クルマで長めの旅。マツダ アクセラで石川県「発酵街道」へ

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気分的にも「表に出たくなる」時期。少し足を延ばすと、いろいろと新しい出会いや、知らないことに触れることができるのが楽しいものです。

発酵料理研究家の高橋香葉さんと「NDロードスター」で信濃路へ行く

夜10時過ぎに長野県から岐阜県に向かう山間の道を進むと、トンネルの中にこんな分かれ道が…停めて1枚写真を。だってこんな時間に通る人は稀で誰も来ないから。このシーズン右しか行けない。左前方は冬季通行止めだった。

どこに行こうか。そんなことを考えていたら、高橋さんから「石川県白山市で講演をするので、聞きにいらっしゃりながらドライブしてはどうですか?クルマで行くのにいいところもご紹介しますよ。」とお誘いいただいたのでした。

あまりクルマでは出かけたことのないエリアでもあり、それはいいというのでこのアイデアに乗っかることにしたのでした。

石川県というと、最近新幹線が金沢まで伸び、最近ぐっと首都圏からも近い存在になった印象があります。しかし、「金沢が近くなった」という以上にこのエリアを身近に感じることはまだまだ少ない、少なくとも個人的にはそんな印象でした。私が今回訪れたのは石川県最大の面積を誇り、人口でも金沢に次ぐ二番目の規模を抱える都市白山市。日本海から、今年開山1300年を迎える日本三名山に数えられる名峰白山の山頂までを擁する町です。この辺りの日本海は暖流で、急峻に標高が高くなる地形のこの地域は雪が多い場所でもあります。そんなこともあって、山があって雪が溶けて流れる川があり、海へと注ぐ水の旅を身近に感じることのできる「白山手取川ジオパーク」を形成する地域でもあるのです。水菜豊かな地域には文化文明が根ざすのは洋の東西を問わずこの世のつね。この地域でも単に白山信仰の中心としてのみならず、古くから生活の知恵、より高度な食文化の手法として発酵を人々が身近に感じてきた地域でもあるのです。

▲美川駅の中にあるカフェで出していた「フグの子のペペロンチーノ」なんでもいいが安い。どうせたらこみたいなもの?まあ、けた違いに旨味が広がります。実に旨い。食べないわけにはいかない

▲この時期キャベツも甘みがしっかりとある。それだけにコントラストがまた素晴らしいのだ。まったく「450円」じゃない。じつにけしからん旨さである

そんな白山市で、私たちの命のためのみならず、発酵食品とも名コンビぶりを見せる「塩」その知られざる力に迫る講演を、高橋さんがなさるというのでそれを聞かせていただきつつ、白山市にお邪魔してきました。

塩もまた付き合い方次第

▲塩と巧く付き合うのにも糀は素敵な縁を取り持ってくれるもの。これは公園の最中にサンプルとして一人に1個提供された「ミニトマトの塩こうじつけ漬け」

見た目はほとんどわからないが、一晩塩こうじにつけると、ほのかに甘みが増している。それは塩気が加わったことで甘みを感じやすくなったのだ。ちなみにそれ以上に個人的に強く感じたのは「青臭さ」がなくなる。塩を必要以上にふらなくていいばかりか、トマトが嫌いな人もこれで食べられるようになるケースもあるかもしれないと感じた。

会場となった石川ルーツ交流館、開始時間にはかなりの満席状態。かなりの盛況です。少し話はずれるが、今は白山市の一部、旧美川町はもともと石川群美川町と言って、明治5年からしばらく石川県県庁が置かれた場所。今の「石川県」という名前も、石川郡に県庁を置いたことによるもので、まさに、石川県のルーツの場所なのです。

▲マツダ・ロードスター大好きな高橋さん。曰く、「NDロードスターのトランクでしょうゆと麹を合わせてしょうゆ麹を作ると結構うまくできる」のだそうだ(笑)

講演会では、塩分を通してさまざまなデータを見ると、むしろ発酵の偉大さ、発酵の重要性がわかる、というようなものになっていました。平均寿命のデータなども、「塩分の取りすぎが寿命を短くする。」という見方は少し一面的に過ぎず、その食生活の中で発酵食品を摂取する習慣の多い地方は、平均寿命は改善されている地域もあるという話や、やはりファストフードや、出来合いのものを食べる習慣がなく、しっかり自宅で食事を作っている地域は、平均寿命でもいい結果が出ている、といった話も合って。つい「かっくらう」小生などは少し自分の食生活を反省したりもしました。外食やファストフードが悪いという以上に、これは、食事を大切にする文化があるかどうか、ということの表れでもあるように感じたものです。塩分はたしかに取りすぎはご法度、

しかし、うまみ成分がしっかりと引き出されるため、高橋さんは塩麹、しょうゆ麹を推奨しておられます。実は高橋さんとはじめてお会いしたイベントで、きゅうりにしょうゆ麹をつけたものを食べさせてくださって、それがあまりに美味しかったものだから「これ旨いですね」と話しかけたのが最初でした。お勧めの食べ方の一番は「卵かけごはん」ということですので、私も今度試してみたいと思います。「腐敗」ではなく「発酵」。これは起きている現象は同じようなことで、ただ、人間にとって不快で有害なものを「腐敗」というのだそうです。で、有益な発酵とうまく付き合うことが大事ですが、そうさせるうえで、塩の役割がとても大事。そんなお話で、とても勉強になりました。

参加者には2種類の塩と、美川の温泉施設の入浴券がプレゼントされまして、晩御飯の後でしっかり入ってきました。とろっとした美人の湯、よく温まるいいお湯でした。

翌日は白山市内の「発酵街道」を高橋さんが案内してくださいました。この辺りには古くから醸造、しょうゆ、食酢、みそといった発酵食品、それらに欠かせない糀だけをつくるお店など、白山に向かって沿道に軒を連ねます。

石川県白山市も実によいところ

加賀地方にはちょっとコンプレックスがありました。色彩感覚と味付け、昨日今日、大衆の顔色を見て味を調整したのではない味付けがこの地方にはあると持っていたからです。そんな技を支えていたと言ってもいいかもしれない、そんな街道かもしれませんね。とにかく古い街道を行けば、なんとなく旅情というものにうっとりとしてしまうもの。金沢から少し足を延ばすと、日本の知恵、食文化の妙をこんこんと湧き出し続けている泉のような、こんな素敵な場所に来られるなんて。ちょっと誘われたから来てみた石川県白山市、実にいいところでした。

こちらでは「こうじ」を麹ではなく糀と書くそうだ。出来上がった時に蒸したコメの周りにふわっと花のようなものが付くからだという。だいたいおかみさんが持っている板1枚で1.3㎏ほどの糀ができるのだそうだ。しかし、みそなどを手作りする人も多いこの地域、出来上がると、かなりのものが予約で売り切れてしまうのだそうだ。

▲建物自体が人を暖かく迎え入れてくれる佇まいをしている

なかなかよい味を出すアクセラ

「もう春かな?」「いやいやまだ冬!」そんな季節のはざまの時期での日本海側へのドライブでした。ですので、こういっては何ですが「クルマはなんでもよかった」ようなところがあります。前週に雪が降ったということもあり「スタッドレスタイヤ付き」のクルマを探していたようなところがありました。そしてマツダさんの試乗会で尋ねたところ、その場で押さえてくださった「スタッドレスタイヤ付きのクルマ」が「アクセラセダンのAWD」だったのです。しかし、乗るとなかなかいいクルマです。いわゆる生活四駆の部類でしょうが、もともと、マツダの妥協なきFFベースに後輪も駆動させるという部類の四輪駆動です。ハンドリングもよく、なにか重々しいところがありません。サラッと、シャープさもありますね。いわゆる4輪駆動のネガティブファクターはほとんどないと言ってもいいでしょう。1,500㏄のガソリンエンジンは、決してパワフルではないです。

しかし、低速域を「丁寧に引き出している」感じにも、その昔、トルクがないないと言われ続けたロータリーエンジンを作っていたメーカーだからこその「その尊さ」をかみしめるかのよう。そして受ける側のオートマチックが斜度や巡航速度をよく咀嚼(そしゃく)して、いいタイミングでお迎えに来るから、「1,500㏄の穏便なセダン」であってもあきらめることのない、ドライバーズカーとして、なかなかいい味を醸し出すセダンでありました。今回、塩尻から安房峠に上がり、奥飛騨から富山、金沢を通過して白山市までドライブしました。距離にして400km強。今ではこの道はそんなに使われないのかと思いきや、金沢方面からの鮮魚のルートとしては今なお現役だというお話は、フグなどの糠漬けを作る任孫商店のご主人からお聞きしました。思っていた、よりずっと近く、いい温泉、美味しい幸が豊富なこのエリアへ、下道で来るのが案外早くて短いというのはうれしい誤算でした。で、こんな道ですから、燃費走行を気にすると言っても限度があります。

そんな中1リットル当たり16km近く走りますから燃費も文句なし。カーブを一つ一つ噛みしめるよに抜けていくと、一歩ずつ日本海が近づいてくる。このルートでのドライブにはしみ出す旨味がたっぷり含まれているように感じたものです。そしてこれはとりもなおさず、このパワーこそそこそこのアクセラの、ストレスのないハンドリング、良好な乗り心地、スタッドレスタイヤであることにハンデを感じさせないしっかりとしたアシ。こうした素材の良さがあってこそのものだということをしっかり付け加えておかねばならないでしょう。

筆者のアシが目下「マセラティ430」のみ(と、積載車の日野デュトロ)という状況。いいのですが、少し気の毒な気がして。下々のくらしのおつかいに駆り出される貴族の乗り物。そういう意味で、躯体はまったくダウングレードどころか、むしろゆったりしているくらいのアクセラ。でも足腰もよく、低燃費、そこそこ運転も楽しく、荷物も詰めて、人が乗るには一番いいセダンボディ。こんなクルマもう一度あればいうことないんだが。そう思ったのは事実です。

貸し出されるときに車載されているカタログを開くと1500ccのガソリンとディーゼル、2200のディーゼル、ハイブリッド。FFとAWD。多くのグレードでMTも選べて、今ではボディタイプもスポーツ(ハッチバック)とセダンがほとんどで選べるということで、なかなかにぎやか。普通のユーザーがクルマを選ぶというのは「(素人はわからないかもしれないが)こんなインテリジェンスあふれる装備がついててね…」なんていう御託が並べられているよりもこういうことなんじゃないか、そんな風に思うのです。各メーカーには「クルマ選び」をさせないラインナップもクルマ離れの一因だと少し気づいてほしい、と個人的には思いますが。その点、アクセラは、どれにしようか、大いに悩むことになるでしょう。いい傾向ではないでしょうか。

▲最後にあら与さんでフグの糠漬けを買って帰途に就いた

・石川県白山市
http://www.city.hakusan.ishikawa.jp/

・白山市観光情報「うらら白山人」
http://www.urara-hakusanbito.com/

[ライター・画像/中込健太郎]

※当記事は過去公開した記事の再編集版です

中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事した。そのころ企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなどを担当。その後フリーランスライターとして活動現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。車選び.com ,NAVI CARS他で執筆中。「クラシックカー美女」テキスト担当●温泉ソムリエ●一級小型船舶操縦免許

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