相場がピークアウトしたポルシェ964購入計画。その支払いはどうなる?

  1. カーゼニ
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タイプ964を中心とする空冷ポルシェ911の相場がウルトラ高騰していることについては、賢明なるカレントライフ読者諸兄はとうにご存じかと思う。またその狂乱相場がこのところピークアウトし、落ち着きを見せ始めたことも、おそらくはご存じだろう。

筆者もそのようにとらえていたわけだが、その筋の専門店に取材すると、事実はほんの少しだけ異なっている模様だ。

下がったのは「ドサクサにまぎれて高騰した個体」

タイプ964の相場がピークアウトしたのは事実だが、それは「すべての個体が値落ちした」ということを必ずしも意味してない。例えば走行2万km台でオリジナルコンディションな964などは相変わらず天文学的な(?)プライスが付いており、それなりに上質なオリジナル964にも、それなりに高額なプライスボードが掲げられている。

下がったのは「ドサクサにまぎれて高値を付けていた個体」だ。

過走行なだけでなく、状態もイマイチなティプトロ車。妙な改造が施されている個体。シビアな修復歴がある物件……等々もブーム期はドサクサで高値になっていたわけだが、それらが今、そのモノに応じたプライスに下がったのである。まぁ、それでも数年前と比べればベラボーに高いわけですが。

しかしいずれにせよ「時は来たれり。買うなら今しかないぜ!」と考える不肖筆者だ。

本当ならもうひと声、いやもうふた声下がった段階で買いたいわけだが、おそらくタイプ964の相場はもう下がらない。や、オンボロ改造964とかは今後いくらでも安くなるのかもしれないが、ノーマルコンディションの良質な個体については、上がりこそすれ、下がるはずがないのだ。

なぜならば、それが「人気のクラシックカー」であるからだ。

中年になると、ずいぶん前の出来事も「つい最近のこと」と思ってしまいがちだが、冷静に考えればポルシェ911タイプ964が新車として販売されていたのは20年以上前のこと。たかが20年レベルのクルマを「クラシックカー」と呼ぶのはいろいろ語弊もあるが、少なくとも「クラシックなカー」であることは2000%間違いない。で、それは世界中で非常に人気が高く(良質なノーマル車の場合のみ)、現存数がさほど多いわけでもない(特に良質ノーマル車は)。

……下がる道理がないではないか。上がる可能性はあっても。

走行3.3万kmのカレラ2が647.9万円。その支払いはどうなる?

ということで筆者はこのたび、綿密なる「タイプ964購入計画」を立案せしめた。対象車両は、まぁフルノーマルに近くて状態が良ければなんでもいいのだが、ガレージカレントにて販売中の92年式カレラ2など、なかなか狙い目の存在であろう。

欲を言えばティプトロニックではなく5MTであってほしかったが、5MTはハッキリ言って高い。これと類似条件だと、たぶんだが200万円増しの850万円ぐらいになるのではないか。……そんなゼニはどこにもないので、個人的には「ティプトロで善し!」としたい。実際、筆者は7年前にティプトロのカレラ2に乗っていたが、「ある意味ぜんぜん十分じゃん!」と心底思ったものだ。それに壊れませんしね、あのオートマ。

で、この走行3.3万kmの92年式カレラ2は車両価格647.9万円。モロモロの諸費用を合わせた支払総額は680万円ほどだろうか? 面倒くさいのでガレージカレントにはいっさい確認してないが、おおむねの数字としてはそんなもんだろう(※大幅に違ってたらごめんさなさい)。

これをどう支払っていくか?

当然ながら筆者には680万円のキャッシュを即座に差し出せるほどの甲斐性はないため「ローン」となる。調べてみると、ガレージカレントが提携しているオートローンの実質年率は4.9%で、支払回数は最長120回とのこと。……ここは迷わず男の120回払いを選択だ。なぜならば、そうしないと筆者の場合は買えないからである。

公文式で鍛えた暗算により計算してみると、仮定の総額680万円を頭金なしのフルローン120回払い(金利4.9%)にすると、月々の支払額は7万1793円也。

……これはダメだ。払えないこともないが、何か起きた際に破産する可能性がある。

走行距離をむやみに延ばさないためのリスクヘッジも

プランを練り直す。まずは今乗ってるNAロードスターを売却したとして、50万円。や、本当に50万円で売れるかどうか知りませんが、そういうことにさせてください。で、それに加えてブタさん貯金箱から150万円を拠出し、計200万円也の頭金を捻出する。

「どうせなら150万円といわず、キリのいい200万円をブタさんから拠出しろよ! そのぐらいのゼニ、無くはないだろ!?」と言う人もいるかもしれない。

まぁ話としてはわかるが、わたしから言わせればド素人である。なぜならば、タイプ964を買うからには「964以外にもう1台乗れるクルマ」を用意する必要があるからだ。手元のブタさん貯金のうち50万円ぐらいは、それ(実用ド中古車)の購入に充てたいのだ。

「や、ポルシェ911ってのはスポーツカーであると同時に実用的にも使えるクルマなんだから、それ1台でいいじゃん?」とおっしゃるかもしれないが、コトはそう簡単ではない。

確かにタイプ964だけでの生活は十分可能だ(実際、筆者は7年前そうしていた)。しかし、それをやってしまうと「走行距離」がどエライ延びてしまう結果になるのだ。

「延びてもいいじゃん。一生乗るんだろ? ていうか男だろ? 後先気にすんなや!」

もちろん買うからには一生乗るつもりであり、ついでに言えば筆者の股間には玉も竿も付いている。しかし何事も「リスクヘッジ」は大切なのである。

一生乗るつもりだし、無理のない支払いプランを作成および履行するつもりでもあるが、世の中一瞬先は闇。「無理のない支払いプラン」と思われたものが、無理になることも可能性としては大いにある。

そのとき、購入時3.3万kmだったカレラ2が「走行10万km」とかになっていたらどうだろうか?

まぁそれでもそれなりの高値で売れるのがタイプ964というクルマだが、あくまでも「それなり」である。その時点で抱えている残債をスパッと清算できるほどの売却額には到底ならないだろう。

ということで、リスクヘッジのため自分は50万円ぐらいのド中古ワゴンRか何かを買い、日常的なつまらない用事はそれにて済ませ、ここぞという時に964を発進させる……というプランで行く所存だ。これであれば、筆者が干されて無収入になったとしても、とりあえず売却すれば残債を清算できる可能性は高い。首をくくらずに済むわけだ。

少々の頭金を入れれば(おおむね)無理なくイケる計算に!

以上の綿密すぎるほど綿密なプランを元に、ローンシミュレーションをしてみよう。

・支払総額:680万円(←適当)
・頭金:200万円
・借入金額:480万円
・返済期間:120カ月
・ボーナス月加算額:なし
・金利:4.9%
★毎月返済額:5万677円

……イケる。イケる気がする! まぁこれに加えてド中古ワゴンRの駐車場代が少々かかるわけだが、そこは気合と根性でなんとかしたい。

で、仮に購入から丸2年後、2019年9月あたりに筆者が経済的に困窮し、月々5万円ちょいのローンが返済不能になったら、果たしてどうなるか?

……その時点での残債は、公文式で鍛えた暗算によれば398万3784円。当初3.3万kmだった走行距離は、3.9万kmぐらいには達しているだろうか。

2019年9月時点での、走行3.9万kmの92年式ポルシェ911カレラ2ティプトロニックの買取相場および店頭相場がいくらぐらいなのか、正確なところはわからない。しかし「まぁ400万円ぐらいでは売れるんじゃないすか?」とはビンビンに思う筆者である。

人が生きている時間というのは思いのほか短い。五体満足な状態でスポーツカーを運転できる時間は、さらに短いはずだ。となれば、決して安い買い物ではないが、ここに男の人生(の一部)を賭けてみる価値は大いにあるはずだと筆者は確信している。

ということで、これから横浜のガレージカレントにちょいと現車を見に行ってみるので、本日のところは失敬する。御免。

[ライター/伊達軍曹]

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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