高速道路を愛好し、研究対象とする方たちの集まり「日本サぱ協会」という存在をご存知ですか?

  1. コラム
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今年はGWは前代未聞の10連休。そんな長い休みも終わり、仕事も学校もいつものペースを取り戻した頃合いかと思います。普段、クルマにあまり乗らない方でも、高速道路やそれに付随する、サービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシスを利用された方も多いことでしょう。世の中のクルマ趣味の中には、自動車ではなく自動車が走る「道路」を趣味の対象にする人もいると言います。今回はその中でも「高速道路」を愛好し、ときに研究対象とする方たちの集まり「日本サぱ協会」と同協会が運営する高速道路愛好家(?)のためのコミュニティースペース「サぱサロン」に伺ってきました。

サぱ協会を立ち上げたのは、ハイウェイタレント・山形みらいさん

▲右から本部事務局長&山形みらいさんのプロデューサーの青葉 美咲さんと会長&ハイウェイタレントの山形みらいさん

ーカレントライフ鈴木
まずどんなきっかけでサぱ協会を立ち上げたのですか?

ー山形みらい
私がもともと高速道路が好きで、個人的に活動していたんですけどそこでいろいろなネットワークができまして、サービスエリア好きの人たちとコミュニケーションをとっていたんです。そうしていたら、青葉さんに「僕が事務局長をやるから協会長やってよ」と言われて立ち上げたのがサぱ協会です。

ーカレントライフ鈴木
一体SAとかPAとかの好きな人たちって何に魅力を感じられているんでしょうか?

ー山形みらい
みなさん人それぞれですが、外観が好きな人、中の構造が好きな人、SAやPAで売っているお土産が好きな人、サービスエリアから眺める景色が好きな人、あと非常電話「非電」を見るのが好きな方がいたり、様々ですね。

ーカレントライフ鈴木
いきなり、ディープな(笑)。集まってミーティングなどは開催しているのですか?

ー山形みらい
しますね。今まではここでやってたんですけど、最近はインターネットでも行っています。

ー青葉事務局長
インターネットのテレビ電話でやっています。組織に階層がありまして本部事務局、監査役、書記などの役員の下に全国の支部長、一般会員という構成になってます。

ー山形みらい
支部長を交えてみなさんと会議をします。会議では「このSAのここがよかったよね」とか、良いところをなるべく引き出してもらう。そこで日本サぱ協会の聖地の認定をしています。

ー青葉事務局長
あとはメディアさんから依頼が来た時の割り振りですね。

ー山形みらい
こんな依頼がきたんだけど誰が対応するみたいな。

ーカレントライフ鈴木
私も、最近では走りやすいかどうかを意識してみるようにはしてますね。SAの通路の構造やレイアウトを見て、逆走対策でこうなってるんだなと感じます。最近は新東名を使う事が多いのですが、舗装の状態が新東名と東名で全く違うんですよ。東名は路面が荒れていてよく見るとつぎはぎだらけで、デコボコなんです。一方新東名は路面もフラットで走りやすい。やっぱり50年の年月の違いなんでしょうか。それと、トンネルの照明で光が動いているように見えるのは、あれは本当にリレーで動いていたんですね。

ー山形みらい
旧東名高速も、今作ればまた違うものになったでしょうね。それと動くトンネル照明ですが、なかには事故を誘発したケースもあってやめてる区間もあるそうで、まだ実験段階の部分もあります。

ーカレントライフ鈴木
トンネルというと黄色いナトリウム灯をいつの間にか見なくなってしまいましたね。

ー山形みらい
今はほとんどがLEDです。長持ちしますからね。でもやっぱりナトリウム灯のトンネルを見るとテンション上がります!東北地方はまだナトリウム灯のトンネルが多いので、夜中に見るとテンションがあがります。なかにはLEDとナトリウム灯が混じってるところもあります。

高速道路の本も執筆している山形さん

ーカレントライフ鈴木
昨年「東名・名神高速道路の不思議と謎」という本を執筆されたわけですが、これはどんなきっかけで書かれたんですか?

ー山形みらい
それは実業之日本社の編集長さんから声をかけていただいて、「東名・名神の本を書いてみない」と言われたのがきっかけです。なかなかこういう機会はないので、せっかくだから書いてみようとおもいました。

ーカレントライフ鈴木
実は私もいつかは、日本の自動車産業史や国産車の技術史とリンクさせて日本の道路と自動車がどう発展したかをまとめてみたいなと夢想してまして。道路について調べたらこの本にたどり着いたんです。クルマには詳しいつもりでいたのですが、いざ道路のことを調べると初めて知ることばかりでした。

ー山形みらい
私も高速道路の教科書のような本を作りたくて、これを読んだら東名と名神の大体のことがわかるような本にしたいと思いました。

実は名神高速の開通当初の歴史はNEXCO中日本でも把握してない事ばかりになってる

ーカレントライフ鈴木
日本の高速道路の歴史に欠かせない人物に、ラルフ・J・ワトキンス氏がいるんですが、よほどのカーマニアでもワトキンスを知ってる人はいないでしょうね。ましてや女性でワトキンスを知ってる人はさらに少ないかもしれません。

ー山形みらい
高速道路に興味を持った時に、私は基本から入りたいとおもったので一から知りたいなと、まずワトキンスから入りました。

ーカレントライフ鈴木
名神高速開通当時のエピソードも面白いですね。高速走行に耐えられないクルマが続出したり、路肩で弁当を食べていたり、さらには速度超過ではなく最低速度50km/h以下で走るドライバーが検挙されたとか。

ー山形みらい
いい道路ができても、道路にクルマの性能が追いついてなかったですからね。路肩で弁当を食べるのも、それが日常だったようです。実は当時の違反の検挙数は速度超過ではなく最低速度違反が圧倒的に多かったんだそうですよ。当時、取り締まりの対象になっていたのは速度超過ではなく最低速度違反なんです。そもそも高速道路をどうやって走ったらいいかみんなわからなかったんですよ。

ーカレントライフ鈴木
それは知りませんでした!この本を書くにあたって取材や資料はどこで調べられたんですか?

ー山形みらい
直接現場に行きました。NEXCO中日本のコミュニケーションプラザ川崎の館長さんがちょうど名神を建設したときに携わっていた方で、直接色々な話を聞きました。ただ、その方は既に退職されてしまって、その直前までお世話になりました。退職後も連絡は取っていますけどね。

ーカレントライフ鈴木
いやぁ、できることなら、昔のクルマが好きな者としては私も当時のお話を伺ってみたいですね。

ー山形みらい
もう、当時の名神高速のことを知ってる人がいらっしゃらないようです。早くに退職されてしまったか、既に亡くなってしまったか、NEXCO中日本の関係者でも昔のことは知らない方が多いんです。この本書いた後に、NEXCOの方から「また、すごい本を書いたね」という言葉をいただきました。NEXCOの方も知らないことが多かったみたいで「初めて知ることばかりでびっくりしたよ」と言われたりで。

意外と知らないサービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシスの違い

ーカレントライフ鈴木
サぱ協会と言えばSA、PAですが、厳密な違いって多分みなさん知らないでしょうね。ハイウェイオアシスも別物というのは知らなかったです。
に差し替えお願いします。

ー山形みらい
SA、PAはNEXCOさんの運営で、ハイウェイオアシスは自治体が運営している施設なんです。刈谷ハイウェイオアシスは刈谷市が運営して、更に都市公園がセットになっています。それに高速道路が接続しているんですが、実はNEXCOさんとは全然運営は関係ないんです。NEXCO中日本エリアから来た人がNEXCO西日本のエリアに来ても、みなさん同じ運営会社だと思ってるんですが、中日本と西日本では運営も全く別で、NEXCO中日本とNEXCO西日本だからサービスの違いがあったとしても対応できないこともあるんです。それをお伝えするのがサぱ協会なんです。

▲実際に各SA・PAで実際に購入したお土産を試食し意見交換も、その意見はSA・PAを運営しているNEXCO各社に伝えられる

ーカレントライフ鈴木
PA、SAはSS(給油施設)があるかないかなんて言いますが…。

ー山形みらい
実は、それも違うんです。厳密には50kmごとにあるか15kmごとにあるかの違いなんです。SSがあるかないかでみなさん判断されてるんですが、実際はそうじゃないんです。たまたま偶然、東名がそうなってるだけなんです。まずSAは50kmごとに配置し、その間にPAをいくつ置くか決めるんですが、その間隔がだいたい15kmくらいです。SSは必要に応じておくのですが、長大トンネルの前だとPAにSSが設置されるケースもあります。

ーカレントライフ鈴木
施設に違いはあるんですか?

ー山形みらい
SAのほうが大きいようにも思えるんですが、基準はないんです。中にはすごく大きなPAもあって、関越道のパサール三芳は見た目は完全にSAくらいの規模があります。

ーカレントライフ鈴木
先日、ちょっと北海道に行ってたんですが、道央道を走った時にサぱ協会の真似をしてSA、PAのウォッチングをしようと思ったら、パーキングがトイレと自販機だけでびっくりしたんですよ。地元の有人に聞いたら北海道の人は高速道路をあまり使わないというんですね。利用者が少ないから規模も小さいのかと。

ー山形みらい
北海道の人は高速道路を使わなくても済みますからね。でも私たちはそういう小さなPAも好きなんです。トイレと自販機しかなくても、わざわざそこに行かれて清掃してる方もいて、そういう方には敬意を払いたいなと思っています。SAやPAというものは、私たちは利用させていただいてる立場なんだと思ってるんです。

ーカレントライフ鈴木
確かに私が小中学生の頃、30年くらい前は高速道路のトイレというと薄暗くて汚かったですね。

ー山形みらい
刈谷ハイウェイオアシスさんが「1億円のトイレ」で話題になってから、NEXCO各社さんが頑張ってトイレを綺麗にするようになったんです。今は個室に入ったらすぐに清掃してくださっています。そして、大きな所は必ずだれかが常駐してます。そういう人が頑張ってらっしゃるのを見ると今日はここでご飯食べていこうかな、とおもうんです。

みなさんも、SAやPAに寄ったときはぜひ何か買ってください。それがその施設への貢献になります。

サービスエリアは日本独自の文化

ー山形みらい
最近は海外の方も日本のSA、PAに注目していて、わざわざ海外からSAを目的に来るらしいんです。そこから日本の文化を広めることができたらいいなと思っています。日本の道路の技術は海外から学んだものですが、SAの技術は日本独自の物なんです。もちろん海外にもサービスエリアはありますが、15kmごと50kmごとに置くという明確な基準があるのは日本だけです。

▲SA・PAを利用した人なら必ず一度は目にしているであろう「みちまるくん」

また3月8日は「サぱの日」と定め、サービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシスを積極的に利用し、全力で楽しみ、早めに休息をとって事故を未然に防ぐことを意識する事を推奨しています。また、サぱ協会の各支部長との会議や各セミナーでの意見はNEXCO各社に伝えられ、より良いサービスが提供できるように反映されているとのことです。

日本サぱ協会、サぱサろん
〒468-0045
愛知県名古屋市天白区野並2-261 ポスタル野並303号
TEL 052-895-1567
facebook http://www.facebook.com/HighwaySAPA
Home Page http://www.n-sapa.com
サぱサろん利用希望者は一週間前までに要予約。

[ライター・カメラ/鈴木 修一郎]

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鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシックカー。免許取得後念願の昭和44年型スバル360スーパーDX購入、その後昭和48年型トヨタセリカLB2000GTを購入し現在も所有、今気になるのは縦目以前のオールドメルセデス。普段、普通の会社員をしつつ、休日は購入から20年近くたったスバル360のDIYレストアに挑戦中。実車のほかカーモデルやスロットカーも嗜み、最近はフルスクラッチで市販キットでモデル化されていない車種も製作。プロフ画像は最近完成したタミヤ1/12Gr.5セリカLBターボのラジコンボディをベースに市販車仕様に改造し自分の愛車を再現した初期型セリカLB2000GT。いつかはドイツに移住し愛車のセリカLBでヒストリックナンバーを取得しアウトバーンを走るのが夢。

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