中古車販売店の当たりハズレを見切るのは難しい…今の時代の「ある程度使えそう」なメソッドとは

  1. カーゼニ
  2. 326 view

自分は当たり前だが軍人ではなく、しかも実は伊達という名字ですらないのに、なぜか「伊達軍曹」なる珍妙な筆名を名乗って中古輸入車に関するモロモロを書き始めたのが、たしか6年前。最初の頃は、当たりハズレが多い中古車販売店のなかから「当たり」を引くためのテクニックのようなことを主に書いていた。

凡庸な弁当が「旨そうな弁当」に変身する理由

しかし最近はその手のことをほとんど書いていない。初期の頃に書き尽くしてしまったから……という理由もあるが、それ以上に「最近は、以前と比べて当たりの中古車販売店とハズレの販売店とを見分けるのが難しくなってきたから」という理由のほうが大きい。

や、自分はさすがにこの道20年以上の大ベテランゆえ、今でも店舗さえ見れば、いや店舗に行かずとも半径70mぐらいまで接近するだけで、その販売店の質を見抜けてしまうという特殊技能を持っている。

しかし一般の方にとっては、昨今のサーカムスタンスは少々コンプリケである。つまり「状況が複雑になっている」ということで、そんなコンプリケな状況下で、「お店のココをこう見れば、当たりかハズレかを判断できますよ」というシンプルでナイーブな原稿はなかなか書けないのである。

では中古車販売店界の何がどう複雑になってきているのか? ということをご説明するため、寓話的な例として2枚の写真をお見せしよう。

1枚目は下のコレ。

自分は最近弁当男子ならぬ「弁当中年」として華々しい活躍をしているのだが、これはある日作成した自分用の弁当である。料理のプロから見れば甘い点もあろうが、素人が作った弁当としてはなかなか旨そうでステキなのではないかと、我ながら思う次第である。

しかしこの写真には仕掛けがある。そこで見ていだきたいのが下の1枚だ。

これが加工を施す前のオリジナル画像である。……特に不味そうには見えないはずだが、これを見て「すっごくおいしそうですね!」などという者は大嘘つきだ。「ごく普通」としか評しようのない凡庸な弁当である。

何の変哲もない凡庸弁当が「なかなか旨そう」な弁当に変身した理由は、21世紀のテクノロジーを活用したからだ。具体的には、LINEアプリの中にあるカメラ機能を使って写真をパシャリと撮り、そのまま「おいしく」というフィルターをかけたのである。このフィルターは本当に魔法のフィルターで、おそらくは道端のゲロでさえも「旨そうな何か」に変換させるだろう。試したことはないが。

そして昨今の中古車版売業界でも、これと似たような21世紀のテクノロジーが、一部では駆使されているのだ。

今や「中古車販売店の良し悪し」を見分けるのは難しい?

自分が中古車専門の記者業を始めた22年前は非常にシンプルだった。ヤクザではないのだがほとんどヤクザみたいな人が経営しているダメなお店は、スタッフが本当にヤクザみたいな衣服を着ていたからだ。これなら一目瞭然である。

自分が「伊達軍曹」と名乗りはじめた6年前はさすがにそこまでシンプルではなかったが、古き良き時代(?)の名残はそこかしこにあった。それゆえ「中古車店の判別法」みたいな記事は比較的書きやすかった。

しかし現在は違う。

一部には旧態依然とした「見るからにダメな店」もあるが、たいていの販売店はおしゃれでシュッとしている。そこで働いている人もほぼ全員が「デキるリーマン」みたいな爽やか系の衣服および頭髪でキメていて、接客態度も基本的には問題なし。そしてお店のウェブサイトも「いかにもいい感じ」でまとめられている。

つまりは「物事をいい感じに見せるための各種テクノロジー」が急発達したため、「味噌=ステキな中古車販売店」と「糞=ダメな中古車販売店」の表層的なビジュアルがほぼ同一になってしまったのだ。困ったことに。

それでも自分はキャリア22年なので、前述のとおりお店の半径70mまで接近するだけで「ダメのかほり」を確実に嗅ぎ取ることができる。しかしそれと同じことを、中古車経験の浅い方に求めるのは酷というものだろう。

では、結論としてどうすればいいのか?

自分のように20年以上の中古車キャリアをこれから積む? ……それでは日が暮れるというか、人生が終わってしまうかもしれない。

何十台も何百台も中古車を買ってみる? ……そうすれば確実に自分のような特殊技能を習得できるはずだが、いささか非現実的である。

「その人にカネを貸したらどうなるか?」をイメージする

ということで「決定的な解決策はありません」というのがもっとも誠実な回答となるわけだが、それではあまりにもあんまりなので、わたくしが思う「そこそこ有効なはずの解決策」をお伝えしよう。

それは「その人にカネを貸したらどうなるか?」ということを、中古車販売店の担当者に対して妄想してみることだ。

その人が財布を落としたかスリの被害に遭ったか何かで、本来は人からお金を借りるような人じゃないのに、家に帰るための電車賃すらなく困っている。当然、そばにいるあなたは知人である(という設定の)その人に、当座のいくばくかのお金を貸すだろう。千円札1枚だろうか? それとも五千円札ぐらい? わからないが、まぁ貸しますわな。「返すのはいつもでもいいよ。今日は大変だったね」とかなんとか言いながら。

そしてそれの「返済」が、この人の場合はどうなるだろうか……ということをイメージしてみるのだ。イメージは、おそらく以下の4パターンに分かれるだろう。

■イメージA:なかなか返ってこない。下手すりゃ永遠に忘れたふりをされる
→不可。そのお店では絶対に中古車は買わないほうが良い。

■イメージB:多少遅れて、「あいつ返してくれんのかな?」と不安になり始めた頃に「ごめんごめん!」とか言いながら返済される
→可。その店で買うなとは言わないが、私だったら買わない。

■イメージC:かなりスピーディに返済される
→良。中古品ゆえ「絶対OK」はないが、酷いことになる可能性は低いはず。

■イメージD:スピーディに、かつ御礼の品付きで返済される。
→優。御礼は缶コーヒー1本でも飴ちゃん1コでも、別になんでもいい。そういった気遣いができる人が「いい人」かどうかはわからないが、少なくとも「デキる人」ではある。中古車は、そういったデキる人から買っておけばまず酷いことにはならない。

以上が、「絶対確実」ではない点が申し訳ないところだが、このコンプリケな状況下で「ある程度使えそう」なメソッドの一つである。ご参考にしていただけたなら幸いだ。ちなみに自分はほぼ常に「イメージD=優」のお店から中古車を買っている。自分の「輸入中古車400勝」という栄えある(自称の)称号は、このようないくつかのメソッドに支えられているのだ。

[ライター/伊達軍曹]

輸入車に関するお困りごと、なんでもご相談ください!

カレントライフを運営するカレント自動車は、輸入車のトータルサービスを提供しており、ポルシェ・ベンツを中心にした輸入名車の販売だけでなく、買取・整備・車検・パーツなどあらゆる領域でサポートが可能です。だから輸入車に関するお困りごと、なんでもご相談ください!

無料相談はこちら
伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

記事一覧

関連記事