新型ベンツEクラスのオーナーたるにふさわしい「本当の諸費用」とは?

  1. カーゼニ
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フルモデルチェンジを受けた新型メルセデス・ベンツEクラスの出来がかなりイイらしい。「らしい」というのは、自分はまだ乗っていないからだ。

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新型Eクラス上陸の噂を聞いた自分は何日ものあいだ、ヒマさえあれば自宅長屋の郵便受けをパコパコと開け閉めし、メルセデス・ベンツ日本から『新型Eクラス試乗会のご案内』という封書が届くのを待った。しかしそこに入っていたのは常に「薄毛治療」や「出張マッサージ」のチラシだけだった。

そして過日、自分はメルセデス・ベンツ日本からの封書ではなく、知人ジャーナリスト複数のフェイスブックに「本日新型Eに乗りました。とても良かったですよ~」みたいな書き込みがなされたことで、試乗会の日時を知った。悲しくなった自分は『昭和枯れすすき』をフルコーラス歌うことで、なんとか気を紛らわせた。

まぁ歌った後で冷静に考えてみると、業界の片隅で主に中古車に関する与太話ばかり書いている自分のところに、新型Eクラス試乗会の案内が来るほうが、どちらかといえば間違っている。「ま、そりゃそうか」とマインドをリセットした自分は、とりあえず新型Eクラスの価格を調べてみることにした。

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……高い。日本仕様のなかではもっともベーシックなE200アバンギャルドでも675万円である。モロモロのことを考えると、とてもじゃないが購入は無理そうだ。

「や、Eクラスで600万円台ってのはわりとフツーだと思うし、ローンとか残価設定ローンとかを使えば、お前みたいなパンピーだって買えないことはないだろ?」

と言う者もいるかもしれない。その考え方は一見正しいようにも見えるが、わたしに言わせればド素人である。わたしとしては、そやつに「君は車両価格だけで物事を考えるのか? ……なんたるド素人! 喝!」と言わざるを得ない。

しかしそやつはこう返すだろう。「や、もちろん諸費用とかオプションとかもコミでの話だよ! そんなの常識だからわざわざ言わなかっただけで!」

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……そういったことを言っているのではないのだ。そんなのは君が言うとおり常識であって、わたしも今さら話題にしようとは思わない。そうではなく言いたいのは、それなりのクルマを買う際に必要となる「本当の諸費用」についてである。

「本当の諸費用」とは、そのクルマのオーナーたるにふさわしい生活を送るためのコスト一式のことだ。

考えてもみてほしい。もしもわたしが現在のライフスタイルのまま新型のメルセデス・ベンツE200アバンギャルドを買ったら、どうなるか?

……着ているのは2300円ぐらいのTシャツと1900円ぐらいの短パンで、靴下は履いていない。住んでいるのは貧乏長屋で、借りている月極駐車場は屋根などいっさいない野っ原パーキング。つい先ほど食った昼メシはココイチだ。そして「今日はたまたま家にいるからこんな感じ」というのではなく、自分はだいたい365日こんな感じである。仕事で外に出るときはさすがに靴下と靴を履き、そして秋冬になれば長そで・長ズボンに変わるというだけで。

……そんな生活にビカビカの新型Eクラスを取り入れても、滑稽でしかないではないか。ビカビカのクルマを買いたいのであれば、生活全般もある程度ビカビカにしなければならないのだ。似合わないのだ。

たとえば自分が本気で新型Eクラスを買うのであれば、生活全般を以下のように変革する必要があるだろう。

●住居:タワマンまたは瀟洒な低層マンションに引っ越す。都内城南地区の場合、賃貸だと家賃月額20万~40万円。買うとなるとおおむね8000万円~2億円。

●駐車場:上記タワマンまたは低層マンションに付帯する屋根付き駐車場。

●衣服:現在は全身ユニクロだが、これをせめて「全身ユナイテッドアローズ」ぐらいに変える。

●昼メシ:ココイチではなくインド料理店。

●その他:必要に応じて適宜。

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Eクラスの購入と同時にこれらのコンディションも整えようとすると、筆者独自計算によれば年間90万円ほどの飲食および被服費がアドオンされ(メシ代+30万円、服代+60万円)、そしてもちろん巨額の住居費も必要となる。今『SUUMO』で調べたところ、ウチの近所のいい感じの中古マンションはだいたい7980万円~で、賃貸の場合は月額25万円~のようだ。

そんなカネはないのである。

こういった「本当の諸費用」についていっさい言及することなく、高額なモデルのことをイイだの悪いだの、高いだの安いだのと言っている人やメディアは、何を考えているのだろうか? ……たぶん、何も考えていないのだろう。

[ライター/伊達軍曹]

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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