自動車趣味を満喫したいからこそ「残価設定ローン」がなんか好きになれない

  1. カーゼニ
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中古車評論家を自称し、私生活でも中古車ばかりを乗り継いでいる自分は、人からしばしば「修理代がかさむ中古車ばっか買ってないで、新車にしたほうがかえって安上がりなんじゃないの?」と言われる。そんなことを言われても、こちとら自慢じゃないが金はないので無理である……と言うと、これまたしばしば言われるのが次のひと言だ。

「じゃ、残価設定ローンを組めばいいじゃない?」

残価設定ローン……。ディープなカーマニアが多そうなカレントライフの読者諸兄には、今さらその概要や仕組みを説明する必要はあるまい。メリットとデメリットについてもよくご存じだろうし、万一ご存じではない場合でも、なんちゃら知恵袋みたいなものを見ればいくらでも具体的な事例が載っている。

ということでそのあたりの詳細は完全にすっ飛ばして、わたくしこと不肖伊達の見解っつーか意見を述べてみたい。

なんか好きじゃないんですよね、残価設定ローン。なので、わたしは使いません。

「終点から逆算するカーライフ」に対する個人的疑問

たしかに月々の支払額だけを見れば、なかなか魅力的ではある。試しに今、BMWジャパンのコンフィギュレーターでテキトーに見積もってみたところ、新車の320d Mスポーツに10万円のヘッドアップ・ディスプレイを付け、48回払いの「1.99% BMWフューチャーバリューローン」で買うとすると、月々の支払額は「3万9300円」と出た(※頭金200万円、ボーナス月加算10万円)。これぐらいならば、庶民オブ庶民を自負するわたしでもイケなくはない。

320d_sim
(BMWジャパンサイトより)

しかし残価設定ローンを組むと、どうしたって物事を起点ではなく「終点」から考えてしまいそうであり、それが嫌なのである。

つまり、あくまで一例だが上記のコンフィギュレーターで出た4年後の据置額「204万7500円」という金額が常に頭にちらつき、「このペースだと想定の年間9000kmを超えちゃいそうだから、出動頻度を落としたほうがいいかな……?」とか、「エンジンのアレをちょっとナニしてチューンしてみたいけど、そうすると据置額が保証されなくなるのかな?」等々々々々々の、本当にどうでもいいことをいちいち考えてしまう。それが、どうにもこうにも気持ち悪いのである。

全方向的に「自由」であってこその自動車趣味

もちろん今現在残価設定ローンを組んでいる諸兄や、これから組もうとする諸兄らを否定するつもりは毛頭ない。このあたりの判断は完全に各人の自由である。しかしながらわたくし個人の思いとしては、「クルマ選びっつーか自動車趣味って、もっとこう“自由”であるべきなんじゃねーの?」というのが強烈にあるのだ。

例えば。このままのペースで出動し続けると、どう考えても(BMWの場合の)規定である年9000kmを超えてしまう気配は濃厚。どうするオレ? ……しかし行く! 走る! わたしは走る! なぜならば走りたいからだ! うおおおおおお!

また例えば。なぜか突発的にボディカラーをアルピン・ホワイトIIIからドドメ色の迷彩柄に全塗装したい気持ちでいっぱいになった。自分でも理由はわからない。そしてそんな全塗装をしてしまえば、クローズドの据置額は適用されない可能性が高い。ていうか絶対に適用されないだろう。しかしオレはやる! 全塗装! なぜならばオレは今、脳内で「ドドメ色迷彩の3シリーズ」に猛烈に恋してるからだ! うおおおおお!

……まぁ最後の雄叫びはどうでもよく、ドドメ色への色替えも実際は99.9%やることはないと思う。しかし「その気になればなんだってできる」という、上下左右360度にわたる「可能性」が広がっていてこそ、自動車趣味というのは価値があるとわたしは思っている。

月々の負担だけでなく「精神的な負担」も計算すべし

それゆえ、その「可能性」をどうしたって狭めるモロモロが多い残価設定ローンという仕組みに、与する気になれないのだ。たしかに月々の支払額というわかりやすい負担は軽減されるわけだが、「精神的な負担」までを含めてゼニ勘定をしてみると、あくまで不肖わたしの場合に限ってだが、あまり得しているようには思えないのだ。むしろ損してるというか。

まぁこのようにあれこれ言ったところで、大半の人からは「阿呆めが。そんな精神論ウンヌンではなくもっと賢くファイナンシャルを考えればいいのに」と言われるだけだろう。そして自分が阿呆であることに、特に反論しようとも思わない。「自由すぎる中古車」を愛するひとりの阿呆として、今日もまたカーセンサーnetやらGoo-netやらで、ステキでちょっとマヌケな1台を探したいと思っている。

そしてそんな毎日が、実はぜんぜん嫌いではない。

[ライター/伊達軍曹]

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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