来るべき(?)初代ロードスターブームに向けて、今のうちにやっておくべきこと

  1. カーゼニ
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自分にはどうやら「先見の明」ってやつがあるようで、過去自分が購入したモデルはたいていの場合、その後中古車相場が爆騰する。今やほとんど買えない値段になってしまったポルシェ911のタイプ964しかり、低走行車の場合は900万円ぐらいの値が付くようになったランチア デルタHFインテグラーレEVO.IIしかりだ。あと地味なところでは、シトロエン2CVなんかも最近はそこそこ高騰している。……自分の鋭利すぎる感性というか千里眼が怖いぜ。

次に相場が高騰するのは初代マツダ ロードスターだ!

伊達軍曹 ロードスター

しかし問題は先見の明が「ありすぎる」ということだ。実はわたくし、上記モデル群の売却においていっさいの金銭的恩恵を受けていない。

つまり、自分が「これぞ!」と選んだ車種はたいていその後高騰するわけだが、それはわたしが売却してからしばらく経ってからのこと。わたしが売却した時点では相場は完全に無風だったり、あるいはやや低迷している。そのため自分はたいてい二束三文で車屋さんに売却するのだが、自分が手放すとなぜか相場は即座にムクムクと高騰する。そして「こんなことなら、あと半年乗ってりゃよかった……」と、手元のハンケチをグイと噛みしめるのである。

まぁそういったタイミングの悪さみたいなものはさておき、不肖わたくしにはそのクルマの相場高騰を見越す「先見の明」のようなものが確実に備わっているのだと確信している。となれば、そのセンスというか能力を何らかの形でマネタイズし、巨万の富を得ることも可能なはず。具体的にはどうすればいい? 簡単である。今現在わたしが所有している車種にフォーカスすれば良いのだ。それは、おそらくだが今後絶対に高騰するのだから。

伊達軍曹 ロードスター

で、自分が今所有しているクルマといえば08年式ルノー カングーの5MT仕様と、96年式のマツダ(ユーノス)ロードスター。ここカレントライフではおなじみのいわゆる「NA」である。もっと言うと「NA8C」だ。

ご承知のとおり本体マツダもNAロードスターに注目

伊達軍曹 ロードスター

まぁ初代カングーの5MTもそれなりに高騰する可能性はあるが、こちらはせいぜい「ほどほど」程度だろう。ちょい高騰してくれれば御の字だし、別に高騰しなくてもいい。我が草野球チームの道具車および釣り車として十分活躍してくれてますから。

しかしNAロードスターは違う。中古車相場学の観点から見ればバリバリのエースであり、期待の星だ。その出生にまつわるさまざまな伝説。プリミティブだが、それゆえ普遍的な魅力を放つ素晴らしき運動性能。今なお世界中の人を魅了してやまない可憐すぎるビジュアル。そしてどことなく漂う哀愁。……すべてが完璧である。趣味の乗り物としても完璧だし、中古車相場学すなわち投資の観点からしても完璧である。99.999%の確率で、NAロードスターの中古車相場は近い将来ウルトラ高騰するはずだ。

伊達軍曹 ロードスター

実際、自分がNAロードスターを購入してから半年ほどが経過したある日、マツダは「2017年後半をめどに、初代ロードスターを新車同様に整備し直すレストア復元サービスを始める」と発表した。それを聞いた自分は「フッ。ちょっと遅いけど、マツダもようやくモノがわかってきたようだな……」と偉そうに独りごちた。

数年後の相場高騰を見越して「NA専門店」を開業?

伊達軍曹 ロードスター

いずれにせよこれは大きなビジネスチャンスである。NAを通じて巨富を得る機会が、ついに自分の元へと到来したのだ。

……そのようなことを言うと、ディープでナイーブな自動車愛好家が多そうなカレントライフ読者からはFBページのコメントで「名車NAがカネにしか見えないのですか? この記者は哀れな人ですね」とか書かれそうだが、君のナイーブな意見など知ったことではない。西原理恵子先生も言ってるではないか、「人間、カネがないのは首がないのと同じ」だと。

カネに振り回される人生は当然哀れだが、ほどほどのカネすらもない人生のほうがもっと哀れである。カネは正しい。なぜならば、それはその人間の努力と知力と汗と涙と、それによって築いた「信用」とか「他人様の歓びや感謝」とかが形を変えたモノであるからだ。だから俺はカネを稼ぐぜ、先見の明によって入手したNAロードスターによってな! うおおおおおおお!

……と、そんな雄叫びを上げながら自分はさっそく「NAビジネス」に着手した。といっても今乗っている自分の96年式NA8Cを売却するとか、そういう話ではない。このNAには死ぬまで乗っていたいし、1台のクルマの売却益だけで巨万の富が得られるはずもない。ていうかNAの相場、まだそれほどバカ高騰してないし。

自分が行ったのは「NAロードスター専門店」の開業だ。

ブームとなるのは改造系ではなくフルノーマル系のNA

伊達軍曹 ロードスター

今後99.999%の確率で初代ロードスターの中古車相場は高騰するのだから、今のうちにNAのブツを全国から大量に買い集め、それをそれなりにレストアする。そしていよいよ相場高騰が始まったら、巧みな広告宣伝活動を通じてすみやかに売り抜ける。今のうちに仕込んでおけば、高騰後の1台あたりの平均粗利は150万円ぐらいになるはず。それを100台売れば1億5000万円であり、200台売れば3億円の粗利だ。

しかし「NAロードスターの専門店なんてすでにたくさんあるじゃん。今さら開業して勝てんの?」という疑問もあるだろう。当然、それについての対策も完璧である。もちろん自分も、いわゆる中古ロードスターの専門店が日本中にたくさんあることは把握している。しかしわたしが見る限り、それらお店さんはどれも「硬派すぎる」のだ。やたらと改造し、やたらとサーキットを走りたがる。無論それはそれで崇高な自動車趣味の一つだが、世の中には「そういうのはちょっと……」という人種だって多いのだ。

伊達軍曹 ロードスター

先見の明があふれまくっているわたしが見る限り、数年後のNAロードスターブームは「フルノーマル」を中心に沸き返ることになる。「サスを替えてエアロを付けてエンジンもチューンしてサーキットを爆走!」というのではなく、「往年の英国MGにも通じる上品でシブいミクラシックカー」として、NAロードスターは脚光を浴びるのだ。で、そういった流れに対応できている専門店は、自分が知る限りでは存在していない。そこに、自分はチャンスがあると思っている。

201×年、確かにNAロードスターの大ブームは到来したが……

伊達軍曹 ロードスター

ということで自分は最寄りの警察署に行って古物商の免状を取り、日本政策金融公庫にテキトーな企画書を提出して5000万円の開業資金を融資してもらった。ちょっと足りない部分は駅前のほのぼのレイクとプロミスに行ってなんとかした。

ショールーム兼作業ピットとなる賃貸物件を借り、近隣の敏腕町工場とも提携を結び、そして全国からまずは20台のNAロードスターを仕入れてレストアを進めた。で、満を持して2016年9月7日。iPhone7の発表とほぼ時を同じくして、我が「NAロードスター専門店 GUNSOU」は堂々のグランドオープンを果たした。

伊達軍曹 ロードスター

……そして201×年の今。わたくしは廃墟っぽいテイストを帯びてきた「NAロードスター専門店 GUNSOU」の、不動産屋への引き渡し作業をしながらこれを書いている。開業したはいいが、まったく売れなかった。いや、ある程度の期間は売れない時期が続くことは想定内だったし、その間は本業であるライター業のほうの稼ぎでなんとかするつもりだった。

しかしアテが外れたのは、自分が見越した「上品でシブいセミクラシックカーとしてのNAロードスターブーム」がなかなかやって来なかったのと、カレントライフなどでさんざん偉そうな態度を取ったせいで読者からも各編集部からも総スカンを喰らい、肝心のライター業の収入がほぼゼロになってしまったことだった。

来るべき(?)初代ロードスターブームに向けて今のうちにやっておくべきこと

「NAロードスター専門店 GUNSOU」の廃業後始末も完全に終わった2カ月後。明け方のコンビニで雑誌の品出しをしていると、Tipoだったかベストカーだったかの表紙に「初代ロードスターブーム到来! 今やフルノーマル物件は300万円超が当たり前に?」という見出しが踊っているのが見えた。「……時期はちょっとズレたけど、やっぱ来たな、NAブーム」とわたしは独りごちた。そして休憩をとるため、従業員控室へと向かった。

[ライター/伊達軍曹]

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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