自動車愛好家の聖地に出陣。いつだってクルマだったが…人生初の電車による箱根散策へ

  1. カーゼニ
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前にもこちらカレントライフで述べたことがあったかもしれないが、自分は普段あまりクルマの運転をしない。

何かと便利なエリアに住んでいるということと、飲酒を好むという2つの理由が合わさって、近場あるいは準近場みたいな場所への移動はたいてい電車/バス/徒歩/タクシーで行う。そして出先で麦酒などを飲み、ほろ酔い加減になる。そんでもって「よっ、ねえちゃんええケツしとるやんけ!」などと道行くご婦人に声をかけ、110番通報される。それが自分の日常だ。

しかし箱根に行くときだけは、こんな自分でもいつだってクルマである。

人生初の、クルマではなく電車による箱根散策を敢行

箱根。それは首都圏に住まう者らにとっての一大観光景勝温泉地であるばかりでなく、自分のような自動車愛好家にとってはある種の聖地でもある。

便所コーナー。オカザキコーナー。某氏が某車で250km/hのリミッターにブチ当てたとの伝説がある、某さほど長くはないストレート。……そういった数々の“聖蹟”を自家用車で詣でつつ、大観山にて聖小林彰太郎大天使に心の中で一礼し、カーグラTVのテーマ曲を口ずさみながら安全運転で帰途につく。

……それが、自分のようなカーマニアとしては番外地にいるような者にとってすら正しいと思える箱根参りの作法だ。

それゆえ自分は「マツダ ターンパイク箱根」や「芦ノ湖スカイラン」についてはそれなりに詳しいが、一大観光景勝温泉地としての箱根についてはぜんぜん詳しくない。箱根とは目と鼻の先とも言える東京に四十九年も住んでいながら、有名観光地とかにはほとんど行ったことがないのだ。

「こんなことではイカン。人としてダメになる」と考えた自分は過日、いわゆるひとつの箱根観光をしてこますことにした。本当に普通のおっちゃんやおばちゃんがたどるような行程を、クルマではなく電車・バス・徒歩などで巡ってみることにしたのだ。

これが本当に素晴らしかった。

電車、バス、徒歩に変えてみたことで見えてきた風景

行きは新宿駅から小田急ロマンスカー。大変素晴らしい。何が素晴らしいって、自家用車で箱根に行く際は当然ながら運転にこれ専念しなければならないわけだが、ロマンスカーは違う。「早朝から麦酒を飲む」「弁当を喰らう」「街並みや田園風景などを車窓から眺める」「飽きたら寝る」などの、まるで加賀百万石のお殿様にでもなったかのような行為にうつつを抜かせるのである。そしてうつつを抜かしているうちに、気がつけば箱根湯本駅に到着している。なんたること。魔法のようだ。

箱根湯本駅からは箱根登山バスにて元箱根方面へ。普段であればNAロードスターなどでブワーッと一瞬で通り過ぎてしまうような道も、とろくさいバスで走ると見える風景がまったく異なるため、いちいち新たな発見がある。ていうか自分で運転するときは風景をガン見するわけにもいかないので(あぶないですから)、自分は「箱根の風景」を実はぜんぜん知らなかったのだなぁと、今さらにして気づく。

そして普段であれば遠目に見るだけの箱根神社の石段をえっさほいさと登り、ハコネノオオカミ様に、安全運転と「どうか金持ちになれますように……」との願いを伝える。

んで、芦ノ湖ではスキール音を響かせながらオカザキ教授ばりのコーナリング(※気分だけ)に励むのではなく、元箱根港からのんきに「箱根海賊船」に乗り込み、普段はまったく見ちゃいなかった芦ノ湖の景観を、まるで初めて箱根にやって来た童子のように堪能し、桃源台港で下船ののち大涌谷を目指す。

まぁおっさんの箱根観光をこれ以上詳細にレポートしても社会に対する迷惑でしかないため、以下はざっと写真だけでいこう。


大涌谷で腹ごしらえ。なぜか、普段なら絶対食べない「カツカレー」の気分だった。


くろたまご館のオブジェの前で、観光客に呆れられながら渾身のたまごポーズをキメる。


箱根ロープウェイで空中散歩。おおっ、話には聞いてたけどこんな感じだったのか!


箱根登山鉄道にて鉄分を補給。


途中あったよくわかならい茶室を見学して和の心を補給。


箱根強羅公園でひと休みしてアイス食って、帰りは東海道線の安グリーン車で都内へ。

こんなことなら自家用車なんていらない……のか?

とまあ以上のような素晴らしき1日であった。端的に言うなら「速度を落とすことで、それまで見えなかったものが見えるようになった」ということだろうか。ビバ電車、ビバ歩き、である。

「こんなことならもうクルマはいらねえな……」と、ビバビバ言いながら思った自分だが、それもまた軽挙妄動の一種ではあるのだろう。

なぜならば、いっときはビバ電車、ビバ歩きの心持ちに浸りきったとしても、それをビバビバ延々繰り返すうちに、今度は電車および徒歩のみにての生活に倦み、「やっぱクルマ欲しいよなぁ……オレはもっとこう自由に移動したいわけよ!」と、昭和の高校生か大学生のようなことを言いだすに決まっているからだ。

であるならば最高の生活とは、やはり現状のように自家用車を1台ないしは複数台所有することで「選択の余地を得る」ということになるのだろう。気分次第でビバ自家用車、また気分次第でビバ電車または徒歩と使い分けられるのも、そもそも自家用車があってこそである。ビバ自家用車、である。

だがつい先ほど、差出人不明の封書が我が長屋の郵便受けに届いた。開封してみると、便箋には「前略 ならば自家用車じゃなくてカーシェアリングでもいいんじゃないですか? 草々」とだけ書かれていた。

痛いところを突かれた。

[ライター/伊達軍曹]

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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