マツダの「深化」が止まらない!美しい魂動デザインは次世代型カロッツェリアも過言ではない?

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最近マツダのデザインがずっと気になっている。世界的にも今一番デザインに優れているカーメーカーと言っても過言ではないのでは?と個人的には思うほど。ここ10年でマツダほどデザインが一気に変わった(よい方向に)メーカーはほかにないのではないだろうか。

美しい…魂動デザイン

▲深みある立体感を出したソウルレッドクリスタルメタリックに染まったCX-3。木漏れ日の中、美しく陰影を載せたその姿はヨーロピアンな雰囲気漂う石畳とも絶妙にマッチ

2010年に発表したデザインスタディモデルであるSHINARI(靱)で打ち出した「魂動デザイン」。今見てもスタイリッシュなこのコンセプトカーの流れをくむデザインはCX-5とアテンザ、そしてアクセラとデミオに受け継がれたのだが、個人的にはマツダデザインに興味を惹かれ始めたのはCX-3とロードスターの発表あたりからだった。

▲存在感抜群なスノーフレイクホワイトパールマイカのMX-5(ロードスター)。コンパクトなボディながらも街中で異彩を放っていた

CX-3はコンパクトサイズながら、クロスオーバーで唯一とも言えるほどスタイリッシュに仕上がっていて、ロードスターは艶のある出で立ちが最高にカッコいい。両車に言えることは、どちらも全体のバランスが良くとれていて見た目にも「正しい」シルエットになっているのと、シンプルに見えてすごく複雑な構成から生まれる「面」で見せる陰影を効かせたシャープで立体感あるデザインになっていることだ。写真だけではわからない美しさ、とくにTAKUMINURI(匠塗)とマツダが呼んでいる塗装技術で生み出された独特な色の深みは実際に街で実車を見かけるとハッと気づかされる。

最新のマツダデザインが最良のマツダデザイン

▲シャープなエッジと美しくカーブした曲面の融合で独特な立体感を出したCX-5。 マシーングレープレミアムメタリックがソリッドかつ艶やかな印象を引き出す

第二世代目のCX-5はさらに先ゆく美しさを表現している。シャープに突き出したノーズや、前輪から後輪へ向かって張り出していくサイドパネルなどは、もしや去年の東京モーターショーで発表されたVISION COUPE(ビジョン・クーペ)からの先取りか?と思わせるほど。他のSUVとは一線を画すエレガントな出で立ちで、先述のCX-3よりさらにスタイリッシュになっている。こうしてみると「最新のマツダデザインが最良のマツダデザイン」と、どこかで聞いたことがあるようなフレーズが頭に浮かぶ。

ちなみにそのVISION COUPE、同じ4ドアクーペコンセプトとして7年前に発表されたSHINARIを進化、マツダの言葉を借りるなら「深化」させたモデルのように見える。最近のトレンドである、ラインを多用したアグレッシブなスタイルとは対照的に、装飾的なディテールを削ぎ落としたなめらかで繊細な艶のあるデザインに仕上がっている。それでいて曲面とシャープなエッジのバランスが取れていて、力強さを持たせているのはお見事の一言。

VISION COUPEと同時に発表され、次期アクセラのコンセプトモデルであると思われるKAI CONCEPT(魁)もVISION COUPEと同じデザイン言語を持ち合わせる美しいハッチバックで、量産型のデザインに期待せずにはいられない。

元祖魂動デザイン?知る人ぞ知るユーノス500

▲ミニマルな凹凸でエレガントな造形を作り出したユーノス500(写真はXedos 6)。ピニンファリーナがマセラティ・グラントゥーリズモで、テールライトの形を真似したとかしてないとか…(あくまでも筆者の想像である)

過去にもマツダは美しいデザインのクルマをいくつか輩出している。90年代にマツダが5チャンネル体制を打ち立てていたなかのブランドの一つ、ユーノスから発売されていたユーノス500は、これが今のマツダデザインの元祖かも?と思える優雅なデザイン。

はっきりとした線などは一切なく、ラウンドした面のみで構成されたバランスのとれたプロポーションはシンプルながらもエレガントで美しい。ドイツでもXedos 6(クセドス6)として販売されていたようで、コアなファンがいるのかたまに見かける機会がある。ユーノスが「10年基準」という10年経っても衰えない品質という理念を掲げていたが、デザインに関しては10年どころか発売から25年以上経過した今でもその美しさは衰えていない、まさにタイムレスなデザインである。

ここで特筆したいのは、マツダは今のところ量産車メーカーであり、価格帯にしてもプレミアムブランドの域ではないことである。高級車・高額車になるにつれてデザインにこだわったクルマになっていくのはある意味普通(コストなどの関係で)であるが、一般庶民の手が届く値段でここまで手のこんだデザインのクルマが手に入るのは異例。

前回の記事でもお話ししたが、立ち位置が怪しくなっていくイタリアン・カロッツェリアの次世代を担うのはマツダなのでは?と思ってしまう筆者なのであった。

[ライター・撮影/五十嵐 圭吾]

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五十嵐 圭吾

基本見た目重視。特にインダストリアル/プロダクトデザインの機能美にはこだわりを持つ元服飾デザイナー。ロンドンで芸術大学卒業後、英国企業に就職するも、憧れだったベルリン移住を果たしフリーランサーへと転身。

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