電動車の普及で41万人の雇用喪失も。EUのCO2排出規制強化はマイナス要因に

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モビリティの革新に向けたドイツ政府の諮問機関「モビリティの将来の国家プラットホーム(NPM)」は13日、自動車の電動化が進むと2030年までに国内雇用が最大41万人、失われる恐れがあるとのレポートを発表した。そうした事態を回避するために官民が手を携えて対策を講じるべきだと提言している。

電動車の普及で41万人の雇用喪失も。EUのCO2排出規制強化はマイナス要因に
※画像はイメージです

NPMはフラウンホーファー労働経済・組織研究所(IAO)と、連邦雇用庁(BA)傘下の労働市場・職業研究所(IAB)が2018年にそれぞれ作成した調査報告を活用して今回のレポートをまとめた。

IAOは18年11月、国内の乗用車生産に占める電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の割合が17年の各1%、2%から30年に25%、15%へと拡大するとの前提に立って、雇用にもたらすその影響を調査。生産性の伸びを加味して計算すると、パワートレインに絡んだ雇用の規模は21万人から13万5,000人へと7万5,000人減少するとの結論を引き出した。

一方NPMは、30年以降に販売される乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量を21年比で37.5%削減すること欧州連合(EU)が19年に決定したことを受けて、これを遵守するためには30年の独乗用車生産に占めるEVの割合を30%に引き上げる必要があると指摘。これに基づいてIAOの計算に修正を加えたところ、パワートレイン関連の雇用の減少幅は7万9,000~8万8,000人に膨らむとの結論に達した(下の表を参照)。独自動車工業会(VDA)も同分野で8万人程度の雇用減を見込んでおり、NPMの数値は業界の予想と一致している。

電動車の普及で41万人の雇用喪失も。EUのCO2排出規制強化はマイナス要因に

雇用の削減は生産部門(直接部門)が最も多く、NPMは6万3,200~7万400人を予想。残り1万5,800~1万7,600人は物流やメンテナンスなどの「生産に近い間接部門」と、エンジニアリングや管理などの「間接部門」で行われると見込んでいる。

EVは部品が少ないことから、生産に占めるその割合が高まれば高まるほど雇用が縮小するという問題がある。エンジンの部品が最低1,200個に上るのに対し、モーター部品は約200個にとどまる。

産業維持は「社会全体の課題」

電動車の普及で41万人の雇用喪失も。EUのCO2排出規制強化はマイナス要因に
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NPMは自動車業界と周辺業界を合わせたドイツ全体の雇用の減少幅については、30年までに41万人に達する可能性があるとの見方を示した。IABの調査報告に準拠した数値で、電動車の国内登録残数が同年までに1,000万台に拡大するとの前提に立っている。自動車業界は全体の6割弱に当たる24万人を占める。

この予想に対してはVDAが非現実的な数値だと批判している。同工業会のクルトクリスティアン・シェール専務理事は経済紙『ハンデルスブラット』に、電動車と車載電池がドイツでごくわずかしか生産されず、その大部分を輸入するという誤った前提に立っていると指摘した。

ただ、いずれにせよエンジン部品を中心に雇用の減少が進むのは確実であることから、今のうちから対策を立てることは重要で、NPMのヘンニング・カーガーマン委員長(元SAP社長)は、「ドイツが自動車の有力な生産地にとどまり雇用を創出し続けるためには、電池やパワーエレクトロニクス、燃料電池など将来のパワートレインの重要なバリューチェーンを可能な限りドイツないし周辺の欧州諸国にとどめる、あるいは構築しなければならない」と強調した。個々の企業や自動車業界を超えた「社会全体の課題」と位置付けている。

雇用面では

◇電動車の生産で必要とされる能力と被用者が持つ能力を踏まえて各被用者に見合った職業教育計画を策定する
◇企業とBA、職業教育機関が協業する
◇被用者の職業教育を国が資金面で支援する

――を要求している。

[提供元/FBC Business Consulting GmbH]

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