「自動車業界は男の世界」は過去の話?ダイムラーの女性進出サポートがドイツのリケジョに大人気!

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ここに書くのは非常に恥ずかしいのですが、筆者は学生時代から自動車とはまったく無関係なド文系の世界で生きてきました。

・・・と言いつつ、ドイツでは「工科」大学の文系学部へ進学。工科大学というだけあって、私の専攻学科は遠く離れたキャンパス、専攻を言えば「なんでお前こんなとこいるの?」という顔をされたり、工学部の勢力に押しつぶされそうになりながら、肩身の狭い思いをしてきました。

工科大学に在籍していたからという理由もありますが、学生時代にできた友達は女性もみな理系でした。中でも機械工学と電子工学の学生が多く、日本では少数派のリケジョも、ここでは山ほどいました。では、なぜ工学を学ぶ「女子」が多いのか?その理由として、文系よりはるかに就職しやすいことが挙げられます。

大学時代の専攻科目が将来の職種になるドイツでは、日本のように就活時に自由に職種を選ぶことはできません。即戦力としてその分野で働ける知識と実績が条件なのです。となると、在学中は長期インターンシップ必須、企業の元で実験や論文を書いて経験を積める理系が理想で、特に機械や電子工学は自動車大国ドイツの大手メーカーの需要がとても大きいので、女性もその道へ進むことが多いのです。

筆者の友人たちも、卒業間近になると皆インターンシップ先の街へ引っ越していきました。そこで卒業研究をし、そのまま自動車メーカーに就職した友人が数人いました。聞いてみると、勤め先はVWやダイムラー、ミツビシ…。「はえ~理系さんは凄いねえ…。私もベンツで働いてました!」などと言ってみたいなあと思いつつ、山積みの本のに囲まれ、ガリガリ論文を書いていた2016年の夏・・・。

さてさて、前置きが長くなってしまいましたが、理系女子学生といえどやはり自動車業界で働くということは少し戸惑うようです。世間でも女性の少ない業界というものがあって、自動車もその1つと言えるのです。比較的男女差が少ないドイツでも、自動車業界はまだまだ男の世界というイメージが強いです。

ですが、ここ最近ドイツの自動車メーカーでは積極的に技術部門へ女性社員を採用する試みをしています。特にダイムラーは女性限定インターンシップや催しを定期的に行っていて非常に人気が高く、友人たちも応募していたのを思い出しました。代表的なのは大学生・卒業者向けの「Daimler Women Days」、高校生までの女子学生を対象とした「Girls’Day」と呼ばれるプロジェクトです。


(ダイムラー公式サイトより)

「Daimler Women Days」は一番ダイムラーグループ企業就職が近い採用プロジェクト。参加条件は、大学(院)で電気・機械・建築・自動車工学を学んでいる女子学生であるということ。(またはその学部の卒業者)応募率が高いので、毎年抽選になりますが、運よく当選した学生は、2日間のDaimler Women Daysに参加できます。当日はダイムラーの上層部による聴講授業、開発エキスパートとの意見交換会、メルセデスベンツ・テクノロジーセンターの見学などがあります。他にもダイムラーの高級車の試乗や、電気自動車のドライブ体験など様々です。最終日の意見交換会では、いかにダイムラーで自分のキャリアを伸ばしていくかのアイデアを持ち寄り、意見が採用されればここから直接本社または国際研修プログラムにエントリーできるというもの。


(ダイムラー公式サイトより)

このようにダイムラーでは、女子学生たちに積極的に自動車業界への就職チャンスを呼び掛けています。商品開発や技術研究の分野まで女性が関わるのも、この業界ではまだ珍しいことなのかもしれません。他にもBMWは、女性雇用率を引き上げるなどして、女性エンジニアの獲得を増やしています。といっても女性の役員進出率はまだまだ低いですが、日本と比べると3倍も高い結果になっています。特に自動車業界のような「Männersache(男の仕事)」と呼ばれる分野で雇用改革をするには、企業の自主性がカギとなります。ダイムラーは早速実行に移し、同社初となる女性取締役員を迎え、これが同業界でも女性進出のきっかけになったと言われています。ダイムラーがDaimler Women Day’sで掲げるように、ドイツの自動車業界もこれからは「This is a man’s world? Is it?! No, of cource not!」な風潮に変わりつつあるのかもしれません。

[ライター・写真・画像/NAO]

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在独6年目のライター。Current Europe GmbH (ドイツ現地法人)所属。ドレスデン工科大学修士課程を修了し、現在はケルペン在住。2012年よりドイツワイン店に勤務し、日本向けの販売・輸出業に携わる。独英韓中の語学力を活かし、通訳・翻訳家、現地コーディネーター、日本語教師としても活動。現代車にはない欧州クラシックカーの多様性に惹かれ、個人的にロイトとフィアット推し。「本当のドイツをもっと見てほしい」と自動車にまつわる文化・マーケティングを中心に現地情報を発信している。

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