「中の上のリーマン」なら現行ベンツC200アバンギャルドのローン購入も楽勝なのか?

  1. カーゼニ
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筆者がこれまでの人生で知り得た限りでは、この世の中は1割の金持ちと2割の小金持ち、そして4割の普通人と3割の貧乏人で出来ている。要するに、そこらを歩いている10人のうち7人のフトコロ具合は「普通」または「貧乏」なのだ。

なのに、なぜか街には最新世代の高額輸入車(現行のベンツCとかBMW3とか)があふれかえっている。

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「……この現象はいったい何なんだ?」ということで人々の年収と自家用車の関係に強い興味を抱いた筆者は、その研究というか検証を開始した。といっても人様のフトコロ具合を正確に知ることなどできないので、あくまで自身のことを振り返り、そしてそれをベースに少々の推測をしてみるだけなのだが。

で、初回はわたくしの現職である「フリーの自動車ライター」について検証し、2回目は前職である「中小出版社社員」について考えた。そして今回は、前々職である「いわゆる普通の会社員」について考えてみたい。

まずは何をもって「普通の会社員」とするかがそもそも難しい。平均年収1358万円となる三菱商事の社員も言ってみればフツーのリーマンであり、平均年収273万円の専門商社、株式会社ニッコリ商事(架空)の社員だって「普通の会社員」であることには変わりない。

難しいときは、自分自身の具体例をベースに考えてみるのがいちばんだ。もしもわたくしが、新卒で入った会社(某多国籍企業の日本法人)を25歳ぐらいのときにドロップアウトせず今も勤務していたら、現在の年収はいかほどだったのだろうか?

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……これまた正確な金額を出すのは難しい。なぜならば、もう辞めちゃてる部外者ですから、すべての話は「仮定」と「想像」に基づかざるを得ないわけです。しかし世の中にはネットという便利なモノがあるため、口コミベースによるその企業の「現在の年収事例」を知ることはできた。信憑性はさておき、その数字は以下のとおりだった。

26歳:550万円
30歳:700万円
34歳:900万円
41歳:1100万円

……この口コミの信憑性は高いのかもしれない。なぜならば、わたくしが退職した25歳ぐらいのときの年収がだいたい550万円だったからだ。ほぼ合ってる……。

職制による年収事例は以下のとおりとのこと。

アシスタント:500万~600万円
アシスタントマネージャー:600万~700万円
マネージャー:800万~1200万円

……これも合ってる。当時のアシスタントマネージャーやマネージャーに居酒屋で聞いた年収は、だいたいこんな感じだった。

となると、この情報をベースに推測する「もしも普通の会社員を40代後半の今日まで続けていた場合」のわたくしの年収は、おそらく以下のとおりだ。

「1100万円か1200万円ぐらい」

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……まあまあである。上級リーマンとはいえないかもしれないが、少なくとも「中の上のリーマン」だとは言える。このぐらいなら、例えばシュテルンに行って車両価格545万円也のメルセデス・ベンツC200アバンギャルドにオプションを付けてローンを組むのも楽勝だ。信販会社も、フリーライター(別名:無職)である現在の自分には一銭も貸してくれずとも、「中の上のリーマン」であるわたしには快く貸してくれるだろう。

ということで、めでたしめでたしである。なるほど、街にあふれかえっている現行Cクラスとか3シリーズとかは、こういった人種が主に買っているのか……と得心しかけたわたしだが、コトはそう単純ではなかった。

「リストラ問題」があるからだ。

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前述の「辞めてなければ1100万か1200万円」というのは確かにそのとおりなのだが、それは「最大限スムーズに出世したならば」という前提があっての話である。

具体的には、20代半ばぐらいで頭角を現し(ちなみに筆者は全然現しませんでした)、20代後半でとっととアシスタントマネージャーになる。そして30代前半か、遅くとも後半にはマネージャーに昇進し、担当するブランドなり部署なりで実績を上げ続ける。それがあって初めて実現する「40代後半での1100万か1200万円」なのだ。

「そこまでスムーズに出世しなくても、たとえばヒラのまま窓際生活を楽しむのもステキじゃない。それでもたぶん700万円ぐらいはもらえるんでしょ?」と、あなたは言うかもしれない。

確かに昭和の時代は、そんなハマちゃん的サラリーマンライフも成り立ったのだろう。しかし時代は変わった。もちろん会社にもよるだろうが、今や多くの企業は「ハマちゃん」を飼う余裕または意思を有していない。外資系企業でよく言われる「UP or OUT(昇進か、クビか)」の世界観が、否応なしに一般化しつつあるのだ。

過日、実はその会社の「同期会」というのに参加した。ごく一部の者はまだ在籍していたが、大半の者は転職していた。転職の事情はさまざまだろうが、40歳前後でいわゆるリストラ宣告を受けた者も多かったと聞く。バブル採用組の宿命である。そしてわたしなどは仮に25歳で退職しなかったとしても、自慢じゃないが同期の誰よりも早くリストラ宣告を受けていただろう自信がある。

つまり「辞めてなければ1100万~1200万円」は絵に描いた餅なのだ。

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不安定なフリーランサーや中小企業の社員ではなく「それなりの会社員」でさえあれば、シュテルンかヤナセあたりで誇らしげに判子をつき、白いC200アバンギャルドなどを迷わず買えるのものだと思っていた。しかしどうやらそうとも言い切れないことが、今回の思索で判明した。

街にあふれかえっているあの白い現行Cクラスや黒の現行3シリーズには、果たして誰が乗っているのだろうか。わたしには、わからない。

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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