数奇な運命を辿った『マセラティ・クアトロポルテ』

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■イタリア語で「4つのドア」という車名を持つ大型サルーン■
マセラティ・クアトロポルテ(以下、クアトロポルテ)の車名の由来は、イタリア語でクアトロ=4つの + ポルテ=ドアを組み合わせたものです。クアトロポルテは、スポーティさと快適性の両方の要素を兼ね備えたマセラティ社のフラッグシップモデルなのです。

■クアトロポルテのモデル変遷■
現行モデルに至るまで、クアトロポルテは6度のモデルチェンジを重ねてきました。初代のデビューは1963年であり、3代目に至っては14年間も生産された長寿モデルでした。シトロエン、デ・トマソ、フィアット、フェラーリ…。これまでさまざまなメーカーの傘下あるいは技術協力を得て生き延びてきたともいえるマセラティ社、そしてクアトロポルテ。ようやく市場に認知され、日本国内においても広く浸透しはじめたのは、先代モデルにあたる5代目からといえそうです。

■フェラーリの技術を得てようやく華開いた5代目■
フェラーリF430のものを母体としたエンジン。セミオートマチックトランスミッションの採用、ATモデルの追加。ほぼオーダーメイドに近い形で注文可能な内外装の組み合わせ。そして、スーパーカーを思わせる排気音。扱いやすさと、並み居る同価格帯のドイツ車では決して醸し出すことのできない妖艶な色気を纏った5代目のクアトロポルテは、一部のカーマニアだけでなく富裕層をも魅了し、日本市場において過去最大の販売台数を記録します。

■日本人がデザインしたクアトロポルテ■
その5代目にあたるクアトロポルテは、エンツォ・フェラーリなどのデザインを手掛けた、ケン奥山こと奥山清行氏がピニンファリーナ在籍時に手掛けたもの。このクアトロポルテのデザインは、奥山氏が手掛けた数多くのモデルの中でも、特に思い入れのある1台といわれています。

■クアトロポルテの現在■
6代目へとモデルチェンジした現行モデルは、日本では2013年から販売が開始されました。先代モデルでは選択可能だった右ハンドルの設定がなく、2015年3月現在は左ハンドルのみ。マセラティ初の4駆モデルが設定され、ATも、先代の6速から8速へと、さらなる進化を遂げています。先代モデルのキープコンセプトともいえるフォルムは、クラシカルなイメージから、より近代的なものへとその姿を変えています。

いかがでしたか?ある男性誌のキャッチコピーに「大切なのはお金ではなくセンスです」というものがあります。オーナーのファッション、身につける小物類、醸し出す雰囲気など、クアトロポルテを乗りこなすには「お金だけでなく、センス」が非常に高いレベル要求されるといえます。まさに単に乗りこなすだけでなく、身に纏う感覚。それこそがイタリア車の真骨頂であり、輸入車でしか味わえない醍醐味のなかもしれません。

[ライター/江上透 画像出典/Pinterest]

松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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