飛び石にも事故にもあったことがない人間に保険は必要なのか?

  1. カーゼニ
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過去10年間ほどは個人事業主として仕事をしてきた自分だが、昨年の途中にいわゆる法人成りをしてこました。法人成りをしていちばん良かったと思っているのは、実は「悪夢のような国民健康保険」とオサラバできたことだ。

保険料は払ってるが、その恩恵を受けた記憶がない

自分は残念なことに馬鹿者であるため、風邪はめったにひかない。そして身体のその他各部も、おめでたい性格ゆえだろうか、すこぶる健康だ。そのため医術の世話になる機会といえばせいぜい年に数回、歯医者さんに行くぐらいである。

しかしそれでも国民健康保険料は嘘のように高額だった。

会社員の方はその健康保険料の半分を会社側が負担しているため、あまり高いとは感じていないのかもしれない。しかし自分のような与太者は全額を己で払うほかない。そして月々のその支払額は、軽く絶句するほどの金額だったのだ。

だがこのたび法人成りしていわゆる社会保険に加入し、そしてセコい節税術なども駆使しまくる結果、来季(つーか今季か)の健康保険料は、それなりの大幅ダウンを記録する予定なのだ。あーよかった。

しかしアレだ、自分はそもそも「保険全般」に対して憤懣やるかたない気持ちを抱いている。

だってさ、前述のとおり自分は馬鹿者なので風邪もこの3年か4年ひいてないし、内臓も(今のところ)ノープロブレムだし、喧嘩もしないから拳を痛めることもないし。自動車に関してもウルトラスーパー安全運転車なので、交通事故なんか生まれてこのかた1回も起こしたことがないし、もらったこともない。

それなのに、前述の健康保険に加えて生命保険に入院保険、がん保険、クルマの自賠責保険に任意保険、草野球用の団体スポーツ障害保険……と、保険業界に結構なゼニを払っている。

がしかし、その恩恵を受けたことは(ゼロとは言わないが)あんまりない。

だが、なぜか不幸は保険を脱退したその瞬間から起こる

自動車のフロントガラスにしたってそうですよ。

自分は昨年末にスバルXVを購入した際、アイサイト搭載車はフロントガラスに飛び石とかで傷が入るとシャレにならないっつーことで、ディーラーが勧める「アイサイトプラス」なる付帯サービスに加入した。これは「走行中でも停車中でも、飛来物や落下物によるフロントガラスの単独損害が発生した場合、自己負担額3万円でフロントガラスの交換サービスをご提供いたします」というやつだ。

まぁそれは入ったほうがいいだろうということで加入したわけだが、よく考えてみたら自分はクルマの運転を始めてから約25年、「フロントガラスに飛び石を食らった」という経験は実は一度もない。

……意味あんのかな? もう全部やめちゃおうかな……。

そんな思いが脳裏に浮かぶ瞬間も、正直申し上げて、ある。

が、もちろんそれは危険思想だ。

クルマの任意保険はマジでシャレにならないので絶対にやめることはないが、その他の保険について「あー! もうヤメだヤメ!」といってすべてから脱退したその瞬間、なぜか自分は99.9%の確率で風邪をひき、ガンマGTPが急上昇して即刻入院となり、駅前で不慣れな喧嘩をして右拳を骨折し、ガンが見つかり、草野球で半月板を破壊し、そしてXVのフロントガラスに派手な飛び石を食らうのだ。もうわかっている。

なぜ「わかっている」と断言できるかというと、それは自分が嗜んでいる外国為替証拠金取引での実体験からだ。

「損切り」をしない相場参加者の末路

外国為替証拠金や株などの投資・投機の世界には「損切り」というのがある。

これは、為替とか株とかを買うなり売るなりしたはいいが、予想と反する方向にプライスが向かってしまった場合、自分が決めた水準で反対売買を執行することだ。要するに「ある程度の額で自ら損失を確定させる(限定する)」という行為である。

投資・投機においては非常に重要な「損切り」なわけだが、これが実はなかなかやっかいな代物だ。

なぜならば、相場というのはほぼ必ず「戻ってくる」からである。

何かを買ったのに相場が下がってきて、「あー、ここを割ったらもうだめだ! 損切るしかねえ!」ということでポチッと損失を確定させる。例えばだが「1万円のロスで損切った」ということしようか。

で、そのときは「ふうっ。まぁこの程度の損で済んで良かったわ」と心底思うわけだが、なぜか知らねどその後数十分から数時間もすると、下がっていた相場はまたスルスルと戻ってくる。で、「あのとき損切りしてなけりゃ今頃爆益だったのに……」みたいな水準へと上がっていく。

こういった苦い経験を繰り返すことで、相場参加者は次第に損切りをしないクセが付いてくる。「ま、我慢してればどうせそのうち戻るんだから、損切りなんて意味ないよ」と。

確かにそのとおりだ。相場というのは90%から98%ぐらいの確率で、長期的に見れば同じところを往復しているだけだ。だから、損切りなどしないでもちゃんと利益は出せる。や、むしろしないほうが爆益となる場合が多いだろう。

ということで完全に「損切りしない人」となった参加者は、いずれ大きめの勝負に出る。大ロットでの買いまたは売りを入れるのだ。損切りの注文はしないまま。

……もうおわかりかと思うが、こういうときに限って、普段は同じところを往復しているはずの相場が、なぜか完全な一方通行となる。

ムカつく保険料も「人生の必要経費」と思うしかない

「あと数日我慢すれば絶対に戻るはず!」と思っても、不思議なことに、そんなときに限ってまったく戻らない。そしていつしか「数日」は「数週間」になり、そして「数カ月」となった頃、破産する。さらについでに言えば、その人が見事に破産したその瞬間から、なぜか相場はその人が長らく望んでいた方向へと急転換する。皮肉で不思議だが、本当だ。

自分は以上のことを身をもって経験しているゆえ(まぁ破産はしてませんが)、憤懣やるかたない「保険」についても、「まぁしょうがない。払うしかねえか」と捉えているのだ。

もちろん「保険は賢く選ぶ」という、まるでCMみたいな姿勢は重要となろうが、やはりある程度の部分は「生きるうえでの必要経費」として、我々はムカつきながらも支払うしかないのだ。特に、自動車の任意保険は絶対にね……という、なんのヒネリもなくてつまらない、しかし圧倒的な真実を述べつつ、自分のお話はまた次週ということにさせていただきたい。御免。

[ライター/伊達軍曹]

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伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。途中2008年から2011年には編集デスクとして「IMPORTカーセンサー」(リクルート)の創刊準備および編集運用を業務委託として担当。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。

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