車検の切れた愛車との最後のドライブ。車検切れのクルマを自走で回送する方法とは

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4月13日、新車購入から23年間我が家の自家用車として頑張ってくれた日産クルーLXサルーンGタイプが車検切れをもってお役御免となりました。

このまま解体処分というのも忍びないので、法人用セダンやプロパン車マニアの間で有名な北海道の日産クルーのコレクターの方に譲渡することになり、4月16日から20日にかけて、北海道まで回送という名の最後のロングドライブをしてきました。

回送のルートを決める

今回の譲渡先は、北海道虻田(あぶた)郡のコレクター。ルートは最後のドライブとなるので仙台か青森まで自走してフェリーで北海道に上陸というのも考えたのですが、確実さをとって太平洋フェリーを利用して、名古屋港→苫小牧→虻田郡というルートにしました。帰りはLLCで新千歳空港から中部新国際空港で名古屋に帰るという算段です。

本来こういうのを決めるのは心が弾むものなのですが、クルーを人手に渡すためと思うと、チケット購入をするのもためらいが出るもので、Web予約の決定ボタンを押すのに10分近くかかりました。

スケジュールは、4月16日19:00名古屋港発の太平洋フェリー「いしかり」に乗り、17日に仙台港に一度寄港し、18日11:00に苫小牧港着。室蘭で一泊して19日に引き渡し、その後新千歳で一泊し、エアアジア、新千歳14:45発の中部新国際空港行きに乗って名古屋に戻るという予定です。

車検の切れたクルマを自走で回送するには?

もちろん、車検の切れたクルマで公道を自走することは出来ません。そこで必要となるのが「自動車臨時運行許可番号標」いわゆる「臨番」「仮ナンバー」と呼ばれている、赤い斜線の入ったナンバープレートです。

仮ナンバーの貸し出しを行っているのは市町村役場となりますが、名古屋市北区に住んでいる筆者の場合は名古屋市北区役所の総務課が窓口となっています。ただし、仮ナンバーを申請すれば無条件に車検のないクルマを走らすことができるというわけではありません。

仮ナンバーの運行が認められるのは
・ナンバープレートが破損、紛失、盗難に遭った際の再交付のため
・未登録車の新規登録
・検切れ車の検査場までの運行
・検切れ、未登録車の譲渡、販売のための移動(筆者はこれにあたります)

「臨時運行許可申請」に必要なものは、
・自動車検査証、または一時抹消登録証明書
・運行期間中有効な自動車賠償責任保険証明書(自賠責)
・印鑑
・申請者の身分証明書(運転免許証で可)
・手数料750円

ちなみに、自賠責保険の有効期限は必ず車検の有効期間中は必ず有効でなければならないと定められているため、空白期間が発生しないよう車検の有効期限から約一か月余裕を持っています。新規登録車向けの自賠責のプランが37ヵ月、25ヵ月、13ヵ月となっているのはそのためです。

我が家のクルーの場合、車検の有効期限は4月13日ですが、自賠責の有効期限は5月11日。車検の有効期間後も、とりあえず5月初旬までは仮ナンバーで運行することができます。

あくまで仮ナンバーは車検や譲渡、販売のための移動であり、「車検のないクルマを私用で使いたいから」というのはもちろん、「車検のないクルマでサーキット走行やレースに出るためにサーキットまで自走で移動する」「イベントに展示するために会場まで自走したいから」という使い方はできません。しかし、残念ながらそういった目的外の使い方をする事例が後を絶たず、中には書類のないクルマを公道で走らすために他のクルマの車検証で申請したり、暴走族が違法改造車でツーリングするために仮ナンバーを不正に申請して使用したり、と悪質な事例もあり、臨番運行の取り締まりと条件は年々厳しくなっています。

▲3階の総務課が「自動車の臨時運行」の窓口になっています

市町村によって違いがあるようですが、運行期間は最長5日、臨番の貸し出しは前日から。今回は車検の切れる前日の4月12日金曜日に申請に行ったので有効期間は週明けの15日月曜日から19日、ちょうど引き渡しを予定している日が最終日となります。

ところで、筆者は10年ほど前からスバル360は車検が切れたら1~2年休眠させたのち自分で軽自動車検査協会の検査ラインに持ち込んで車検を受けるという事をしているので、すでに何度か北区役所で臨番運行の申請をしています。

仮ナンバーを必要とするのは車検制度のある車両であるため、四輪車のほかに251cc以上の自動二輪車も対象となります。そのため一般的な中板と呼ばれる乗用車についているサイズのナンバープレートのほかに、小板と呼ばれる自動二輪車用のサイズの仮ナンバーも存在します。実は360cc軽のナンバープレートのサイズはこの自動二輪車の小板のサイズと同じで、いつも自動二輪用の小板を2枚貸してほしいというのでそのたびに訝しげな態度をとられます。

▲昔の360cc規格の軽自動車が自動二輪と同じサイズのナンバープレートというのは説明してもなかなかわかってもらえません

「自動二輪車」も「軽自動車」も、もとは「軽自動車」という一つの規格で車体寸法が定められている以外は車輪の数は特に決まってなかったのですが、1950年7月の改定でようやく、4輪、3輪、2輪の区分ができます。地域によって(主に西日本)でわざわざ軽自動車を「軽四輪」と呼んだりするのは、360cc規格軽のナンバープレートが自動二輪と同じサイズなのは、自動二輪車も軽自動車も一つの規格だった名残といわれています。

少々話が脱線しましたが、次回は北海道のまでの道中と、譲渡先の方の秘蔵コレクションについても書きたいと思います。

[ライター・カメラ/鈴木 修一郎]

鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシックカー。免許取得後念願の昭和44年型スバル360スーパーDX購入、その後昭和48年型トヨタセリカLB2000GTを購入し現在も所有、今気になるのは縦目以前のオールドメルセデス。普段、普通の会社員をしつつ、休日は購入から20年近くたったスバル360のDIYレストアに挑戦中。実車のほかカーモデルやスロットカーも嗜み、最近はフルスクラッチで市販キットでモデル化されていない車種も製作。プロフ画像は最近完成したタミヤ1/12Gr.5セリカLBターボのラジコンボディをベースに市販車仕様に改造し自分の愛車を再現した初期型セリカLB2000GT。いつかはドイツに移住し愛車のセリカLBでヒストリックナンバーを取得しアウトバーンを走るのが夢。

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