クルマ好きの心を魅了する、大のオトナがミニカーを集める理由

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突然ですが、「ミニカー」と聞いてイメージするものは何でしょうか?多くの人にとって、ミニカーといえば子ども向けのおもちゃをイメージするのが一般的でしょう。しかし、クルマ好きにとってのミニカーは意味が違います。それは自宅や仕事場の机などに置いてある身近なもので、家族の写真とほぼ同格です。なくて困るものではありませんが、目の届くところにあるとなんだかホッとする、居心地のよいインテリアのような存在なのです。

なぜ、大のオトナがミニカーにハマるのか?
ポルシェ911はミニカーの定番ジャンルのひとつ。さまざまなアイテムがあるためコレクションが尽きない。
[左上] 1/43 Porsche 911 1964 red(ミニチャンプス/品番 430 067121)
[左下] 1/43 Porsche 911 50th Anniversary(ポルシェ特注 ミニチャンプス/品番 WAP 020 005 0D)
[右上] 1/43 Porsche 911 Limited Edition IAA 2013(ポルシェ特注 MINIMAX/品番 WAX 201 300 05)
[右下] 1/43 Porsche 911 50th Anniversary(ポルシェ特注 ミニチャンプス/品番 WAX 201 300 07)
[手前] 1/43 Porsche 959(ポルシェ特注 ミニチャンプス/品番 WAP 020 603 16)

そのため、実車と同じくらいミニカーが好きなクルマ好きは少なくありませんし、なかには実車のスーパーカーが買えるほどの資金をミニカーにつぎ込んでいる人もいます。

かくいう私も、20歳前後から集めはじめたミニカーの保有台数が数千台に上っています。もはや自宅だけでは収まらないので、仕方なく数カ所に分散して保管しています。この原稿を書くにあたり、なぜこんなに増えてしまったのか自問自答してみましたが、「クルマが好きだから」というシンプルな理由しか思い浮かびません。「カッコいい」「出来がよい」「珍しい」と思って買い続けていたら、いつの間にか数千台のコレクションになってしまったのです。

私の場合、ミニカーとの出会いはトミカで、小学生時代は初期のいわゆる「黒箱」と外国車の「青箱」のトミカを集めていました。その後、1991年に登場したドイツのミニチャンプス製ミニカーの出来の良さに驚愕し、そのあたりから1/43スケールのミニカーが増えていきました。好きが嵩じてミニカーショップで10年ほどアルバイトをしたり、海外へミニカー爆買いの旅に出たこともありました。

このように大のオトナがミニカーにハマってしまう理由とは、いったい何なのでしょうか?

なぜ、大のオトナがミニカーにハマるのか?
ミニカーの世界的な主流は1/18と1/43スケール。1/18ミニカーはエンジンルームなどを再現したフルディテール製品と、スタイリングを重視して開口部を廃したレジン製品に二極化されつつある。
[奥] 1/18 Lancia 037 Rally Portugal 1985 (Totip)(京商/品番 No.08302E)
[手前] 1/43 Lancia 037 Rally “Sanremo Rally 1983″(ALTAYA)

もっとも大きな理由としては、もともとオトコには「モノ集め」に対する本能的な欲求があることです。幼少期にスーパーカー消しゴムや野球選手のカード、ビックリマンチョコのシールなどを夢中になって集めた経験のある人は少なくないでしょう。そして今でも、コンビニでミニカーのおまけ付き缶コーヒーを見ると、つい手に取ってしまいますよね。もちろん女性にもモノ集めが好きな方はいらっしゃいますが、コレクションの対象は実用性のあるものがほとんど。ミニカーのようにまったく実用性のないモノに大金をつぎ込む女性は少数派といえるでしょう。

なぜ、大のオトナがミニカーにハマるのか?
’70年代のスーパーカーブーム時代に一世を風靡したスーパーカー消しゴム。メタリックカラーや透明のボディを見ると、「消しゴム」という名前がいかに形骸化されていたかが分かる。

そしてクルマ好きの多くは、優れた技術や精密な製品に対する憧れや尊敬を常に持ち続けているため、良い物を本能的に嗅ぎ分ける能力を持っています。機械式腕時計やカメラ、質感の良いガジェットなどに思わず惹き込まれてしまった経験は、1度や2度ではないはず。そのため、実車の雰囲気がギュッと凝縮された精密ミニカーを買いたくなってしまう衝動は、ごく自然なことなのです。

大のオトコこそが熱中する!ミニカーにハマる理由
京商の1/43フェラーリ製品はエンジンルームなどを精密に再現した究極的なダイキャスト製ミニカーで、現在も人気の高い絶版品のひとつ。ちなみに後ろのケータイも筆者のコレクション。中央のNokia 8810は、クロームメタル加工されたボディが特長のGSM携帯電話。右側のBang & Olufsen Serenataは、Samsungとの共同開発による3G携帯電話だ。
[中央]1/43 Ferrari F40 (Red)(京商/品番 05041R)

さらに、物欲をさらに刺激するのが入手困難な限定品の存在です。人気の高いミニカーは発売直後に完売して、ネットオークションなどで高値で取引されたりします。また、世界限定数十台の製品なども存在するため、そんなレア物をゲットできたときの悦びは格別です。困難な競争に打ち勝って入手したアイテムは、所有欲を存分に満たしてくれます。さらに、レア物を集めてコンプリートできたときには、オトコ本来の征服欲をも満たしてくれるのです。

なぜ、大のオトナがミニカーにハマるのか?
SCALA 43は、レジンキットおよび完成品製作などを手がけるドイツのスペシャリスト。左側は同業他社のスターター社製キットをモディファイしたオリジナル完成品で、右側は自社キットをベースにテストカー仕様に変更したもの。どちらも世界限定25台で、シリアルナンバーが記載される。
[左] 1/43 Audi Sport Quattro S1 1. Pikes Peak 1986 Bobby Unser(SCALA 43/品番 LE05)
[右] 1/43 Audi Sport Quattro Testcar Ulster-Rallye 1984 Röhrl / Geistdörfer(SCALA 43/品番 LE06)

そう、クルマ好きにとって、ミニカーコレクションはハマって当然の趣味なのです。

実車のコレクションは難易度高めです。しかし、ミニカーであれば好きなクルマに囲まれた至福のときを過ごすことができます。「カレントライフ」では、クルマ好きのミニカーライフに役立つ情報を取り上げていきますので、今後の記事をぜひお楽しみに!

[ライター・カメラ/北沢剛司]

北沢 剛司

’70年代のいわゆる「スーパーカーブーム」の洗礼を受け、以来、クルマの世界にどっぷり浸かって大人になってしまった自動車ライター。ニューモデルを見るため20年以上ジュネーブ・モーターショーに通う一方、所有したクルマは’80〜’90年代のネオクラシックカーばかり。さらにミニカーやカタログなどの自動車趣味からモータースポーツまで、興味の対象は幅広い。自動車専門誌や一般誌での執筆をはじめ、輸入車関係の仕事などを幅広く手がけている。

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