自動車誌系出版社の編集者のフトコロ事情で、BMW3シリーズを『リーズナブル』といえるのか?

  1. カーゼニ
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この世の中、わたしが知る限りでは「お金持ち」や「小金持ち」の数は比較的少なく、わたしを含む大半の人はいわゆるパンピーであり、そしてパンピーのフトコロ事情は正直なかなか厳しいはず。

それなのに街には高価な最新輸入車があふれかえり、そして各自動車メディアでは、けっこうな高額モデルについても「今度の○○の価格設定はかなりリーズナブルでそそられる!」とかなんとか書かれている。

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……みんなホントにそんなカネ持ってんのか? 少なくとも俺はないぞ!

ということで、前回はわたくしのような「大して有名ではないフリーの自動車ライター」の推定フトコロ事情をぶっちゃけてみたわけだが、今回は筆者の前職である「自動車メディアを作ってる人」すなわち中小出版社に勤める社員編集者のフトコロ事情について考えてみたい。勝手にすみません。

まあ最近は自動車メディアといっても、紙の雑誌よりウェブ媒体のほうが主流だったりもするので、「出版社」に限定する必要はないのだが、なにせ筆者は出版社の給与事情しか知らないからということで、そこのところはご容赦願いたい。

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さて。前述のとおり誌面などで時おり、「今度の○○の価格設定はかなりリーズナブルでそそられる!」とかなんとか書いている自動車誌系出版社の社員編集者だが、たとえばその○○がF30こと現行BMW3シリーズであった場合、そいつ(自動車系出版社の社員編集者)はF30のプライスのことを本当に「リーズナブルだ」と思えるのか?

ちなみにリーズナブルという英単語は、価格について用いる場合は「それほど高くない」「まあまあの」という意味になる。

で、そやつは売れ筋グレードで550万円前後となるF30型BMWのプライスを、心底「それほど高くない」と思えるほどの給料を取っているのか?

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……これは会社にもよるしポジションにもよるから、あくまでも「だいたいの話」でしかないのだが、まぁだいたいの場合、550万円のクルマを「それほど高くない」とは思えないはずだ。お呼ばれした試乗会で高級ホテルの料理食って、そんでもって普段から広報車を乗り回してるせいでちょっと麻痺してるだけで。

もちろん人様の正確なフトコロ事情など知る由もないので、自分の実体験をベースに考えてみよう。

わたしは新卒として超有名多国籍企業の日本法人に華々しく入社し、そして25歳ぐらいで華々しくドロップアウトし、しばらくのプー太郎生活を経て、28歳でとある自動車系中小出版社へ地味に入社した。その際に提示されたギャラは月20万円(税込み)+ボーナス年2カ月分だった。

……暗算するまでもなく「税込み年収280万円生活」である。

マジか? と思ったわたしだが、これでもその会社のなかでは恵まれた新人であったことを後に知る。内定との電話を受けた際、わたしは「やりたい仕事ですが、あまりにも給料が安い場合は入社しません!」と(未経験者のくせに)ゴネたため、会社側は仕方なく破格の(?)初任給を用意したのだ。後に聞いたところによれば、その会社の初任給は月16万円(税込み)ぐらいというのがデフォルトだったそうだ。……マジか?

そしてお約束のように、さっそく翌年から「年に2カ月分」という雀の涙なボーナスすらも完全に滞るようになったわけだが、まあ仕方ないということで、わたくしは眼前の業務に集中した。そして持ち前のウルトラスーパー能力が炸裂した結果、早期に昇進を果たし、記憶によれば入社4年目から退職時(入社から9年)に至るまでずっと「編集長」を務めた。

そして「編集長」としての年収は、これまた記憶によれば税込み520万円だった。

要するにわたくしが在籍していた某中小出版社社員の年収は「ペーペーが250万~300万円ぐらいで中堅が400万円ぐらい、管理職でも500万円ぐらい」ということだ。

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もちろんこれは、すべての自動車系出版社の平均ではなく「下のほうの平均」だろうと思う。わたしが在籍していた会社は、それはもう筆舌に尽くしがたいほどアレなところだったので、よそさんの社員はもっともらっているでしょう。

とはいえ業界のムードおよび給与水準から考えて、講談社正社員並みの年収(30代で1200万円ぐらい)を得ているとは考えづらく、中堅どころの会社でわたしがいたブラック企業の1.5倍ぐらい、上位の会社で2倍ぐらいなのではないかと推測する。

つまり中堅どころの会社ではペーペーが400万~450万円ぐらいで管理職が750万円ぐらい、最上位クラスの会社ではペーペーが500万~600万円で管理職が1000万円ぐらい……というのが、わたくしが推測する「自動車メディアを作ってる人々の給料」だ。ま、リクルートとかの非出版業系はまた全然別なんでしょうが。

さて、この数字(あくまで勝手な推測)を高いと思うか安いと感じるかは、完全に人それぞれだろう。しかし一つだけ確実に言えるのは、「年収500万円とか750万円程度の人間が、550万円のBMW3シリーズのことを『リーズナブル』などと評するのはおこがましい」ということだ。なに寝言いってんだ、と。まぁ推定年俸1000万円の一部管理職であれば、言ってもバチは当たらないかもしれませんが(でも1000万円なんて実は全然裕福じゃないですよ。貧乏ではないってだけで)。

……この話題に需要があるのかどうか今なおわかりませんが、次回の「フツーの会社員編」に続きます。

[ライター/伊達軍曹]

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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