旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

  1. コラム
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これまで、旧車のレストアについて記してきたが、今回からは少し内容を突き進めていこうと思う。

今回は「走る」よりも特に重要な「止まる」こと。つまり、ブレーキのオーバーホールについてだ。個人で行ってきたレストアや修理を紹介するもので、知識なく自分で行う際は必ず専門知識を持った方などと行うことをおすすめする。

*過去記事はこちら

旧車のレストアについて考える[part1:どこからがレストアにあたるのか?]

旧車のレストアについて考える[part2:オーナー自ら作業する“意義”とは?]

ブレーキのオーバーホールを行う必要性はあるのか?

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

旧車を手に入れる経緯はさまざまなケースがあると思われる。フルレストア済みで購入した個体もあれば、オークションなど個人売買で手に入れるケースもあるだろう。ウチのMGBの場合は何年も雨ざらしで放置され、ブレーキも固着している状態だったものを手に入れたので、まずはブレーキまわりから取り掛かる必要があった。もしそうでなくても、購入したあと、ある程度の知識があるのならば必ずチェックしておきたい部分といえる。走らなくなるよりも、止まらなくなることの恐怖は計り知れないし、大きな事故につながる可能性もあるからだ。

では、ブレーキのオーバーホールは何を行うべきか否か?

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

購入した状態にもよるだろうが、MGBをベースに説明していくことにする。MGB Mk1はマスターバック(倍力装置)がついていないシンプルな構造である。

オーバーホールをするにあたり、徹底的に行うのであれば、ホース類からパイプまで見直す必要がある。しかし、さすがにそこまでは行っていない(ホースはステンメッシュに交換してあった)。

1.フロントはディスクブレーキなのでできればキャリパーのオーバーホール
2.リアはドラムブレーキなのでホイルシリンダーの交換
3.マスタシリンダのオーバーホール
4.ブレーキパットやシューの交換

ひとまずこんなところであろう。

余談だが、MGBの場合、ネットを駆使してアメリカやイギリスで探せば、国産車のパーツよりはるかに安価で売られているので、維持は比較的に楽である。

そして、オーバーホールを行う

フロントブレーキのピストンを確認したところ、引きずりもなく、正常に動作していた。そのため、パーツは購入したものの、とりあえず保留にした(その後、6年間まったく問題ないが、そろそろ交換かな)。また、ブレーキパットはまだ減っていなかったが、セラミックのタイプを購入したので交換することにした。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

まずは、マスタシリンダのオーバーホールからはじめることにした。海外ではアフターマーケットでいろいろな種類がセット販売されているのだが、リザーバータンクがプラスチックに変わるため、見た目も美しくない。よってオリジナルをもとにリペアキットでシール類を交換することにした。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

マスタシリンダのリペアキットは、対策品として中身の形状が若干異なっており、シールやプラスチック類の部品を交換した。マスタが抜けた話はよく聞く話なので、この部分は消耗品と考えたほうが良い。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

もし自分でできなければ、車検時などにショップと相談するのも良いかもしれない。

最後にリアブレーキのオーバーホール

こちらはホイルシリンダのセットがセール金額になっていたので、リペアキットをやめてASSY交換することにした。

リアブレーキはディスクブレーキに比べて構造が少し複雑だ。特にスプリングのかけ方を間違えるとシューの取り付けができなくなる。こういう場合、デジカメやスマホなどでどういう状態で止められているかを先に写真に撮っておくと、後々悩む必要がなくなるのでおすすめしたい。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

ブレーキシューを外してから交換となる。ホイルシリンダもオイル漏れを起こすことが多々あるので、ときどきチェックしておく必要がある場所だ。事実、すでにオイルのにじみを確認できたので、交換して正解であった。

フロントディスクも含め、交換する際に稼働する部分での接点にはブレーキシムグリースを塗ることで共振音を抑えることができるので、こちらもできれば使っておきたいところだ。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

交換後、MGBにはブレーキシューとドラムの隙間を調整する必要がある。ドラムをかぶせたら裏から調整するのであるが、こちらは車種によって異なるので、自分のクルマがどうなのか調べておくのも良いかもしれない。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

ついでなのでブレーキスイッチも交換した。

ここは旧い英国車の泣き所でもあるのだが、こんな単純なスイッチがとにかくよく壊れ、消耗品として扱われている。この部品に限らず、現在は第3諸国等で作られているものが多く、部品の精度が以前より落ちている。ショップなどに行くと「値段を上げてでもいいから、もとの精度に戻してほしい」という話を聞くことがある。交換してからすぐに壊れたらクレームの対象にもなりかねないから、ショップとしてもたまったものではないだろう。

ユダ会長 旧車のレストアについて考える[part3:ブレーキ編]

今回の出費まとめ

※今回交換した部品のみの金額で、これに送料や税金がプラスされる
・リアホイルシリンダ:$7.99×2
・フロントブレーキパット:$37.99
・ブレーキシューセット:$23.99
・マスタシリンダ リペアキット:$5.79
・ブレーキスイッチ:$6.59
合計:$90.34
※パーツは2014年に購入。最近アメリカからの輸入は送料が極端に高くなったので、英国から輸入することにしている

終わりに…

ブレーキなどのパーツ交換は、もし正常に動作しなかった場合、大きな事故に発展する恐れもある。

[補足]
あくまで参考としていただき、不安があればショップや修理工場に相談してみましょう(自分のクルマをご自身で分解整備することは法的にも問題ありませんが、知識や技術に自信がないのであれば、プロの整備士に任せるのが安心・確実です)。また、作業を行う際は、事故のないよう細心の注意を払うことを忘れずに!

[ライター・撮影/ユダ会長]

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ユダ会長

1995年より活動するHCC95(ヒストリックカークラブ95)の会長。18歳の頃から、「ユダ」というバンドで活動しながら(当時からユダと呼ばれていた)クラブの会長になったのが「ユダ会長」の由来である。HCC95は、1950年代の旧車~1970年代のスーパーカー等を中心に集めたクラブであり、関東全域を中心に活動中。毎月第三日曜日の午前中に集まるミーティングも恒例行事となっている。「JCCAニューイヤーミーティング」は19年連続出展。「お台場旧車天国」では、毎年120台をクラブ展示するなど様々なイベントに参加。また「かわさき楽大師 昭和まつり」では、第一回から15年間、大師公園において50台もの国内外の名車の展示およびパレードを行うなど、様々なイベントを企画運営も行う。ユダ会長個人としても、OldTimer誌(八重洲出版)、デアゴスティーニなどで連載中。http://www.hcc95.com/

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