懐かしきネーミング。ロータス エランの名を冠したモデルの再来を思い起こす

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日本車としては久々のライトウェイトオープンスポーツカーである、ユーノス ロードスターがデビューしたのは1989年のこと。突如、街中に赤、青、シルバー、そして白のロードスターが走り出し、それは市街地だけでなく、軽井沢などの避暑地でも頻繁に姿を見掛けるほど人気を博しました。ストイックにライトウェイトスポーツカーの走りを楽しむだけでなく、デートカーとして扱える懐の深さも魅力的でした。

いまでも街中で見掛ける機会が多いモデルですし、マツダが純正部品の再生産の可能性を示唆するなど、日本車の新たな歴史の扉を開いた1台であることは間違いないといえます。

2代目エランとユーノス ロードスターがは同じ1989年に発表された

2代目となるロータス エランが復活することになったのは、奇しくも、ユーノス ロードスターが発表された1989年と同じ年です。初代ロータス エランは、1962年に2シーターのオープンスポーツカーとしてデビュー。クローズドボディが追加されるのは1965年のこと。1.6L DOHC水冷直列4気筒エンジン、駆動方式はFR、4速/5速の違いはあれどMT車という、ユーノス ロードスターとの共通点も少なからず見受けられます。

ボディサイズで比較するとご覧のとおり。ユーノス ロードスターでさえコンパクトに見えるのに、初代エランはさらに小型であることが分かります。

*各モデルのボディサイズ
ロータス エラン(初代):全長×全幅×全高:3683×1422×1150mm

ロータス エラン(2代目):全長×全幅×全高:3810x1730x1255mm

ユーノス ロードスター:全長×全幅×全高:3970x1675x1235mm

2代目エランのエンジンはいすゞ ジェミニ用。駆動式はFFに

2代目エランには、いすゞ ジェミニ用の1.6L直4DOHC NAエンジン(最高出力130ps)と、インタークーラー付きターボモデル(最高出力165ps)が存在していました。日本に導入されたのは「SE」というグレード名が与えられたターボモデルのみ。タイヤサイズは、205/50ZR15インチ(SE)。アルミホイールはOZ製。最高速度は220km/h、0〜400m加速は15.4秒とアナウンスされていました。ちなみに、車両価格は625万円。いささか野暮な話しではありますが、ユーノス ロードスターとは3倍近い価格差があったのです。

これは筆者もはっきりと記憶していますが、当時、駆動方式にFFが採用されたことを嘆く声が大きかったように思います。それはまるで、トヨタ カローラ レビン/スプリンター トレノが、AE86からAE92にモデルチェンジした時点で、駆動方式がFRからFFに置き換わったときのようです。現在オンエア中のドラマ「タラレバ娘」ではありませんが、もしAE92とそれ以降のレビン/トレノの駆動方式がFRだったら・・・?AE86のように、現存している個体が多かったに違いないと想像します。

インテリアはいたってシンプル

2代目エランの内装は、黒で統一されたシンプルな構成。上級モデルにあたるSEのシートの素材には本革が採用され、赤いラインが背もたれと座面に配された仕様だけでなく、ベージュや黒単色のものも存在します。幌の開閉は手動で行う点は、古き良きライトウェイトスポーツの伝統の受け継ぐ・・・といえばそれまでですし、日本では600万を超える高級車であることを考えると、現代に誕生することがあれば必然的に電動オープンとならざるを得ないでしょう。

S2モデルを経て、韓国の起亜自動車として生まれ変わる。そして・・・

2代目エランは1992年まで生産されたものの、短命に終わったといわざるを得ません。1994年に一時的に「S2」の名を冠して復活を遂げたものの、韓国の起亜自動車から「キア ビガート」として、ロータスからエンブレムを交換して発売。1997年に生産終了となりました。その後、現在に至るまでロータス社からはエランの名を冠したモデルは発売されていません。

ロータス・エリーゼが発売されたのは1995年。すでに20年以上のときが過ぎているのです。エキシージや2イレブン、エヴォーラ、ヨーロッパなど、各モデルが展開されていることを鑑みると、そろそろ「エラン」の名を冠した3代目モデルが登場してもよいのでは・・・そう願うばかりです。

[ライター/江上 透 画像出典/Pinterest]

松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。カレントライフは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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