画期的なカーシェアリングサービス「drivy」!個人のクルマがアプリのみ、対面なしで貸し借り可能。ヨーロッパで急拡大中

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日本において、コインパーキングなどで頻繁に見かけるようになったサービス、カーシェアリング。自家用車でもなく公共交通機関でもない、新しい「クルマの使いかた」は、都市部を中心に少しずつ浸透してきています。

ヨーロッパでは、自家用車の使用を抑制して都市の渋滞緩和に貢献したり、環境問題対策の観点から排気ガスの排出量を減らしたりする方法のひとつとして、1980年代からカーシェアリングが発展してきました。

今回ご紹介する「drivy」は2010年にフランスでスタートし、2014年にドイツでもサービスが開始された比較的新しいカーシェアリングサービスです。今、かなりの勢いでヨーロッパに広まりつつある「drivy」、その特徴をレポートしていきます!

あまり使っていないクルマを有効活用!

せっかくクルマを買ったのに、日々の仕事が忙しくてなかなか運転できない…。そんな悩みを抱えた経験はありませんか?ある調査によると、いわゆるサンデードライバーの月間車両使用時間は8時間程度とも言われており、それ以外の時間はただ停めているだけだと考えると、ちょっともったいない話ですよね。

「その、あまり使ってないクルマを使って、お金を稼ぎませんか?」

そう謳って、個人が所有するクルマをカーシェアリング用のクルマとして登録し、他者にも使ってもらおうというサービスが「drivy」です。

https://www.drivy.de/

「drivy」は個人所有のクルマのカーシェアリングサービスで、スマートフォンのアプリから気軽にクルマの検索、予約、支払いが可能です。

クルマを借りる方法にはふたつあります。ひとつは、クルマを借りるときと返すときに、クルマの所有者とドライバーが直接対面して手続きをする方法。これは、日本の個人所有のカーシェアリングでも一般的に行われていますね。

ふたつめの方法、こちらが画期的なのですが、所有者とドライバーが対面することなく、アプリ上の操作だけでクルマを解錠し、貸し出しと返却を行ってしまうという方法です。クルマの所有者は、クルマの貸し出し時や返却時にわざわざクルマを停めてある場所まで行く必要はありません。

しかしこの場合、どうやってクルマの鍵の解錠・施錠を行なっているのでしょうか?その秘密は「Drivy Open Box」と呼ばれるデバイスにあります。

個人所有のクルマを無人で貸し出し可能!

「drivy」で貸し出しを行いたい、というクルマの所有者は、まず「Drivy Open Box」を自分のクルマに取り付けるか否かを問われます。取り付けない場合はひとつめの方法、つまり対面のみの貸し出し・返却となります。このデバイスを取り付ける場合のみ、無人での貸し出し・返却が可能となるのです。

「Drivy Open Box」は、イモビライザー、スマートフォンとリンクした解錠・施錠機能、燃料や距離のチェック機能などが一体となったデバイスで、毎月の使用料は29ユーロ(約3,500円)かかるものの、最初の3ヶ月間のテスト期間と、取り付けに関する工賃はなんと無料!クルマへの取り付け作業自体は1時間半程度で終了し、メールのやり取りで作業予定日を決定します。

クルマへの取り付け条件もいくつか存在していて、

・2009年以降に登録されたクルマで、走行距離15万km未満であること
・無料駐車スペースに停められていること
・モバイルインターネットのエリア内であること
・ドイツの場合、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルン、デュッセルドルフにクルマがあること
・「drivy」ステッカーの貼り付けに同意すること

などが定められています。

ちなみに、「Drivy Open Box」を取り付けたクルマの方が圧倒的に人気が高く、取り付けたクルマのオーナーの収入は、取り付けていないオーナーの収入の3倍稼ぐ、との統計が出ています。ドイツに住む人もシャイな人が多いので、無人でクルマの貸し借りができたほうが気楽でいいのかもしれませんね。

ホームページ上の試算によれば、ベルリンで2016年式のフォルクスワーゲン・ゴルフに「Drivy Open Box」を取り付けて貸し出しをした場合、毎月680ユーロ(約8万2千円)の収入になるとのこと!もちろん、デバイスの取り付け後も、オーナーは自由に運転できます。

現在7カ国で利用可能!

クルマを借りる場合、まずはアプリ上でクルマの予約の申請を行います。クルマのオーナーがスケジュールとドライバーのプロフィールを確認し承認のプロセスを行うと、予約が確定します。クルマの解錠前には、クルマを異なる角度から8枚、写真撮影をしなければなりません。

解錠後は、「Drivy Open Box」が自動的に距離と燃料をモニタリング(一部未対応の車種もあり)。クルマの返却前に使用前と同程度の燃料状態まで給油し、再び写真を8枚撮影して終了です。写真撮影は事故対策として行われているもので、撮影しないかぎり解錠・施錠はできません。また、燃料を給油しないまま返却した場合、改めてドライバーに燃料代が請求されます。

保険については、ヨーロッパでも有数の金融・保険会社であるアリアンツが全面的にサポート。大きな事故などの万が一の事態から、包括的な保険でドライバーとオーナーを守ってくれます。

日本でも浸透してきたカーシェアリングですが、無人で貸し借り可能なのはカーシェアリング専用車のみ。「drivy」のように、個人のクルマを無人で貸し借りできるサービスは、今のところ存在しません。

「drivy」は今やフランスとドイツだけでなく、スペイン、オーストリア、ベルギー、イギリス、アメリカの7カ国で展開され、1万1千台以上が登録されている、世界有数のカーシェアリングサービスに成長しました。

日本では、駐車場所やプライバシーの問題、デバイスの取り付けなど、「drivy」もしくは同様のサービスの普及には高いハードルが待ち構えているのは想像に難くありません。しかし、今後のマイカー事情、都市部の渋滞解消、なにより環境負荷の低減を考えると、「次の一手」が必要になる時が来るはず。日本でも、あっと驚くようなカーシェアリングの登場に期待したいですね!

[ライター・カメラ/守屋健]

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守屋 健

鹿児島県出身。幼い頃、歯医者の待合室で偶然手に取った自動車図鑑、それに載っていた緑のポルシェ911ターボ(930型)に衝撃を受け、「将来必ずこのクルマに乗る」と決意するも、今日まで実現には至らず。1993年シーズンのDTMや1995年のル・マンでヨーロッパへの思いを募らせ、念願叶って現在はベルリンに居を構えるフリーランスのライター。自他共に認めるドイツ好きだが、何の因果か現在までの愛車はカングーやルーテシアといったフランス車ばかり。

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