クルマの変態はお盆の帰省もとことん楽しむ。 家族サービスと趣味活動を両立する「エクストリーム帰省」を実践せよ!

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お盆の期間中は、どこも混雑や渋滞に見舞われて、普段以上に疲れてしまった人が多いはず。帰省というと家族サービスがつきものであり、献身的な奉仕を続けた結果、心身ともに疲れ切ってしまう場合も少なくないでしょう。しかし、趣味活動について妥協を許さない変態系クルマ好きにとっては、そんな帰省のタイミングでさえも、自分の楽しみの時間を捻出するチャンスと捉え、粛々と趣味活動を行っています。むしろ、そういう時間を積極的につくることにより、帰省という年中行事を楽しいものにしているのです。

読者の皆様のなかにも、出勤前にスポーツやビジネスセミナーなどの朝活を行ってから通常通り出勤する、「エクストリーム出勤」を実践している方がいらっしゃることでしょう。それと同様に、帰省時においても自分の趣味の時間を捻出する「エクストリーム帰省」を行うことができます。そこで今回は、筆者がこの夏実行した「エクストリーム帰省」についてご紹介します。

趣味のクルマは温存し、移動は電車で

クルマ好きであれば、自分のクルマで帰省するのが当たり前。クルマを持っているのにわざわざ公共交通機関を使うなんてナンセンスそのものでしょう。しかし、筆者の場合はいわゆる「足グルマ」がなく、手元には1986年式のシトロエン BX 4TCが1台あるのみ。しかもそのクルマにはエアコンが付いていないため、夏場の移動はもっぱら電車となります。

北沢 剛司 カレントライフ

とはいってもクルマがないと不便なので、今回は実家の最寄駅でレンタカーを借りることにしました。しかし、お盆の真っ最中に当日クルマを探すのはさすがに難易度が高く、乗用車はすべて予約が埋まっていました。そこで発想を転換して商用車を調べてみると、お盆の時期に商用車を借りる人は稀だったようで、ライトバンのトヨタ・プロボックスが空いていました。リアシートの乗り心地は決して良いとはいえないものの、長距離の移動でなければ問題ないと判断して即予約。こうして、渋滞とは無縁のまま実家にクルマで乗り付けることに成功。エアコンが良く効いて運転もしやすいトヨタ・プロボックスで、バッティングセンターやショッピングセンターなどをまわり、帰省日初日を快適に過ごしました。

夫婦でwin-winな時間を過ごすには

初日の夜に妻を自宅に返し、私の実家には筆者と息子の二人で泊まることにしました。これはいつも家事に追われている妻に自由な時間をつくることで、リフレッシュしてもらいたいというのが表向きの理由。裏の理由は、私自身の趣味活動の時間をしっかり確保するためです。実家に帰省してからは、息子が寝た後に自分の部屋でミニカーなどの整理をゆっくり行っていました。

ところでクルマ好きの方々の場合、自宅に送られて妻に見つかるとマズい商品は、実家に送ることも多いでしょう。あるいは1人1個などの個数制限のかかっている人気商品の場合、実家の住所と名義を使って複数購入をしている人も少なくないはず。日々、そのような地下活動を行なっている者にとって、正月やお盆の帰省はまさにビッグイベント。実家を受け取り先にしたまま現物を確認していない商品などを開封する格好の機会でもあるのです。筆者の場合、今回の帰省のおかげで数ヶ月前に注文した商品と初対面を果たし、新鮮な感動を味わいました。

家族が寝ている間に趣味活動を満喫

トヨタ・プロボックスのレンタカーを借りた時点で、計画していたことがひとつありました。それはミニカーが入った巨大な段ボールを自宅から実家に運搬することです。コレクターにとって、購入したアイテムの保管場所は悩みどころ。特にミニカーの場合、飾る場所がないと段ボールに入れたまま保管することになりがちです。特に最近は1/18スケールの大きなミニカーが増えてきたこともあり、油断していると部屋の中がすぐに段ボールで埋まってしまいます。そこで定期的に実家への貨物輸送を行い、生活空間を確保する必要があるのです。

今回の計画は、夜明け前に実家を出発して自宅に向かい、段ボールをクルマに積み込んだのちに、鉄道写真を撮影してから実家に帰還するというもの。筆者は趣味で鉄道写真を撮っているため、日の出の早い夏場は早朝の列車が明るく撮影できる格好の機会なのです。

そのため朝3時半に起床して実家を出発。渋滞のない国道を使って自宅に到着後、トヨタ・プロボックスのリアシートをたたんでラゲッジルームいっぱいに段ボールを積載。今度は朝6時過ぎにお目当ての撮影地を通過する寝台特急の写真を撮影するため、高速を使ってとんぼ返り。鉄道写真を1枚だけ撮ったあと実家に戻り、朝7時前に段ボールの搬入を無事完了しました。

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寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の通過3分前に撮影地に到着。急いで撮ったため、構図もシャッターを切るタイミングも失敗してしまいました。でも、そういう失敗した思い出の方が後々印象に残るものです。

結局、自分の趣味活動の時間を捻出するには睡眠時間を削るしかないのですが、基本的に好きなことをやっているのでまったく苦になりません。むしろ濃い計画を実行したことで充実感さえ味わえるのです。

2日目は「トミカ博」でレア物トミカをゲット!

帰省2日目は、午前中に実家を後にして駅前でレンタカーを返却。その後、横浜で開催されていた「トミカ博in YOKOHAMA」を観に行きました。昨年の「トミカ博」では、アトラクションの待ち時間が長すぎて息子より先に筆者が体調不良になり、撤退を余儀なくされました。リベンジを誓った今年は例年より遅く会場入りしたこともあり、アトラクションがスムーズにまわれてラッキーでした。その結果、アトラクションやショッピングゾーンで大いに散財。もちろん、このとき妻は自宅にいるので、ストレスフリーな状態でイベントを堪能しました。

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妻の実家ではコレクションの発掘調査を実施

お目当てのトミカを入手して会場を出たのが午後3時すぎ。それから一旦自宅に戻り、購入したトミカと一眼レフを置いて、今度は妻の実家へ移動。その移動手段もやはり電車です。

妻の実家にもミニカーやカタログなどを保管してもらっているため、ちょっとした合間を見つけてコレクションの発掘やアイテムのコンディション調査などを実施。筆者も大いにリフレッシュすることができました。

やっぱり止められないコレクションの発掘作業

コレクターにとって、自身のコレクションの状態を定期的に確認する作業はとても重要です。例えば、カタログが湿気を帯びてページが貼りついてしまったり、ミニカーのゴムタイヤが溶けて台座に溶着することがよくあるからです。そんな確認作業を行なっているときに、ほとんど記憶から消えていた懐かしいアイテムに再会したときには、本当に新鮮な感動があります。ここからは、お盆で帰省したときに発掘したアイテムをいくつかご紹介します。

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まず目に留まったのが、タミヤ製の1/10 電動RCカーシリーズ「メルセデス・ベンツ 190E エボリューションII AMG」です。これは同社の初代RCツーリングカー「TA01」シャシーを使った製品。フロントグリルはメッキ処理した別部品で、スリーポインテッドスターのフードマスコットも再現。実感の高いボディが魅力的でした。

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購入した当時、キットのDTM仕様ではなくロードカーのエボIIをつくろうと計画していたため、実車のブルーブラックをイメージしてガンメタルでボディを塗装していました。しかし、そのまま作業が中断し、気がつくと四半世紀が経過していました。計画再開の目処は立っていないため、そのまま静かに箱を閉じ、元の場所に収めました。

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こちらは同じタミヤ製の1/10 電動RCカー「アルファロメオ 155 V6 TI」です。前述のメルセデス 190Eが初代RCツーリングカーの「TA01」シャシーを使っていたのに対し、このアルファ155では改良型の「TA02」を採用しています。DTMに四輪駆動革命をもたらしたアルファ155 V6 TIは、本当に鮮烈な印象でした。

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このキットも、ボディを塗装した以外はまったく手がつけられていない状態。どうやら1995年シーズンのマルティニカラーを再現すべく、サードパーティ製のステッカーと別売のスポークホイールが入っていました。ちなみにスポークホイールは、トヨタ・トムス エクシヴJTCC用のスペアホイールでした。値札のシールには、今はなき「さくらや」と「Mr.CRAFT」の文字が入っていて、思わず懐かしさが込み上げます。

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これは1970年代に販売された懐かしのプラモデルたち。ナカムラの1/24 ランボルギーニ・エスパーダは後年入手したものですが、ヤマダの1/25 クラウン ハードトップ SLは地元の模型店で小学生時代に購入したもの。アリイのHOスケール空港バスは、かつて横浜駅西口の駅ビルと地下街に2店舗存在していた「横浜模型」にて購入したものです。
組み立てた模型は引越しの際に廃棄してしまったため現存しないものの、外箱だけはどうしても捨てられず保管していました。このパッケージを見ると、昔何度も通った懐かしい模型店の姿が鮮明に思い浮かんできます。

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ナカムラの1/24 ランボルギーニ・エスパーダは、手つかずの状態でした。ゼンマイ駆動というメカニズムに加えて、美しく仕上げるのが非常に困難な上下2分割式ボディに時代を感じます。走行モデルにもかかわらずエンジンも一応再現され、逆アリゲーター式ボンネットが開閉するつくりになっていることに驚きました。

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以前組み立てたプラモデルの組み立て説明図が大量に保管されていました。現在はエアガン専門メーカーとなった東京マルイの「激走キャノンボール」シリーズやバンダイ製の1/20フォード・マスタング ターボ、ヨーデル社のプリムス フューリーなどに時代を感じます。そしてグンゼ産業(現 GSIクレオス)製「ハイテックモデル」のメッサーシュミットとBMWイセッタは、金属パーツなどを多用した上級者向けモデルのため難易度が高く、四苦八苦しながら完成させたことをいまだに覚えています。

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プラモデルの組み立て説明図を捨てずに取っておくなんて、断捨離できないダメ人間の象徴ともいえます。しかし、自分自身の活動記録として残しておいたのでしょう。オオタキ、日東、LS、アリイ、ニチモなど、今見ると懐かしい模型メーカーばかり。このなかで現在も新製品をリリースしているのは、フジミ模型とアオシマしかありません。こうしてプラモデル全盛期の歴史に触れてみるのも、今となっては新鮮です。

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輸入車のカタログ整理をしていたところ、フォルクスワーゲン・ゴルフの歴代モデルのカタログが出てきました。ゴルフIからゴルフIIIまでのカタログはいずれもヤナセ時代につくられたもの。ゴルフII時代に作られたゴルフ・カントリーのカタログも持っているのですが、残念ながら発掘できませんでした。

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国産車のカタログを整理していると、スズキのカタログを入れた箱が出てきました。カプチーノ、カルタス・コンバーチブルなどの懐かしいクルマたちのカタログと一緒に見つけたのが、写真の初代アルト・ワークスとセルボ。どちらもアルトをベースにしたエクストリームなモデルとして、いまだに強い印象を与えています。
なかでも初代アルト・ワークスは、母親がフルタイム4WDモデルの「RS-R」を通勤用として使っていたため、当時運転免許取りたてだった筆者も楽しませてもらいました。最高回転数9,500rpmを実現したオートバイのようなエンジンの痛快さがいまだに忘れられません。

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国産車のカタログのなかには商用車のカタログもありました。これらは東京モーターショーなどの際に入手したもの。今回発見できなかったのですが、ボルボのバスシャシーに富士重工業がボディを架装した「ボルボ・アステローペ」、三菱ふそうの二階建てバス「エアロキング」のカタログなどもどこかにあるはずです。以前バスマニアでもあった筆者にとって、これらのカタログはまさに宝物でした。機会があれば、今度は違う山を掘り出してみようと思います。

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もちろんミニカーも発掘しました。これはドイツのコンラート社が以前発売していた1/43 メルセデス・ベンツ レーシングカートランスポーターです。メルセデス・ベンツ 300 SLのエンジンを搭載した世界最速のレーシングカートランスポーターとして知られるこのモデル、現在こそ正式なレプリカが復刻製作されたものの、このミニカーが発売された当時は実物がなかったため、様々な資料を元に製作されたものと思われます。
しかし、ボディカラーは紺色で、現在の明るいブルーとは大きく印象が異なります。のちにこの紺色はエラー品とされ、明るいブルーに塗り替えられたモデルも発売されました。しかし、個人的にはこの渋い紺色のミニカーのほうが好きで、エラー品にも関わらず箱違いで2個も買っていました。今思えば明るいブルーと1つずつ買ったほうが良かったと思うのですが、これも若気の至りでしょうか。

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こちらは、PlayStation2用ゲームソフトとして、タイトーが2003年12月25日に発売した「バトルギア3」です。アーケードゲームを移植したこのゲームソフトには通常版と写真の初回限定版があり、初回限定版にはアーケード版で使えるスケルトンタイプのネットエントリーキーと、オリジナルトミカが同梱されていました。トミカの車種はR34の日産スカイラインGT-Rで、マットブラック塗装されたボンネットに「BG3」のロゴが入っていました。今となっては購入した記憶さえありませんが、最初からトミカ狙いで購入したものらしく、パッケージは未開封でした。まさに買えたことで安心してしまうパターンの代表例ですね。

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写真は「トミカリミテッド MAZDA RX-7(FC3S/FD3S) 4MODELS」です。トミカをベースにタイヤ/ホイールを新規製作し、細かい彩色を施した「トミカリミテッド」は、単品で700円という価格に見合わないクオリティの高さが特長でした。FC3SとFD3Sを色違いで4台セットしたこの商品は、今見ても出来の良さに驚くほど。トミカ自体の出来の良さをも感じさせてくれます。

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こちらも同じく、「トミカリミテッド」のセット品となる「トミカリミテッド LAMBORGHINI 4MODELS」。カウンタック LP500Sとミウラ P400SVの4台セットとして発売されたものです。「カレントライフ」でランボルギーニのトミカを取り上げた際、この商品も紹介したかったのですが、当時どうしても探し出すことができず、泣く泣く掲載を見送りました。必要なときにはまったく見つからないのに、ふとした拍子に発見できたりするので、なんとも歯がゆいですね。

このように、帰省においても自分の趣味時間を捻出する「エクストリーム帰省」を強引に実行したお盆休み。筆者にとってはとても印象深い休日となりました。誰にでもお勧めすることはできませんが、帰省に退屈な印象を抱いている方にとっては、一度実践してみるのも良いのではないでしょうか。

[ライター・カメラ/北沢 剛司]

北沢 剛司

’70年代のいわゆる「スーパーカーブーム」の洗礼を受け、以来、クルマの世界にどっぷり浸かって大人になってしまった自動車ライター。ニューモデルを見るため20年以上ジュネーブ・モーターショーに通う一方、所有したクルマは’80〜’90年代のネオクラシックカーばかり。さらにミニカーやカタログなどの自動車趣味からモータースポーツまで、興味の対象は幅広い。自動車専門誌や一般誌での執筆をはじめ、輸入車関係の仕事などを幅広く手がけている。

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