理といえばこの焼きそばでしょ!というドイツ人がたくさんいます。我々からすれば日本のソース焼きそばでもない、中華焼きそばでもない…どのアジアの国に当てはめていいのか謎なのですが、ベトナム人が経営していることが多いです。レストランでも食べられますが、インビスだと「ヌードルボックス」と言って日本のカップめんのような長細いカップに取っ手が付いていて持ち運びができる仕様になっています。もやしや人参などの野菜が入っており、味付けはシンプルに醤油だと思われます。持ち帰りメニュー表。春巻きや鴨肉のから揚げトッピングがポピュラー。

ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

番外編:ランゴス

こちらも是非筆者がおすすめしたいドイツで食べるファストフードです。ランゴスというハンガリーの料理なのですが、インビスでもよく見かけます。

ドイツはファストフード天国だった!? ドイツの食事情「ファストフード編」

ピザに似た生地を油で揚げてそこにサワークリームやハム、チーズをかけて食べるもの。注文してから揚げてくれるもちもちの皮がとても美味しく、日本人好みな食感と味です。

以上、ドイツの代表的なファストフードをご紹介しました。印象的なのは、異国の食を取り入れて自国流にアレンジしているところ。なんだか日本と似ていますね。他にも食べやすい大きさに焼いたピザパンや、日本人には嬉しい魚専門のインビスがあったり、そこでは魚のフライバーガーやお寿司まで食べられます。ドイツと聞けばソーセージだろうと思ってしまいますが、実はこんなにも多様なドイツ流ファストフードがあるのです。

ドイツも最近になってショッピングモール内にフードコートスタイルが増えてきましたが、客層はやはり中高生の若者たちが多い印象です。筆者も一度それぞれ好きなものを選んで食べられるなら、とドイツ人とフードコートで食事をしたことがありますが、場所代というのかインビスと同じような料理でも値段はやや高い設定で、さらに一から料理が出来上がるまで10分以上待たなければならず友人はややうんざり顔。筆者が行ったそのフードコートもドイツ人には受けなかったのか、開業2年も満たずに撤退する結果になってしまいました。「お腹を満たす」なら「食べる」だけ。仕事や予定の合間のわずかな時間で料理をダラダラと待ってテーブルについて食べるよりは、スタンドですぐに出てきたものをささっと胃に入れる。無駄を嫌う合理主義なドイツ人にとっては「インビス」というファストフード文化は、彼らのライフスタイルにうまく合っているものなのではないでしょうか。

[ライター/NAO]

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在独6年目のライター。Current Europe GmbH (ドイツ現地法人)所属。ドレスデン工科大学修士課程を修了し、現在はケルペン在住。2012年よりドイツワイン店に勤務し、日本向けの販売・輸出業に携わる。独英韓中の語学力を活かし、通訳・翻訳家、現地コーディネーター、日本語教師としても活動。現代車にはない欧州クラシックカーの多様性に惹かれ、個人的にロイトとフィアット推し。「本当のドイツをもっと見てほしい」と自動車にまつわる文化・マーケティングを中心に現地情報を発信している。

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