この優雅なフォルムを日本の地に残したい、ジャガーXJ-Sコンバーチブル

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現役当時からクラシカルな雰囲気を感じさせるデザインだった、ジャガーXJ-S。さらにコンバーチブルモデルとなると、よりしっとりさを増した「大人のクルマ」といえます。

当時はずいぶん大柄に思えたボディサイズも、現代の感覚からすればそれほどではないことに気づかされます。

ジャガーXJ-Sコンバーチブル(V12) 全長×全幅×全高:4765x1810x1260(mm)

ジャガーFタイプコンバーチブルR 全長×全幅×全高:4470x1925x1310(mm)

エンジンは、226psを発生する4L 直6 DOHCと、284psを発生する5.3L V12 SOHCの2種類。直6エンジンには4速ATが、V12エンジンには3速ATが組み合わせられます。日本における4L 直6エンジンを搭載したモデルが発売されたのは数年程度で、基本的には5.3L V12エンジンを搭載したモデルがメインでした。

現行モデルにあたるジャガー FタイプコンバーチブルRと比較すると、ミッションは3速から8速へ。エンジンの出力も284psから508psと確実に進化していることが数字上からも確認できます。

しかし下記のように、

●ジャガーXJ-Sコンバーチブル(V12)の車両重量:1840(kg)
●ジャガーFタイプコンバーチブルRの車両重量:1810(kg)

…と、車重は軽くなっているのです。

そもそも、ジャガーXJ-Sがデビューしたのは1975年のこと。あのジャガーE-typeの後継モデルとして誕生したのです。ちなみに、コンバーチブルが追加されたのは1988年から。その後、1996年に生産が終了するまで、実に21年(コンバーチブルモデルは8年)ものあいだ販売されたクルマなのです。

当時はそれほど時代の流れが緩やかだったのでしょうか。トヨタ プリウスの現行モデルがあと20年生産されるとしたら、2037年まで基本的な佇まいは変わらないことになるのです。仮にトヨタがそう考えていたとしても、もはや市場が許してくれないかもしれません。

さて、1975年にデビューしたジャガーXJ-S。1992年モデルで、実に16年振り(!!)にマイナーチェンジを行いました。ジャガーXJ-Sという素材を活かしながら、よりモダンな雰囲気に近づいたといえます。その内容は1,200箇所以上にもおよぶパーツのリニューアルやボディパネルの変更など。もはやビックマイナーチェンジといってよい規模でした。

筆者も、この12気筒モデルに触れたことがありますが、エンジンの回転を上げなくても滑らかに走り出す感触と「ネコ足」に代表されるしなやかな乗り心地に、ただただ深い感銘を受けた記憶があります。ステアリングホイールのグリップやシフトノブ、車内のスイッチやペダル類など、あらゆる点が細身だったり、どことなく無骨なイメージがあるドイツ車と比べると、華奢でしとやかな印象だったり…。インテリアのいまとなっては懐かしいコノリーレザーのシートも、ドイツ車のそれとはまったく異なる肌触りと仕立てです。高速道路をひらすら飛ばして走るというよりは、優雅にのんびりと流したくなる、そんな気持ちにゆとりを与えてくれるような印象を持ちました。

この年代のジャガーと比較すると、現代のモデルは引き締まったアスリートのような、優雅なコンバーチブルモデルから、しなやかな野獣を思わせるスポーツカーへと変貌を遂げたといえるでしょう。ジャガーに対して何を求めるかによって、好みや選ぶモデルにも違いがありそうです。

[ライター/江上 透 画像出典/Pinterest]

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松村 透

輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作や、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。外車王SOKENは2015年より参画。副編集長を経て、2019年、編集長に就任。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911Sと2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン。9月11日生まれの妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。

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